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家族の正直な気持ち?

 もうすぐお正月ですね。

 私は本日仕事納め、年始は1日の夜勤から仕事始めです。

救急病院は盆暮正月関係ありません。24時間年中無休。それが普通。


 でも少しお正月だなぁって感じる時がちょうど年末の今の時期なんです。

 入院されている患者さんの一時帰宅や退院が相次ぐのです。
 各患者さんの担当医師やナースとご家族で退院や一時帰宅の計画を話し合います。
退院や一時帰宅を許された方には
「お正月は家族と一緒に過ごしてくださいね。だけど絶対に不調があったらすぐに連絡してくださいね。」と送り出すのです。

そして先生方は病院に泊まり込んだりすぐに連絡が取れる体制を取ります。看護師さんも同様。患者さんのためにすぐ対応できるように備えているのです。

数年前のある日のこと…

一人の女性患者さんの息子さんが退院のお迎えで
「こんな年末に退院かぁ。正月はゆっくりできねぇな。認知症あるのによぉ。嫁はたまにはと言って実家に帰るし誰が母さんの面倒みるんだよ。もうこのまま病院で見てくれりゃ良いのに」と。

えぇぇ〜‼️

私は正直なところ腹が立ちました。
①病院側とご家族できちんと話し合いして決めましたよね?
②患者さんは退院とても喜んでますよ。
③嫁だけに面倒見させる気満々ですよね。
④認知症確かにあるけど軽度ですよ。

ムッキーッ💢

誰のお母さんですか?お正月はお家で過ごせるように治療の日数など計算して手術や経過をみてきたんですよ!
あなたのお母さんのために何人のスタッフがどれだけの努力をしてきたか。
どれだけお母さんが治療に一生懸命取り組んできたのか。
このまま病院でみておいてくれだと?!
お母さんが聞いたらどれだけ悲しむかどれだけ傷つくか。
あぁぁん💢


すみません。取り乱しました。


まぁ、
そんなことがありました。

たしかにそうなのかもしれない。


主任ナースが
「でもさ、あの話は家族さんの正直なところだよね。お母さん、病み上がりで認知症があって。面倒をみる側は病気のことも対応の仕方もきっと何もわからないよね。はい、今日からお家で介護ですって言われてもさ。戸惑うよね。嫁にたよろうってのは気に入らないけど。」と。

帰宅直前、息子さんに退院後どんな事が心配か聞いてみると

「病気はなんとか対応ができると思うけど認知症がな。どうすりゃいいのかサッパリわからん。入院前から物忘れはあったけど面会に来るたびに認知症
が進んでる気がして怖いなぁとも思うしね。」と。

私は慌ただしい帰宅直前に
「お母さんの話をよく聞いて返事をしてあげてください。面倒だと思っても無視しないでくださいね。認知症でも理解できることはたくさんあるし、自分でできることもたくさんありますから。」と伝えました。

 あの親子は元気に穏やかに過ごしているのでしょうか。

あの時は私も認知症の知識があまりなく大したアドバイスもできませんでしたが今では年月も流れ成長したと思います。

対応の基本


否定しない
おかしなことを言っていると否定すると反発心を持つので持たせないようにする。

無視しない
無視されると深い悲しみ、不安が現れる。

叱らない
なぜ怒られているのか理解できないので「怖い人」「嫌いな人」「よく怒る人」となる

バカにしない
理解力は衰えてはいるが自尊心は持っているから。
尊厳を傷つけないようにする。


認知症の方には私たちに理解できない問題行動があったりもしますがその行動や発言は本人にとって意味があるのです。


高圧的な態度は取らず共感する姿勢を見せると認知症の方の自尊心を傷つけることもなく苛立ちや悲しみが生まれることも少なくなるでしょう。
認知症の方に寄り添う事が落ち着いた対応に大切なことと思います。


いかがでしょうか。
認知症でなくても怒った口調で話してこられたらこちらもなんなの?!と喧嘩口調になりますよね。
穏やかに対応して穏やかに過ごしましょうね😃


最後まで読んでいただきありがとうございました。

次回はコミュニケーションについて書きたいと思います。
お楽しみに😘






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