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日記 2024.6.1(土) わたしの根源はこの地にある。

眠たくて体がやや重い。そろそろ生理か。
一日家中を動き回ることができるのは今日で一旦おしまい。考える前にどんどんやっていこう。
今日は朝からいい天気。洗濯物を干しに外に出ると気持ちがいい。やっぱり毎日外に洗濯物を干せるって嬉しいな。

朝ごはんの支度は4時過ぎに起きたお母さんが整えてくれた。昨日はお母さんは21時過ぎにお風呂に入ってすぐに眠ってしまったので早起きだったのだ。毎日精一杯やり切るお母さんはいつもおやすみと言ったら2秒くらいで寝息が聞こえてくる。

昨日の夜は夕飯の後にお父さんの親友がいらっしゃって、夜遅くまでお父さんの部屋からにぎやかな声が聞こえていた。数日に一度は会いにきてくださったりする大の親友。お父さんは親友とはいつ会っていても話は尽きないと言っていた。近くにそういう友だちが一人いるとやっぱり心強いなと思う。

朝ごはんの後、お母さんと朝の畑をパトロール。これまで植えたものの場所を説明しておいた。お母さんの希望で、わたしが勝手に植えたローズマリーとラベンダーの位置を変更し、なかなか植えられずポットに入ったままの植物たちを植えておくことにした。丁寧に丁寧にやりたいお母さんと、どんどん進めたいわたし。お母さんが振り返っている間にもう植えてしまってお母さんは驚いていた。でもずっと気になっていたらしく、植え替えをしたらすごく喜んで今日はよく眠れますと言っていた。毎日よく眠っているけどね。

お母さんの思いつきで先日友だちと行ってみようとして定休日だった場所に行ってみないかということになった。わたしはうちでお昼ご飯を食べたかったのだけれど、お母さんのきらきらの眼差しに負けて行ってみることにした。今度誰かを案内するためにも一度道を確認しておきたいようだったのだ。
カーナビやグーグルマップなんてものを使いこなせるはずもないお母さんに代わって、わたしが助手席から道案内をする。私だって行ったことのない場所だけれど、意外と行き方は単純だったので迷わず到着することができた。ローカル線の駅の中にあるうどん屋さん。3色のお餅の入った力強い一杯を頼む。うどんかそばか選べたのでお母さんはうどんを、わたしはそばを選んだ。駅のホームがすぐ目の前に広がる席。いつか行ったみたいとこの店の掲載された新聞記事をお母さんは大事にとっていた。
店内には猫がいて信じられないくらい人懐っこい。わたしが呼びかけるとすぐに寄ってきてくれ体を足に絡みついてくれる。ピタッと足に張り付いて離れない。久しぶりの猫とのふれあいにしあわせなきもちになる。いつまでもいつまでも撫でていたかった。
古くて渋い建物の中、3色のお餅がどーんと入ったお蕎麦を食べる。全部食べられるか少し不安だったけれど、朝ごはんが軽めだったからか朝からずっと二人してお腹が空いていたわたしたちはぺろりとたいらげてしまった。朝からずっと鳴っていたお母さんのお腹の音も鳴り止んだ。実家から30分の場所、いつでも来られそうだし、お母さんはすごく満足そうにして喜んでいたので行ってみてよかったと思った。

13時半のお母さんの用事に合わせて帰宅する。満足してわたしは眠たくなってきてしまった。お父さんもリハビリでいないししばらく昼寝しようと携帯をみると、お父さんからメッセージが入っていた。15時までは晴れるそうなので布団を干して欲しいとのメッセージだった。そうそう今日は布団を干そうかと思っていたのだったと布団を干していく。晴天で27度。こんなにいい天気を逃す手はないのだった。お父さんの布団、お母さんの布団も全部干した。シーツもはがして洗っておく。洗っている間に少し眠ったらすっきりとした。

ピーっと洗濯の終わる音がして外にシーツを干していく。洗濯機に入りきらなかった毛布とシーツを洗うためにもう一度洗濯機を回しておく。年齢を重ねて二人ともなかなか布団を干すのがおっくうになってきている。掃除も片付けも大体済んだので最後に感謝の気持ちを込めて布団を干そう。
強い日差しが布団に当たる。おてんとうさま、今日も畑に、布団に、洗濯物に、わたしにも栄養を注いでくださりありがとうございます。

用事を終えて帰ってきたらお母さん、わたしとおんなじで眠たそうにしている。茹でたたけのこを処理したらお昼寝しようと言いつつ細々と動いていくお母さん。お母さんが化粧水にするのに使うため、わたしは可愛く咲いたドクダミの花を摘む。うちにはドクダミがあんまりたくさんなくてあっという間に摘み終わってしまった。独特のつーんとした香りのあるドクダミ。花びらには香りはないのだそうだ。実家に帰ってきてからお母さんが去年作ったドクダミ化粧水を使っているけれど、けっこう調子がいい気がしている。焼酎に花びらをつけてグリセリンを加えただけの化粧水は香りもよくすごく好みだ。ドクダミは葉っぱも摘んでお茶にしてみたかったけれど、またの機会かな。

夕飯はお母さんと台所に立つ。いつもはわたしがちゃちゃっとご飯を作ってお母さんは他のことをしているけれど、まだしばらく離れ離れだからだと思う、一緒にご飯を作っていく。お母さんは料理もひとつひとつ丁寧にしたいタイプ。レタスを洗って切ってお皿に並べてというと、傷や虫がいないかきっちり確認してすごく細かく刻み、お皿にどう並べるかひとつひとつゆっくり悩みながらやってくれる。ヒバのまな板を半分借りてわたしはお味噌汁の具材と明日の野菜ジュースの材料を切っていく。

今晩は玄米にたけのこたっぷりのお味噌汁、そら豆の丸ごと焼き、レタスにトマト、ブロッコリー、スナップエンドウのサラダとシンプルな夕飯。やっぱりこういう夕飯が一番落ち着く。たぬきに一部食べられた可能性のあるたけのこがたっぷり入ったお味噌汁、お麩や小松菜、にんじん、具沢山で美味しい。よーく茹でたからか根元の部分もしゃきしゃきでたけのこの食感を存分に楽しむことができる。こんなに贅沢にたけのこを食べられた春があっただろうか。お父さんは近ごろご飯を写真に撮っている。インスタに載せているのかな?

毎日がめいいっぱいの実家の暮らし。明日からはまたひとりの時間に戻るけれど、のんびりした日々は一旦終わりかなと思っている。畑仕事をして、田舎の自然を感じながら過ごし、お父さんとお母さんとやさしさを分け合い助け合おうとする中で、わたしの中の眠っていたものがそろそろ起き上がろうとしているのを感じている。
わたしの根源はこの地にあり。土に触れ、母と父に触れ、ようやくエンジンがかかったような気がしている。

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