精神科の長期入院の課題…


看護学校でも勉強しましたが、
日本の精神科病棟の課題はまだまだ山積みです。

「長期入院」
実際精神科で働いてみて、私の思う想像以上でした。

数年、なんてものじゃない。

なかには10年、20年、それを超える年数入院している患者さんもいました。


ある1人の患者さんの退院の話が出たことがあります。その患者さんは長期入院していて、すでにその時点で60歳弱。身寄りは兄弟のみ。
退院の話が進む中、患者さんが退院を拒みました。
「退院してもやっていける気がしないよ」と。
結局、退院は白紙に。

そんな長い入院生活をしていたら…
そうですよね。

例えば40代で入院して、20年経過したとする。
親はさらに高齢になり、友人とも疎遠になるはず。
世間だってどんどん変わる。
車が増えて、電車の切符が電子マネーになって。
お店のレジもセルフ、ガソリンスタンドもセルフ。
ケータイも進化してコミュニケーションの形も変わる。
近所の人なんてみんな誰が住んでるかわからなくなってるかもしれない。

しかも長い入院生活に慣れてしまったら、病院の外での暮らしをいきなりするなんて本人にしたら不安でたまらないはず。

色々が麻痺する。

そんな事例を目の当たりにして、患者さんの気持ちは想像を絶するのかなと。

だからこそ、精神疾患のある患者さんにも対応できる訪問看護とかデイケアは重要なんだなぁと実感してきました。

精神科デイケアも実習で行きましたが、
通ってる患者さんは不安を持ちつつも自分の居場所として過ごしているようにも感じました。
やはり、閉鎖病棟に居るよりも生き生きとしていて。実習生だった私たちを快く卓球しようよ、と誘ってくれたのをいまでも覚えています。

精神疾患も、骨折とか癌とかと同じ「病気」だし同じように治療しようとしているんだから。

精神科の患者さんだからと偏見を持つのが私には理解できません。

世の中にいる、狂ってる犯罪者のほうが何百倍も怖いし恐ろしい。

どうか少しでも、今後、
精神疾患を持つ患者さんが楽しく前向いて過ごせますように。

願うばかり。

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