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【イベントレポート】自然塗装DIY体験会with DJ

人蔘湯は3月28日、銭湯好きの方々に手伝っていただきながら、内装の仕上げを行いました。地元のDJによる音楽がフリーダムな銭湯の空気をより際立たせてくれたおかげで、すぐに参加者の皆さんと打ち解けることができました。えごま油を塗った番台が飴色に育つ頃には、どんな人蔘湯になっているのでしょうか、とても楽しみです。

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豊橋、浜松両市から集まった5人の参加者を、まずはバックヤードツアーへ招待。新たなボイラーの到着を待つ室内には、数多くの配管が迷路のように走り、煙突も穴から中をのぞくことができます。「煙突の掃除はどうやって行いますか?」「水が通る配管は何本くらいありますか?」などと5人から質問が飛び交います。「どのバルブを開けたらどこから水が出るのか分からない時は、浴室のスタッフと電話しながら一本一本開けて解明しています」と地道な作業も紹介します。

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また、大武千明店長は「人蔘湯では近くにマンションが建っているため、すすが出にくい重油を燃料に湯を沸かします」「銭湯は井戸水でやっているところが多く、土地によって水質が全然違います」などと解説しました。

続いて、メインイベントの番台と入り口戸の仕上げ作業に移ります。塗装に使うのはえごま油。大武店長は「食用油を建築に使う手法は昔からあります。自然の油を使うことで、塗り直しが必要になりますが、木の手触りが残り、飴色になっていく経年変化が楽しめます」と説明。参加者は、乾拭きしたあと、布に染み込ませたえごま油を木目の美しい番台に薄く伸ばすように塗っていきます。均等に油がつくように丁寧に布を滑らせ、最後は拭き取って完成。「入り口戸なので責任重大。結構、手にきますね。腰も痛い」と夢中で作業していただきました。

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男湯と女湯の間にあった番台は、リニューアルで入って右手に場所を移動しフロント形式になります。女将さんも、お客さまを出迎える番台に自らえごま油を塗ってくれました。「嫁に来た頃には入り口がなくて番台をまたいで中に入っていた」なんて昔の思い出も披露してくれました。

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この日、イベントを盛り上げてくれたのは、豊川市駅前通4のレコード店「LiE RECORDS(ライレコーズ)」店主・平松章也さん。200枚ものレコードとDJ機材一式を新しくできたロビーに広げ、次々と選曲した音楽を流していきます。実は、以前から人蔘湯に足繁く通ってくれていたそうで、「人蔘湯に入ることがこの街一番の遊び。古いのに清潔だし、女将さんもめっちゃいい人。今日も銭湯で気持ちのいい音楽が聞けて最高です」

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作業中の参加者も、銭湯の温かみに合う音楽の中で銭湯談議に花を咲かせたり、人蔘湯の思い出を語り合ったりしながら、手を動かしていました。

休憩を挟み午後は、ロッカーと靴箱の鍵を使ったキーホルダーづくりです。再び使えないように曲げたシルバーの鍵に金具を取り付け、大武店長作「にんじんゆ」と彫られた消しゴムハンコをペタリと押せば完成。これも立派な人蔘湯の財源となります。サウナにかけた数字「3」と「7」は参加者のお土産に。最後は名曲「いい湯だな」と共に、参加者を見送りました。

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先週に引き続き行ったDIY体験会でしたが、音楽がゆるい連帯感を生み、皆さんと和気あいあいとしたひと時を過ごすことができました。

2日間の体験会にご協力いただいた皆さま、本当にありがとうございました。恩返しできるよう、精進してまいります。

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※先週のイベントレポはこちらからご覧いただけます。

ライター:飯塚雪
1985年、愛知県豊橋市生まれ。大学卒業後に東京へ上京、地元新聞社への就職をきっかけにUターンする。7年間の記者活動を経てフリーに。2020年に立ち上げたローカルwebメディア「aoもの」にて豊橋・田原地域のニュースを発信中。

協力:豊橋まちなか会議
(『まちじゅうステージ』プロジェクトSeason.3 採択事業)
https://toyomachi.jp


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