やりたいことを育てる_

やりたいことの育て方。

The opposite of success is not failure. It’s not trying.
成功の反対は失敗ではなく、挑戦しないことである。

「やりたいことをやろう」
という言葉は、本にも、人の発言の中にもよく出てくる常套句だ。

でも、それができない人は驚くほど多い。
できない人が多いから、こんなに言われるのだと思う。

やりたいことをやるのがいい。
そう分かっていても、僕らはつい、やりたいことよりも、やらなければならないこと、できそうなことで人生の時間を埋めてしまう。

この「やりたいこと」について、引退したイチロー選手は、会見でこう語っていた。

「成功すると思うからやってみたい。それができないと思うから行かない」という判断基準では、後悔を生むだろうなというふうに思う。

やりたいならやってみればいい。「できる」と思うから挑戦するのではなく、「やりたい」と思えば挑戦すれば良い。その時に、どんな結果が出ようとも、後悔はないと思うんですよね。

自分なりの成功を勝ち取ったところで、じゃあ達成感があるのかといったらそれも僕には疑問なので。基本的にはやりたいと思ったことに向かっていきたいですよね。

「やりたい」と思って挑戦するときには、どんな結果が出ようと悔いは残らないが、できるかできないかで決めた挑戦は、後悔を生むだろう。

イチロー選手は、周囲からみて華々しい成功を収めた人だ。
けれど、引退会見の中に、その功績に触れた箇所は驚くほど少なかった。

実際、長い現役生活で何を得たかという質問に、イチロー選手は、こう応えている。

……まあ、こんなものかなあという感覚ですかね。

いや、そりゃあ200本もっと打ちたかったし、もっとできると思ったし。一年目にチームは116勝して、その次の二年間も93勝して。勝つのって、そんなに難しいことじゃないなって、その3年は思ってたんですけど。大変なことです、勝利するのは。この感覚を得たことは大きいかもしれないですね。

そして、残ったものは「もっと打ちたかった」「もっとできると思った」「勝利するのは大変なこと」。それは謙遜ではなく、実感としてそうなのだと思えた。

しかし同時に、彼はこうも言っている。

今日のあの球場でのできごと…。あんなものを見せられたら、後悔などあろうはずがありません。

もちろん、もっとできたことはあると思いますけど、結果を残すために、自分なりに重ねてきたこと。人よりも頑張ったということはとても言えないですが、そんなことは全く無いですけども、自分なりに頑張ってきたということは、はっきり言えるので。

これを重ねてきて、重ねることでしか、後悔を生まないということはできないのではないかなというふうに思います。

後悔などあろうはずがない。自分なりに頑張ってきたから。

僕はこうしてしつこくイチローの言葉を反芻しながら「後悔しないで生きるとは、どういうことか」を確かめている。

大事なのは、「自分なりに」というところだと思う。
あるサイトには、こんなことが書いてあった。

「自分のやりたいことというのは、
 まずは、自分自身が、
 尊重してやらないとダメなんだ」
(ほぼ日刊イトイ新聞『なぜ学ぶのか、何を学ぶのか』より)

ある時から、僕の人生は、他人とはかけ離れたものになっていった。
いつからだろう。会社員をやめたくらいからだろうか。

参考書もない、アドバイスも役に立たない、ひとりぼっちの道。
それまでは周りの人と同じ環境で生きている感覚があったのに、家族とも、友人とも、どんどんどんどん離れていくようになった。

いまではもう仕方がないと思っているが、正直心細いこともある。

そのときに頼りにするのは、やっぱり自分なりに失敗を重ねてきた経験だ。心許ないが、それしかない。自分の次の判断は、これまでのすべての判断の積み重ねから導き出していくしかない。

そんな僕が、イチロー選手の会見を観て思ったのは「このように死ねたらいいなあ」ということだった。

心残りはあるけれど、自分なりに頑張った。とにかくやりきった。

後悔などあろうはずがない。

そう言って死ねたら。

いま、何度も何度もこうして繰り返し書いて「悔いのないように生きていきたい」という気持ちを確かめている。

生きて、全うしたい。

その思いを果たすために、やりたいことをやる。
それだけのことに、こんなにも覚悟がいるのは、なぜなんだろう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

このブログのほか、メルマガでも毎日文章を書いています。
出入り自由です。よかったら、遊びに来てください。
↓  ↓  ↓
音のないラジオ「生きているQ」
http://urx.blue/XDoh

記事を読んでくださって、ありがとうございます。 いただいたサポートは、ミルクやおむつなど、赤ちゃんの子育てに使わせていただきます。 気に入っていただけたら、❤️マークも押していただけたら、とっても励みになります。コメント、引用も大歓迎です :-)