ドMの極意
いかがわしいものを想像された皆さん、
ちょっと自分の胸に手を当て純粋無垢だったあの頃を思い出し、心を痛めてください。
今回お話しするのは
「ドMの極意」
についてです。
そろそろ僕もアスリートと名乗って良いのではないかと思われるのですが、僕らアスリートというのは世間一般から見たらドM判定できると思うのです。
練習時に「もう無理っ」と思ったとき、僕らは心のブレーキをぶっ壊して限界突破します。
その後に待ち受けるのはこの世のものとは思えないほどの身体の痛み。
そして、今にも倒れそうなほどの酸欠の感覚。
僕らはこの絶望を快感に変える特殊な神経回路を持っています。
フィンスイマーというのは、まあ当然足ひれをつけて泳ぐことを主としているのですが、
足ひれをつければ普段以上の推進力を得ることができます。
それはもう人魚のように。
ただ、それなりの恩恵を受けるには対価が必要です。
はい。等価交換というやつです。
僕らフィンスイマーは推進力と引き換えに、
体力を差し出して泳いでいます。
競泳経験者であれば分かると思うのですが、
100mを1分サイクルで6本泳ぐというのはまあ無理難題な話ですよね。(一部の変態を除く。)
ですがそれがフィンスイミングならできてしまうのです。(それなりの泳力は必要。)
ただ、できてしまうというだけで
やすやすとできるわけではない、
というのがこの話のキモであります。
フィンをつけて早く泳げるようになっても、
練習後にはかなりの疲労が蓄積されています。
僕はこれを、「別腹の使用」
と呼んでいます。
ただ、この疲労というのは
得も言われぬ快感を僕らに与えてくれます。
僕は今日およそ5ヶ月ぶりに50mある長水路プールで泳いできました。
まだ手術をした右足は痛むのであまりハードな練習はできませんでしたが、痛まない程度に泳いでいました。
練習の最後、クールダウンの時間、
どうも物足りなく感じ「アプニア」という
50mを呼吸なしで泳ぐ種目を4本泳ぎました。
一本当たり70秒ほどのサイクルで泳ぎました。
人間というのは当然ながら呼吸をせねば生きてはいけません。
このアプニアという種目を泳ぐ時点で、十分に【ドMの才覚】が垣間見えていると言っても過言ではないでしょう。
それも続けて4本となるとかなりきついです。
35m程度であればやすやすと潜水できるのですが、それ以降、残りの10mともなると明らかに酸欠の症状が現れてきます。
言葉を選ばず表現するならば、脱糞しそうになります。
ただ、その感覚が気持ち良く癖になってしまうので、4本泳いでしまいました。
練習直後、そこまで疲労感はなく、いつものように帰路につきました。
ただ、帰ってすぐ、
安心したのもあるのでしょう。
急に眠気が襲ってきました。
とりあえずアラームをセットし、19時まで寝ることに。
19時になり、アラームを止め、
意識を取り戻すと
皮膚全体から湿った感覚を覚えます。
シャツもズボンも、そしてもちろんパンツも
汗でぐっしょり濡れていました。
言葉を選ばず表現するならば、おねしょをしたような感覚です。
僕はかなり基礎代謝が高く、
疲労が溜まっている時に寝ると、多量の発汗をします。
まさにそれが起こりました。
本来ならば発汗し、疲労が回復しているのですが
今日は一味違いました。
起きて2時間たっても重力が重いのです。
これはきつい。
ここまで疲労感が溜まったのは久々です。
ですがこれが気持ち良いのです。
僕は、努力を努力とも思わず努力する人が
天才と呼ばれているのだと思っていますが、
苦しみを快感に変える変態性を兼ね備えた人こそがドMの極意を身につけていると言えるのではないかと考えています。
みなさんも筋トレやランニング、など様々なスポーツをする際に【ドMの極意】を意識してみてはどうでしょうか。
ちなみに、無酸素下での運動を続けると
人は死ぬので、アプニアの練習は
ほどほどにしましょう
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