飛べ_

鳥の羽ばたきって「こわい!」ってふるえた時の名残りかもしれないね。

ひな鳥のはばたき
まっ白なさいしょの根っこ
あかちゃん

はじめてのひとたちは
みんな みずみずしく輝いてる

空が 土が おかあさんが
抱きしめてくれるって
なぜ知っていたの

あんなに安心した顔で
いまきみは どんな夢をみてるの

ひとりっきり
暗い闇に 飛びこんだんだ
あったかかったんだよね
うれしかったよね、それは

はじめて空を飛んだとき
いったいどんな気持ちだったの

はじめて種から出たとき
こわくなかった?

はじめてのひとたちは
きっとこわがりながら
ふるえている

空が 土が おかあさんが
抱きしめてくれるって
なぜわかっていたの

あんなにうれしそうな顔をして
いまきみは なにを言おうとしてるの

空も 土も おかあさんも
はじめて生まれたとき
やっぱり泣いたよね みんな

「だいじょうぶ」

と声がして 
意味もわからずに 安心したんだ

そこにいま ぼくじゃない
だれかがいる

あんなに安心した顔で
いまきみは どんな夢をみてるの

ひとりっきり
暗い闇に 飛びこんだんだ
あったかかったんだよね
うれしかったんだよね、それは

昨日、奈良の石切にいって、人と話して思いついたこと。

鳥は飛ぶときに、翼を大きく羽ばたかせるけれど、あれも最初は「落ちる!」「こわい!」ってふるえたところからかもしれない。

種からはじめて根を出す、まっ白な根っこは、土にふれたとき、思わぬあたたかさにびっくりするかもしれない。

そして、ぼくらもはじめて生まれたとき、きっと「なんだここは!?」ってすごく驚いたんだと思う。そりゃ、泣くよね、泣く。

でも、鳥に空が、根に土があったように、ぼくらにもおかあさんや周りの人たちがいた。日本が、世界が、地球があった。

彼ら「外の人たち」に呼びかけられて、迎え入れられて、鳥は飛び、根はのびて、ぼくたちは生まれた。

なんかそれって、すごいことに思えてねぇ。

そして、本当に「ひとりっきり」なんて頭の中にしかないもんなんだと思った。この思いつきだって、その人と話さなかったら生まれなかったもんね。

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