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【ラントレ】ロードランニングのルールとマナー

多くの市民ランナーは、陸上競技場や公園のランニングコースのほか公道でのランニングを楽しんでいると思います。
陸上競技や公園にはそれぞれに利用ルールがありますが、公道の場合は道路交通法に従うことになります。

私が取り組んでいるウルトラマラソンという競技は交通規制をしない場合が多く道路交通法とマナーを守って競技をすることが求められます。

正直、道路交通法とは信号を守る、横断歩道を渡るとかくらいしか認識はありませんでした。

改めて、安心安全にランニングをするためにロードランニングのルールとマナーについてあれこれ書いてみます。

なお、この記事は、Wikipedia「歩行者」の2024年2月28日 (水)更新分をメインに2024年3月19日現在の情報を元に作成しています。
古い情報が含まれる可能性もありますので留意ください。



道路交通法を守る

ランナーは道路交通法の歩行者と位置付けられています。つまり、歩行者として道路交通法を守る必要があります。

日本陸上競技連盟の安全ガイドラインに注意が書かれています。

遵守しないと罰則があります。
神奈川県警の交通ルールの図が分かりやすいので確認してみてください。

事故を起こした場合、歩行者は交通上の弱者ですが過失を問われる場合もあるようです。

ランナーは、ランニングの途中で減速したり歩いたりや停止するとトレーニング効果がないと思っている方もいるかも知れません。
ある程度のペースで途切れなく一定の時間を走ることにこだわって周りが見えず独りよがりなランニングになっていないでしょうか。

休憩を挟んで高負荷なランニングを複数回行うインターバル走というものがトレーニングで一般的です。

トレーニングは負荷を出来るだけ長く掛けて体を鍛えるもので、負荷を掛ける時間は数回に分けても良いわけです。

つまり30分間走ろうと思って信号待ちで1分停止したとしても31分間走れば良いですし、歩行者とすれ違うために歩いたとしてもさほどトレーニング効果に影響はありません。

それに本番のレースでもずっと同じペースで走っているわけではないです。エイドで給水するのに減速しますし、トイレ休憩で歩くし止まります。

むしろ、道路交通法遵守や歩行者への配慮はランニングで体の負担の少ない減速、停止、走り始めを身につけるトレーニングになります。

道路交通法を守り、安心安全なランニングを心掛けましょう。

ランナーは左側通行か右側通行か


私の参加したウルトラマラソンでは、左側走行の基本ルールが多いです。

富士五湖ウルトラマラソンの規則にも下記のように左側通行と書かれています。

大会中の走行は原則、左側通行となります。道路交通法を遵守し走行してください。なお、コース誘導員の指示がある場合はその指示に従って走行してください。

道路交通法を遵守とも記載されていて、道路交通法では右側通行なはずなのに不思議に感じますが、勝手な解釈で自動車との出会い頭の接触を避けたりランナーは歩行者より速いため自動車と対向では相対速度が増して危険なので、そういう法律か警察の指導があるんだろうと普段のランニングも左側通行を守るべきだと思っていました。

200kmを超える大会ですと様々なルートを通るので、ルート毎に細かにどちら側の路側帯を通行するかなど指示がある場合もあります。

しかし、日本陸上競技連盟の安全ガイドラインに練習におけるランニングは道路交通法に遵守すると書かれています。
「道路の右側端に寄って通行」にアンダーラインが引かれています。

ランナーは右側通行が正しいとなります。

では、なぜ大会で左側走行を明記しているのか、ランネットのランナー左側通行に関する質問へのてるいすさんの回答内の以下の内容がしっくりきました。

これは、大会ではクルマやバイクで並走しなければならないので、それに合わせて左側通行になってと思われます。

憶測でしかないですが大会運営を総合的にみて交通安全の確保で左側通行が最善とされ部分はあります。
大会は道路の使用許可が必要で、警察から条件付きで許可される場合もあります。
つまり、大会は警察から道路使用許可を取るときに警察の指導のもと大会ルールに左側通行を明記したということです。


ちなみに、道路交通法遵守のみをルールに記載している大会や右側通行をルールに明記した大会もあります。

普段のランニングでは歩行者として道路交通法に遵守し、大会では競技者として大会のルールに遵守するということですね。

しかし、右側通行といっても道路交通法にはもう少し細かく記載されています。

まず「対面交通の原則」に下記の記載があります。

歩道または路側帯(以下「歩道等」)と車道の区別の無い道路においては、道路の右側端に寄って通行しなければならない。路側帯の幅員が歩行者の通行に十分でない場合(幅が著しく狭いために路側帯をはみ出さなければ通行不可能な場合など)も同様である。

