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日記 2024.8.18(日) 不安に気づく。

5時ごろ目が覚めた。ぼんやりしながら少しずつ目を覚ましていく。夜更かしと朝寝坊から、だんだんといつもの朝のリズムに戻していく。

退屈を感じている自分がいることに気づいたので、感覚をつんつん刺激するために今日はカルダー展へ行くことにした。オンラインでチケットを予約。麻布台ヒルズのギャラリーで10時から。朝一番で行こうと準備する。お腹はあんまり空かないので先に昨日買った野菜の一部を干し野菜にすることにしてスライスしていく。かぼちゃもあるので大きくてしっかり切れる包丁を出して使う。しいたけもきれいに気持ちよく切れる。ゴーヤも種ごとスライス、ちゃんと切れる。
干し網が久しぶりの登場。かぼちゃにゴーヤ、しいたけ、大根の皮を広げて外に干した。天気予報を見てみると出かけている間の天気がちょっと不安定。心配なので出かける前に家の中に取り込んでおく。

9時過ぎに家を出る。遠くの駅から行く。どうやらお盆休みというのは今日までの様子。電車はやや混んでいた。
麻布台ヒルズへ到着するといきなり落ち着いた雰囲気。駅もきれいで新しい。地下からエスカレーターを登ってギャラリーへ。お手洗いを済ませ、荷物をロッカーに入れて身軽な状態で展示をみる。暑くて息苦しい外の世界から展示スペースへ。まずは大きくどっしりとしたモビールが迎えてくれた。重そうな素材でできているのだけれどなぜだかどこか軽やかで風のない室内でも動いているように見える。面白い。
奥へ進むと天井からぶら下がったり下から支えられた大小様々なモビールと絵、オブジェが現れる。写真やチラシで見た平面的な印象とはまったく違う世界が広がり楽しい。自然の中にいるような不思議な感覚を覚える。ここは室内とは思えないくらい気持ちがいい。空調なのか人の動きなのか、わずかな空気の動きで揺れるモビールは、いつまでもみていられる。公園を歩いているみたい。ベンチがあったら座ってしばらく眺めてみたかった。思っていた以上に楽しい展示でわくわくする。

チラシになっているオブジェ。猫のヒゲみたいでかわいい。
クリスマスツリーみたい、かわいい。
影もきれい。揺れる葉っぱみたい。

図録を買いたかったのだけれどなんと売り切れ。たくさん写真を撮っておいてよかった。
さてまだ午前中。麻布台ヒルズの中を少し散歩してお昼前に電車に乗った。

チキン南蛮が食べたくなって一旦新宿で下車。お昼時で少し並んだが宮崎のアンテナショップの2階で無事に食べたかったチキン南蛮にありつけた。ひとりで来ている人はいなくてビールを飲む夫婦、三人で楽しそうな女性のグループに挟まれてお昼ご飯。美味しかった。

家に帰り、天気は大丈夫そうなので干し網を外に出す。カルダー展の余韻に浸りながら今年行った展示を振り返りたくて図録を開く。中平卓馬展、ブランクーシ展、どちらもすごくよかったな。やっぱり時々新しいものに出会いに行き、体験する機会が必要だと思った。

台所にブランケットを持ってきて横になる。満足感の中でぐっすり眠れた。
目が覚めて夕方。肩が凝るので銭湯へ行く。夏の暑い時期の銭湯がこんなに気持ちいいこと、今年初めて知った。今日はまだ夕方になっても気温は高く立ち止まるとすぐ汗だくになる。脱衣場の大型の扇風機が気持ちがいいな。

今日の銭湯はたくさんの人。特に水風呂が大人気でなかなか空かない。あたたかいお湯には長時間浸かることができないし、のぼせないように注意しながら温冷浴をする。
静かに周りの声に耳を傾ける。おろし金ないんだっけと話す人。このあとの夕飯の準備の話かな。今晩のおかずはなんだろう。子どものかわいい声もする。わたしは静かに、自分の体を温めて、冷ましてを繰り返す。

今日は短くて軽い会話を重ねるだけが心地いい。麻布台ヒルズでクレープが食べたくてクレープ屋さんを探すために警備員のおじさんに話しかけた。夏の時期はクレープはやっていないのだそう。
銭湯に来る途中に野良猫にご飯をあげているおじさんと少しだけ話した。この猫は14歳、マメという名前なんだよと教えてくださった。

ああ、わたしひとりになりたかったんだ。

お湯に浸かっている間にここ最近のなんとなくの不調の原因が分かったような気がした。ひとりでじっくりと考えたり思いを膨らませたりする時間、行動する時間、ここのところ取ることができていなかった気がする。お菓子を食べたり、食べたかったチキン南蛮を食べても満たされなかった気持ちに気づき、ほっとする。

新しく、自分を開いて広げてみたいという気持ちもあるのも事実だが、意気込んでやろうとするとき力が入りすぎてわたしが躊躇する。肩に力が入って顔がこわばる。
不安になると小さなことが気になり始める。本当にちょっとしたことが気になる。質問した時に少しだけ嫌な顔をする先生、髪留めを拾って渡したら迷惑そうにされたこと、銭湯にいる神経質そうな年配の方の姿。外の細かいことに目が向いていつまでも気になり続けてしまう。

野良猫マメちゃんは、わたしがおじさんと話しているとさっとその場から離れた。猫は正直だ。わたし、多分今力が入りすぎているんだと思った。やらなきゃいけないことに着目し過ぎて窮屈に感じているんだ。

大丈夫、楽しいことだけやっていたらきっと新しい世界は自然に広がっていくよ。焦らないでいいんだよ。楽しむこと、自分の中から湧き出る喜びに注目しよう。わたしにやさしく声をかけてくれる人をお手本に。自分の背中をさすりながらゆっくりと声をかけていく。

さ、自分の不安に気づくことができ、対処していく方法が分かったらもう安心。大丈夫。
銭湯の帰り道、20時すぎてもまだ暑い。ノンアルコールビールでも買って、今日は乾杯しよう。

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