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若い頃学んだ、欧米型の「ディベート」は間違っていた

私が若い頃の、外資系のコンサルティング会社時代に、若輩ながら大手上場企業のエリート(役員・部長クラス)たちにプレゼンしたり交渉したりする際に、ディベート力・演出力が必要だと考えていました。

そのために、若くて軽くみられるといけないと、事前に(模擬的に)鏡の前に立ち、説得力を増すための話し方、歩き方・身振り・手振りを、何時間もかけて、一生懸命に研究したことが懐かしく感じます。

特に、ディベート術は、社内の会議やプレゼンなどでも必須であり、よくノウハウ本を読んでいました。

ディベートは意見の異なる立場に分かれて議論を交わすディカッションの手法で、自分の意見を第三者に認めさせることを目的としています。

それから、なん10年も経ち、ディベートの本質は何かを考えてみると、意外な答えに辿り着いたのです。

それは、一言で言えば、「ディベートとは、自らの力を誇示する」あるいは「ディベートとは、ウソを事実のように言える力」だったということです。

つまり、科学的な事実や真実を見つけるための議論や討論でなくて、自分の力や権力を最大限に活かして、自らの利益のために相手を論破することです。

このことに気づくまでに、長い年月がかかりました。

「金儲けが正義」「支配者が力を持つ」という思想の発展系がディベートなのです。

その際には、事実や真実はほとんど無視されます。

科学的で客観的な根拠さえも、議論されない。

そういう考え方が、ディベートの本質といえます。

言い換えると、力ずくの議論です。

欧米的な価値観の押し付けにも、ディベート力は遺憾無く発揮されます。

典型的な事象が、世界を支配しようとする、グローバリストたちの集まりであるダボス会議や国際的であるようだが利権団体のWHOなどの機関に見られます。

彼らは、そのような公式の席でも、自分たちの金儲けや支配欲を満たすための議論に終始します。

そいういった議論の方法は、大変に長けているために、とてもそんな邪(よこしま)なことを考えているとは、微塵も感じさせないのです。

欧米的な「スマート」とは、こうしたウソをウソとは見せないためのディベート力を身につけていることを意味します。

ディベートとは、特定のテーマにつき肯定派と否定派の立場に分かれて意見を戦わせ、最終的に勝敗を決める討論と定義されています。

勝敗なのです。

ウソであっても「勝てば正義」ということの典型的行動表現でしょう。

さて、日本人にディベート力は必要かというと、私は「ノー」だと言い切ります。

会社でも社会でも、必要なことは、事実を知り、その事実に基づいて、社会の役に立つ考えや行動を起こすための議論です。

支配者や権力者の金儲けや利権のためのディベートは、民主的では無いようです。

社会なら、社会への恩返しや貢献が重要であり、会社なら、社員や顧客に利益となることを追求するべきでしょう。

欧米の社会のような、支配する者と支配される者という社会を目指してはいけない。

欧米の会社のような、「会社は株主(資本家)のもの」といった考え方では社員は奴隷化されます。

現実の社会や会社は、競争で成り立っています。

こんな青臭いことを言わなくてもいいじゃないかと思われるかもしれません。

私自身が、数え切れないほど海外に旅した結果、「日本人の優れたところ」は理解してきたと思います。

例えば、戦後の日本が、焼け野原から、世界でも稀に見る「偉大な発展」(GDP世界第2位)を遂げたのは、紛れもなく国民の活力と技術が生かされたからに他なりません。

その根底にあるのは、日本人の精神と魂であると思えます。

日本人は、人を欺いてまで私利私欲(権力欲)にまみれることを「正しいこと」とは考えられないのではないでしょうか。

ただ、戦後の一貫した欧米化した学校教育により、平成から令和にかけて、若い世代の意識は、明らかに変わりつつあります。

欧米人が優れているというような洗脳教育は、一例として、ディーベート教育に表れているのだと考えられます。

しかしながら、日本列島に7万年前から連綿と遺伝子を繋いできた日本人としての文化や文明、あるいは誇りを捨て去ることは、真に、日本を国民にとって正しい方向へ導くことにはならないように思えます。

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