見出し画像

日記 2024.5.12(日) 家族との距離。

さすがに体が重い。畑仕事の疲れが出てきたようだ。朝から雨だし畑仕事暴走注意報のわたしにちょうど良いブレーキとなった。
ゆっくり起き上がり朝ごはんにする。実家でも日曜日ののんびりとした雰囲気が広がっていてほっとする。

さて今日は弟夫婦の家に初めてお邪魔することになっている。赤ちゃんにも初めて会える。わたしはこの日をすごく楽しみにしていたのだ。額装を頼んだ絵は間に合わなかったので後日送るとしよう。楽しみすぎてわたしは早々に支度を済ませいつでも出かけられる。

下ごしらえをしておいてあるたけのこをそろそろ使わなくては。春の食材はやっぱり一度は天ぷらで食べたいと思うのはわたしだけだろうか。お昼ご飯はたけのこの天ぷらと野菜のかき揚げにすることにした。天ぷらってなんだかやっぱり特別感があるなと思う。今日は天ぷらの日ですという看板を出したくなるくらい心踊る。揚げ物の時のコンロの使い方や衣の作り方を聞いているうちにいつの間にかお母さんも天ぷら作りに参加してきた。やっぱり料理はみんなでにぎやかにするのが楽しい。からからと大きな音を立てて盛り上がる油の周りに集まるお母さんとわたし。180度でじっくり中まで火を通す。たけのこ、たまねぎとにんじん、ジャンボきぬさやのかき揚げをどんどん揚げていく。程よくきつね色、良い具合にからっと揚げることができた。

14時ごろ弟夫婦の家にお邪魔するのでお昼ご飯はいつもより少し早めの11時半ごろに食べる。天ぷらを盛るために竹の器を出してきて気分を最大限に盛り上げるお母さんがかわいい。洗い物など済ませいつも支度の遅いお母さんに準備を促す。お父さんとわたしはテレビを観ながらおしゃべりしながら出発時間になるのを待った。

出発15分前を目安に準備を促したのでお母さんはちゃんと出発時間より前に準備を整えることができた。お父さんと珍しいねと言いながら車に乗り込む。が、出発時間より前に準備を済ませて車で待たされたことをものすごい勢いで主張してくるお母さん。ここぞとばかりにお父さんとわたしに遅いじゃないかと指摘してくる。感情的になるお母さんにちょっと待てよとわたし。
まずは今日の件については待たせたことはごめんと誤った。わたしが15分前を目安に準備しようと言ったことでお母さんはその時間が出発時間だと思いこんでしまったようだった。うまく伝えられていなかったのはわたしの責任だ。しかし、お父さんとわたしはいつも待たされている事実があるのだ。お母さんは出発時間に必ず間に合わない人という実績をもう何年もの間積み重ねてきてきた。今日も遅れるのだろうと思われて仕方がない状況を作り上げてしまったのだ。それで出発の15分前には準備が完了できるようにがんばろうとお願いしておいたのだった。
それを踏まえた上で、今日時間に遅れたと指摘するというのはちょっと変な話ではないかと伝えていく。お母さんにつられて感情的になりそうになるわたしを珍しくお父さんがなだめる。
お母さんはたぶん別に言いたいことがあるのだと思う。お母さんは素直になることができない。何も言わなくても察してもらいたいという気持ちが強くある。気づいてもらえなくて溜め込んで溜め込んで、結果変なところで爆発させてしまうのだ。はたして自分の気持ちを人に察してもらえるなんてことができるのだろうか。わたしは自分の経験から、人には素直な気持ちをことばにすることでしか伝わらないと感じている。察してもらおうとすればするほど今回のように論点のズレたところで指摘し合うことになりズレが生じるのではないか。けれど素直さは必ず伝わるという実感がわたしの中にはある。家族のこと、仕事の問題、友だちとの接し方、自分自身のこと、すべて素直さを持って対応するとうまくいく。話をややこしくしないで最もシンプルにぶつかっていく。そうでないとどんどん論点はずれていきほんとうの意味での解決なんてしなくなってしまうような気がする。話をしていくうちにお母さんも少しずつ冷静さを取り戻し理解してくれたようだった。

弟の家へ着く。産まれてほぼ2ヶ月。少しずつ声が出るようになってきたらしい赤ちゃんの声が聞こえる。かわいい声の先にちいさな赤ちゃんが仰向けでぱたぱたと手足を動かしている。初めましてて。車での出来事は一瞬にして吹き飛びみんな笑顔になる。不満のありそうな顔をしてみたり、きょとんとしていたり、時々笑ったような顔をしたりと忙しい。赤ちゃんを囲んでみんなでおしゃべり。話は尽きない。赤ちゃんにみんなの話はどんなふうに聞こえているのだろう。赤ちゃんのいる空間が心地良すぎてすっかり長居してしまった。みんなで記念撮影をして解散。いつも泣いていると言っていた赤ちゃんだったけれど、今日は機嫌よく対応してくれた。お母さんとお父さんの気持ちを察したのかもしれない。赤ちゃんはすごいな。

帰り道の車の中はもうすっかり和やかな雰囲気だった。お母さんもいつも通りに戻る。夕方家に帰ってきてからも赤ちゃんのやわらかい雰囲気が続いている。わたしたちもかつてあの安心感に包まれた中にいたのだったということを思い出す。

わたしは家族と近づき過ぎているのかもしれない。おんなじ家の中にいて共有部分が多いと家族との距離を間違えそうになる。もはやわたしはこの家の住人ではないということ、もっと自覚しなければいけない。他人といることをもっと意識してみる。自分に配慮し、人にはもっと配慮が必要だということもう一度思い直す必要があると感じる。

この記事が参加している募集

#今日の振り返り

24,124件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?