出典: Wikipedia「歩行者」

つまり「歩道や路側帯と車道の区別がない道路」と「路側帯があったとしても路側帯が狭い道路」の2つの場合のみ歩行者は右側の端を通行(右側通行)するルールです。

また、但し書きがあり、「右側端が危険な場合は左側を歩いて良い」ことになります。

道路の右側端が柵のないで危険であるなどやむを得ない場合には、道路の左側端に寄って通行できる。

出典: Wikipedia「歩行者」

そして「歩道等通行の原則」に下記の記載があります。

道路の片側のいずれかまたは両側に、歩道または路側帯(歩行者の通行に十分な幅員を有するもの)のいずれかが存在する場合には、そのいずれかの歩道等を通行しなければならない。

出典: Wikipedia「歩行者」


つまり、道路全体に対して右側、左側関係なく歩行者は歩道または十分な広さの路側帯を歩くことが原則にあるということです。
道路を横断する場合と歩道や路側帯が工事などで車道に避けないと進めない場合以外は歩道や路側帯から出て車道を歩いてはいけません。
車道と歩道の区別がない、もしくは路側帯の幅が狭く体が車道にはみ出して通行しないとならない道路は右端に寄って歩くということです。

次にランナーは歩道や路側帯の左側を走るべきか右側を走るべきかどちらでしょうか。

それについては特に道路交通法では明記されていません。

自転車が歩道を走る場合がありそのときは歩道の車道寄りを徐行とあります。
歩行者の安全を優先したルールではないかなと想像すると、ランナーも車道寄りを走った方が良い気がします。
ランナーが車道と反対側を走っていた場合、向かいから来るランナーや後ろから来るランナーに気がついた歩行者は避けようと車道に出てしまうかも知れません。
これはあくまで持論です。

皇居ではランナーは左回りに歩道の左側を走るようにマナーを訴えいます。
これはランナーは左回りに周回しているだけなので皇居周回の歩道へ出入りする歩行者の動線を考えて円滑かつ安全を考えてランナーは歩道の左側と定めているのでしょう。

ルールに定められてないですし、道路状況によって安全な形は変わりそうです。

歩道や路側帯を走るとき、ランナーは歩行者を追い越すことになります。
なるべく歩道や路側帯は広い方を選ぶということと、車道に出ないように減速、停止して危険のないように追い越したりすれ違う配慮が必要でしょう。
自動車や自転車でもそうですが、安全が保てないならまず減速し徐行です。ランニングの速度が上がるとそれに応じて認知機能が低下します。安全確保にはまず減速ということは認識しておいた方が良いでしょう。

とにかく、心にゆとりを持ち、臨機応変に安全第一でランニングを楽しむことが大事でしょう。

ちなみに歩道と路側帯ってどんなのか分かりますか?
道路交通法の文言を見ても分かりづらいので写真を撮ってきました。(あとで写真は差し替えるかも?)

【歩道と車道の区別のつかない道路】
この道は右側通行になります。

【歩道と車道の区別のつかない道路で右側が危険な場合】

細い道ですが大型車両が通ったり避けると川に落ちる危険があるので左側通行です。

【片側に路側帯がある道路】
路側帯を走ります。
ちなみに白いラインに沿って緑のラインは、主に通学路などにあり歩道のない道路で自動車に路側帯を意識してもらいやすいように引かれたものだそうです。
ランナーも子どもやお年寄りの安全はより一層意識したいものです。

【歩道と路側帯のある道路】
路側帯も十分な幅があるのでどちらを走っても良さそうですが、なるべく広く車道と分離された歩道を走った方が良いでしょう。

【両側に十分な幅ではない路側帯のある道路】
右側通行が良いでしょう。
ここで十分な幅の路側帯とは1m以上ということです。正しい出典は見つかりませんでしたが、交通規制基準の第4章第5路側帯、駐停車禁止路側帯及び歩行者用路側帯にて歩行者用路側帯は交通量の多い道路にて歩行者の安全を考慮したものとされ、幅は1m以上となっています。
道路のどちら側かに1m以上の路側帯がある場合はその路側帯を通りましょう。

【歩道と路側帯】

画像の左の明らかに車道と区別された歩行者用の道路が歩道です。
画像の右(消え掛かってますが)の外側に歩道のない白線の外側が路側帯になります。

【歩道の範囲】

車道の外側に白い線がある場合、その外側に歩道がなければ路側帯ですが、歩道がある場合は路肩になり、路側帯ではなく歩道の一部になることはありません。

下の画像の真ん中のブロックから右側歩道です。歩道と車道の境に引かれた白線は路側帯ではなく路肩になります。
白線とブロックの間に十分な幅がありますし、走っても良さそうに見えますが車道になるので、走るとアウトです。

歩行者を追い越すときやすれ違うときに路肩に降りて走るのもダメなのです。減速や歩くなどで十分な安全を確保できる状況で追い越したりすれ違ったりしましょう。
譲り合いも大事です。


交差点の通行

ウルトラマラソンのルールでは交差点の走行について安全に渡ることを明記していることが多いです。歩行者の交差点での事故について注意が警視庁にもありました。

車が交差点で停まってくれたらお辞儀する是非が話題になったことがありましたが、本当に停止してくれたのかどうかの確認にもなりますし横断する意思表示も兼ねてお辞儀するのも良いと思います。
お辞儀ではなく手を挙げて礼を伝える方もいますが、その方が運転手に伝わりやすいかも知れません。

