日記　2024.4.23(火) ふるさとの春が届く。

ものすごく眠たい朝。なかなかまぶたをあげられない。昨日よりも少しだけ気温が高いようだ。布団の中のあたたかさが最高に気持ちがいい。わたしが寝転んでいる間に隣の部屋の人はおそらく仕事に出かけて行ったし、ほかの部屋からも朝の支度をする音がする。納得するまで布団にいることができたらすうーっと調子よく起き上がることができる。

しっとりしている曇り空。明日は雨が降りそうだし洗濯をしておくことにする。タオルは微妙に乾かないかもしれないがまあいいか。洗濯機を回して番茶、番茶。玄米コーヒーと野菜ジュースも同時に作っていく。近ごろは野菜ジュースの朝ごはんがちょうどいいと感じている。

クッションカバーを縫いながら坂口さんのドラマを観る。ライブの様子を映した回なので歌とトークを聞きながらゆらゆら揺れて針を進める。心地よい声を隣に感じながら安心して作業に集中することができる。途中、寺尾紗穂さんの『北へ向かう』という曲を歌っておられたのがすごく印象的だった。寺尾さんの歌声とはまったく違う景色が浮かぶ。同じ歌詞でも歌い手によってこんなにも物語が変わるのか。

お昼の時間だがきりのいいところまで縫いたくて土鍋を温めながら台所に座りもう少し縫いものを進める。下から見るガスの火がきれいでなんだか安心する。ここは森の中。鳥の声が響き渡る川のそばでのんびりと焚き火をしているわたし。ぐつぐつと土鍋から勢いよく湯気が上がる。大根のいい香りが広がってくる。ここはうちの中だった。具材に火が通ったところで小松菜を入れて火を止める。土鍋は火を止めてからもしばらくはぐつぐつと煮え続ける。鍋の中の温度が下がるのを待つ。実家の味噌が今日届くから残り少なくなってきた分を思い切って使う。豆乳入りのお味噌汁にしてみる。お味噌汁と玄米パンでお昼ご飯。豆乳入りのお味噌汁は玄米パンにすごくよく合うことに気づいた。玄米パンはグリルでかりっと香ばしく焼いたので余計に香りがいい。久しぶりに炒り玄米食べたいな。また作ろう。

満足するまで眠ったのでお昼寝の必要はなさそうだ。机に向かって絵を描いていく。いつかの千倉の海で撮ってもらった写真。千倉の海とわたしが小さく映った写真を描く。空と雲は大胆に描くことができるようになってきた。もっと大胆に太い線で全体を描いてみたいと思いながら描いていく。気持ちが乗っかっているうちに描ききりたい。今回もしっかりと自分の無能さを自覚することになった。自覚したらもう次を描きたくなってくる。

今日のノルマは終了。あとは思考を広げながらのんびりと午後を過ごす。外に出たい気持ちがあったので散歩に出る。駅前を通り本屋へ行く。好きだった駅前の本屋さんは閉店し、名前が変わり営業している。大体おんなじラインナップなんだけれど、なんだか微妙によそよそしい。気になる本を探したけれど見つけることはできなかった。コーヒーでも飲んで帰ろうかと思ったけれど悩んでいるうちに家の方に足が向く。結局家の近所のコンビニでホットコーヒーとつぶあんぱんを買って公園に行くことにした。

子どもの広場近くのベンチに座る。持ってきた本を読見ながらコーヒーを飲む。学校から帰って遊びにきた小学生たちが水鉄砲片手に集まってきた。しぶきが飛んできた。と思ったら雨だった。雨の予報はなかったはずだがと天気予報をみる。くもりとある。すぐにやむかなとそのままベンチで過ごしてみる。持ってきた本もちょうどビニールのカバーがしてある装丁で外は濡れても大丈夫。

しばらく経っても雨はやみそうにないどころかだんだん雨粒の密度が濃くなってきた。公園内のずっと工事をしていた場所の囲いがとれているのが見えたので濡れながら行ってみる。大きな建物が建っていて室内の遊び場と芝生のエリアが新たにできていた。芝生はまだ育成中で柵がしてある。安心して鳥たちが芝生を啄ばむ。ここでピクニックしたら気持ちがよさそう。テラス席に座ってぼんやりと思った。

結局雨はやまず。公園の緑が雨に濡れて香ってくる。採れたてのたけのこの皮を剥いだときの香りがする。たけのこが食べたくなる。雨に濡れた緑はいきいきと薫る。鼻を使って雨を楽しみながら帰る。しっかりと濡れたけれど楽しかった。

クッションカバーの続きを縫う。ひとつは完成したのでもうひとつ作っていく。早く縫い上げたい。
いつものようにお昼ご飯の残りのお味噌汁を夕飯にする。ザワークラウトにこしょうとオリーブオイルをかけて食べる。黒豆納豆も食べる。布団を敷いて、化粧を落とし、荷物が届くのを待つ。20時過ぎに受け取った。たっぷり大きな箱にたくさんの品々。ひとつひとつ確認しながら開封していく。タラの芽、あくぬきされたわらびも入っていた。実家の自然の春の味。ありがたい。菜の花や水菜、高菜のようなもの、どこかから頂いたであろう野菜もたくさん入っていた。わたしが乾燥野菜を作っているからなのか干し大根や干し野菜も入れてくれていた。アスパラ茶というのもある。どんな味なのだろう。玄米を洗って水にかしておく。明日は初めて玄米を土鍋で炊いてみる。はと麦と小豆も水にかして準備しておこう。柑橘もいくつかあって嬉しい。近ごろ自分でも驚くぐらい果物を買わなくなった。買うのは野菜ジュース用にバナナぐらいか。

荷物の仕分けをして食材コーナーがほっくほく。嬉しい。明日はわらびとタラの芽を天ぷらみたいにしてみようかな。お味噌汁も具沢山にできるぞ。実家の春を我が家で感じられるなんて嬉しい限り。実家が恋しくなる。早く帰っておいでと言っている。届いた食材たちにわくわくしながら明日を迎える。