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日記 2024.1.28(日) 孤独でにぎやかな部屋の中/ぬか漬けの思い出/冷えたカラダを温める

今日も早くから目が覚める。昨日はいろいろと動きまわったからぱたりと眠ってしまった。傍にはかたまりになったクマたちと仕込み中の麹たち。静かでにぎやかなメンバーがぎゅっと密になっていっしょに眠った。冬に狭い部屋はいいな。ひとつの部屋にぎゅうぎゅうに集まって暖をとっている。

近ごろは昔のことを思い出すよりも新しいことややってみたいことに目が向いている。頭の中が結構にぎやかでふつふつと静かに盛り上がっている。何のために今もこうして貯金を崩して無職を続けているのか、そういったことを考える時期に来ているのだろうか。

寺尾紗穂さんの歌声を流す。まあるい冬毛のくちばしの小さな鳥のような歌声を久しぶりに聴くとほっとする。ようやく思考を停止できた。しばし聴きいる。くもりの気配も気分良く感じてくる。

ふと、ひとりを楽しむ最大のポイントは自然やモノや音をもっと認識し意識して、静かに会話することなのではないかと思う。答えはきっと自分の中にあるのだけれど、それに気づくために静かに相談したりする。ひとりだけれどひとりじゃないと思えたら安心する。もっとひとりが楽しくなる。自信をもってひとりでいられると、だれかの孤独にもきっともっと寄り添えるんじゃないだろうか。孤独はこわくない。世界がみんな孤独を受け入れたらもっともっとみんなにやさしくなれるのかもしれない。そんなことを思いながら顔を洗う。

今日はしっかりと休もう。そういえば、先週はきちんとひとりで休んでいなかった。孤独でいることを避ければ避けるほど、どんどん人が恋しくなるのかもしれない。
自然を感じて自分の中の声に耳を傾けてみたら孤独な世界に戻ってこられるような気がする。

使い古したタオルを4つに切って、かつてクイックルワイパーをつけていたフローリングモップの本体に挟み込む。毎日さっと床を拭いた方が気持ちがいいからやってみたい。

床がきれいになったら毎日のお楽しみ、麹たちとの会話タイムだ。小さな瓶で作っているとヘラよりもスプーンの方が混ぜやすい。ステンレスのスプーンがガラス瓶に当たる音がちょっと気になっていたので、お気に入りの大久保ハウス木工舎のスプーンに持ち替えてみた。縦長でやや浅め、口の奥まで無理なく食べ物を運ぶことができる設計になったスプーンは麹たちをかき混ぜるにもものすごくちょうど良い。カラコロとガラスと木があたる音もマイルド。気持ちがいい。
発酵が進んで柔らかく細かくなってきた麹をみちゃみちゃと混ぜているとやっぱりぬか漬けがしたくなってきた。

小さな頃からぬか床を混ぜるのが大好きだった。食べるのも好きだったけれど、混ぜるのはもっと好き。フタを開けた瞬間はすごい香りだけれど、くさいなんてあんまり思っていなかった。漬け物の香りが昔から大好きだった。
その思い出があるからこれまでも何度かぬか漬けには挑戦してきたけれど、すべて失敗に終わっている。あの頃は台所にいることが極端に少なかった。平日家にいる時はほとんど寝ている、少ない休みの日は外へ出かけたかった。ぬか漬けのことを考えてあげる時間が全然持てなかった。毎日混ぜるなんて面倒くさくていつしか冷凍庫で休眠させてそのうちゴミ箱へ。もっていた野田琺瑯のぬか漬け容器もフリマサイトで譲ってしまった。そんな苦い経験があるから、無職になってからもぬか漬けに手を出そうとは今まで全然思えなかったのだ。

今ならぬか漬けについてしっかりと考える時間があるし、続けられるかもしれない。まずはわたしに合うぬか漬けとはどんなものかこれまでの失敗から考えてみる。入れ物は小さい方がいい。ひとり分のぬか漬けは分量も少なくていいし、大きすぎて冷蔵庫を占領する容器はわたしの小さな冷蔵庫には向かない。わたしが持っている中で1番大きいアーティチョークが入っていた瓶を使いたい。

14時ごろからひと駅歩いて散歩して吉祥寺へ行くことにした。ぬか床も見てみよう。
ひと駅歩く途中にある最近お気に入りの自然食品の店で『家庭でできる自然療法』と『家庭の味手作り食品』という本を買ってみた。いずれも東城百合子さんという方の本でネットにはなかなか載っていないアイデアが満載で以前から欲しかったのだった。

吉祥寺ではナルゲンの500mlのタンブラーと500gの唐辛子入りのぬか床を買った。相変わらず人の多い日曜日の吉祥寺。だんだん寒くなってカラダが冷えてきた。
日も暮れてきた頃、コンビニでカフェラテを買って井の頭公園のベンチで昨日のチョコファッジの残りをぱくり。ちょっぴり解けていたけれど美味しかった。コーヒーが好きだけれどやや中毒気味なのが気になっている。たんぽぽコーヒー、チコリコーヒーとカフェインの入っていないコーヒーを試してみようかと思っている。

帰りの電車が10分以上来ず、駅のホームですっかりカラダが冷えてしまった。早く家に帰ってあたたまりたい。ぬか漬け用に無くなりそうになっていた塩、黒コショウとクミンシードも買って帰宅。
夕飯は軽めがいいなと感じるようになったので大豆とにんじん、大根のカレー風味とお昼ご飯の残りのそばを食べた。そばが思ったよりたくさん残っていてお腹いっぱいになってしまった。

食後に買ってきた本を読む。今読みたい、知りたいことが書いてあるので夢中になってしまった。その中から今夜は足湯を試す。くもりの中歩き回って冷えて肩こりがしてなんだかシミも目立っている。温めてほしい、わたしがそう言っているきがした。
あたたかいお湯にぬかを入れたバケツに足を突っ込んで髪の毛を洗う。水シャワーをかけて冷ましてまたあたたかい湯に足をつける。4回くらい繰り返してみた。銭湯でやっている温冷浴の足だけバージョンだが、これが思った以上に温まる。全身浸かるよりも部分浴のほうがかえって温まることがあるのだそうだ。腰湯というのもあってそれはちょっと大変そうだったのでカラダを洗う用のタオルをお湯で温めて腰に当ててみたりした。
お風呂上がりもじんわり温かさが続いている。冷えて凝っていた首元や肩もぽかぽかしている。温めてほしかったんだね。

今、ぬか漬けをつくりたいと思うのもなにか理由があるのかもしれない。


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