道路の横断

道路を横断する場合、横断歩道が近くにあるなら横断歩道を横断しないといけないということですが、逆に横断歩道が近くにないなら横断して良い(車両の前後や横断禁止はダメ)んだなと少しホッとしました。
歩道が途中から左右逆になる場合も田舎にはあるので安全のために歩道へ横断しりしますが、海外では横断歩道を渡らないと罰金の所もあったし、あまり子どもの教育にも良くない気もしてモヤモヤしていました。

ただし、斜め横断はスクランブル交差点などの道路標識がないところではアウトです。
走りながら横断しようとするとついつい少しでも前進しようと斜めに進んでしまいますがダメなんですね。
歩車分離の交差点でも自動車が来ないから良いと思いがちですが斜横断可の道路標識がなければダメなんです。

信号を守る

道路交通法を遵守するので信号を守るのは当然なのですが、自動車の往来が全くないときに信号を守るのかどうかなど話題になることもあります。
海外では交通状況に応じて臨機応変なルールのところもあるようですが、日本では日本のルールを守りましょう。

また、ウルトラマラソンは道路交通法を守る競技ですが、速く走りたいと信号の変わる直前にダッシュしたり信号無視するランナーも居ます。
信号無視はルール違反なので失格処分になります。

急なダッシュは他の歩行者の危険にもなりますし、自身にも急激に運動強度が上がり疲労するので結局、信号待ちした場合よりもタイムに影響します。

信号機の黄色や歩道用の信号機の青の点滅は歩行者は横断し始めてはいけないということは押さえておきましょう。

大通りを横断する場合や歩車分離の交差点などでは少し信号待ちする時間が長くなりますが、大概の信号のサイクルは1分から3分です。
連続して信号機がある通りではオフセットといって少し信号の変わる時間がずれて動きます。


自分の走っている位置と速度から信号待ちのタイミングを考えて渡れるのか渡れないのかを判断し、渡れないなら減速か歩くことによって信号待ちで止まる時間を減らすようにします。
信号を早く渡ろうとダッシュするのも負担ですが、足を止めている時間も筋肉が冷えて動かなくなりランニングに影響します。
また、信号で急に止まると信号待ちの人が居れば驚かしたりしてしまいますし、何より大腿四頭筋の負担になります。

また押しボタン式の信号もあります。予め信号の変わり方など注意していれば気がつきます。気が付かずに信号をずっと待っているランナーもたまに居ます。私です:-p

安全に道路交通法を守ることが結局はウルトラマラソンのパフォーマンスにつながるんですね。

ランニングのメッカならではのルール

皇居などランニングコースとして有名ですが利用者のマナーが悪いと問題になっていました。
千代田区では利用のルールやマナーについてまとめています。


また、千代田区のルールやマナーに記載がありませんがランナーの荷物問題もあります。誰か荷物を管理する人が居れば良いですが、柵などに荷物を巻きつけたりして景観を損ねると揉めていたと思います。
また、これは公園でのケースですが、芝生や植木の下に荷物を放置してランニングをして荷物を盗まれたり捨てられた方もいるようです。

皇居の場合はランニングステーションやコインロッカーが近くにあるのでそこを利用しましょう。
それ以外はコインロッカーを探すか持って走るなど工夫しましょう。

集団走行(グループラン)の注意

ウルトラマラソンなどのルールでは、競技者は一列で横並び禁止で、応援者やサポートクルーの長時間の並走も禁止しています。
理由は危険だからと警察からの指導されている事項になりますが、一般的に仲間内で走るいわゆるグループランでも気をつけたい点です。

仲間と楽しく会話しながら走っていると注意力も削がれますから注意しましょう。

また2024年の2月に大阪の商店街を80人のランナーが騒いで走って全国ニュースになりました。
やっていることが暴走族と変わりません。

軽犯罪や自治体の迷惑防止条例に抵触する可能性もありそうです。

イベント参加者はマラソンやファンランのように周辺地域の協力のもと行われているイベントと勘違いしていたかも知れませんが、主催者は集団になればテンション上がって収集つかなくなる可能性も考えてルールの周知や運営をしないといけませんね。

また、同ニュースでは商店街が私道で許可を取ってなかったというのも問題にされていました。
神社や施設の敷地など走っては行けない場所、人がごった返して危険な場所などの考慮も必要ですね。
実は私も観光ランで神社を走って警備員に怒られました^^;

なお、道路使用許可も取る必要が場合によってはあると思います。
どれくらいの規模かさっと調べられなかったのですが、皇居では「地域ルール」が策定されており、対象は20人以上のイベントになります。対象の理由に道路使用許可が必要なのは20人以上のイベントと記載があります。

ある程度の規模のイベントを考えている方は、各自治体に相談してみた方が良いですね。

私もグループランを企画したりしますので改めて留意しないといけないと考えさせられるニュースでした。

ということで、皆さん、安心安全にマナーを意識してランニングを楽しみましょう。

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