ここでこの曲かよ_

ここでこの曲かよ。

まだジョン・レノンのドキュメンタリーを見て、彼の足跡をたどっている。

ヨーコと別れ、失意のカリフォルニアでの乱痴気騒ぎの後、エルトン・ジョンとのシングルヒットをきっかけに復縁。そのタイミングで息子ショーンが生まれ、主夫業に専念。

それから五年経った後の復帰作が「Starting Over」。

Our life together is so precious together
おれ達、一緒に暮らしてきた時間、かけがえのないものになったね
We have grown, we have grown
老けたもんだね。大人になったのかな?
Although our love is still special
二人の愛情が今でも特別なのは、それはそうだけど
Let's take a chance and fly away somewhere alone
ちょっと冒険して、二人だけでどこかに、飛び立ってみないか

いい訳だ。「老けたもんだね」ってところがいい。

「ヒットした曲は知っている」という感じで年代ばらばらにジョンの曲を聴いていたので「Starting Over」がこのタイミングだったとは驚いた。

そして五年のブランクでこのクオリティ。この歌詞にこの曲。

当たり前だけど、とんでもねぇ。

Starting over, 「振り出しに戻る」とか「よりを戻す」という意味だそうだ。それは女性との関係を指すようでいて、きっと音楽やロックンロールとの復縁だったんじゃないかと思う。

老けたもんだね。じゃ、いっちょまたトンでみようか。

It's been too long since we took the time
大変だった頃の事ってすごく昔のこと
No-one's to blame, I know time flies so quickly
誰も責める気はないさ。時が過ぎるのなんてあっと言う間
But when I see you darling
でもお前を見ていると
It's like we both are falling in love again
また恋をはじめられそうだね
It'll be just like starting over, starting over
そう、また、「振り出しから」って感じで

そんなふうに自分の愛するものや人たちと復縁することができるのは、幸せなことだと思う。

だからこそ、その矢先に彼が逝ってしまったのは惜しくてならない。(1980年に言えよって感じだけれど、当時僕は3歳だった。)

そんなふうにしてまで、彼は「In Memory」というかたちで記憶に遺されたのかな。でも、それにしたって残酷すぎやしないか。

It's time to spread our wings and fly
そろそろ、羽を広げて、飛び立とうよ
Don't let another day go by my love
一日だって無駄にしたら、もったいない
It'll be just like starting over, starting over
そう、また、「スタートから」って感じで

彼が亡くなったのは、1970年代の終わりだった。

そして、平成の終わり。
今日もまた好きな作家さんの訃報があった。

その日がいつ来るかは分からない。
なにが遺作になるかも本人が決めることではない。

でも「Starting Over」だったのになあ。
このタイミングでこの曲がぶっ放せるジョンだったのに。

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