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[特定社労士試験]研修・試験を受けるべきか

こんにちは。ににです。(自己紹介はこちら

現在(2024年6月24日)、令和6年度の第20回紛争解決手続代理業務の特別研修の受付が行われています。
締切は7月2日(火)です。

今年は申込の方法が変わって、オンラインでフォームに入力するだけで申込ができるようになりました。
昨年は申込要領の請求をフォームに入力→郵送されてきた要領の中にある書類に記入→郵送という流れだったので、ひと手間減っています。とてもいいことだ。

とはいえ、受講料の支払い方法は変わっていなくて、郵便局での払込です。
これも申込期間中に終わらせなければならないので、申し込む際は期日に遅れないようにしてください。

さて今日は、特定社労士になるべきかどうかについて、実際に研修から試験まで受けて特定社労士になった一個人から見た、メリットとデメリットをお話ししたいと思います。
私は、社労士法人の勤務社労士なので、その立場で感じたものです。


メリット

特定社労士になることについて、私が感じたメリットはいくつかあるので、箇条書きします。

(紛争解決手続代理業務ができる)

これはメリットというか特定社労士の目的そのものですが、実は勤務社労士にとっては、関係がありません。
紛争解決手続代理業務ができるようになるためには、開業登録であれば本人が特定社労士であれば良いですが、法人の場合、社員が特定社労士である必要があります。

勤務社労士だけが特定社労士という状況だと、紛争解決手続代理業務は行えないんです。
また、一般の企業の勤務社労士の場合では、もし自社が紛争に臨むことになったとして、その業務はもはや「代理」ではなく当事者として従事することになります。当事者なので、もちろん何の資格も必要ありません。

というわけで、勤務社労士が特定社労士になったところで、このメリットは享受できません。
(特定社労士になったことをきっかけとして法人の社員になるというルートを目指す、という手はあります)

知識が身につく

特定社労士になる過程で、知識が身につきます。
身につく知識には2種類あると私は思ってます。

1つ目は、紛争解決手続代理業務、あるいは紛争そのものについての知識です。
研修や試験勉強を通して、どういった判例があるか、判断基準は何でどういう考え方をするか、といったことの知識を得ることができます。

もう1つは、紛争に至る前の段階で活用できる知識です。そして、この知識を得ることができることが、私が考えるもっとも大きなメリットです。

たとえば、従業員トラブルに発展するかもしれない、みたいな段階の相談を受けることがあると思います。その際、最終的に紛争に発展しかねないことまで見通して、それを未然に防ぐようなアドバイスができるようになります。
また、就業規則を作成する際にも、トラブルにならないような書き方や条文の過不足がないようにと考えられるようになります。

このように、直接紛争解決手続代理業務に従事しなくても、通常の社労士業務の品質の向上につながる知識が習得できる、これこそが最大のメリットです。

受験同期ができる

勤務社労士だと、社外の社労士とのつながりってあんまりないですよね。
グループ研修やゼミナールでは、同じ特定社労士を目指す仲間たちと協力して、議論して、学んでいきます。
そして試験の合格という同じ目標を目指していくのですから、すぐに打ち解けて仲良くなれます。
自分が所属している事務所や会社以外の社労士から、業務などの話を聞くのは新鮮で楽しいです。

また、特定社労士の試験を受けようと思うタイミングはだいたいみんな同じくらいのようです。
つまり、(特定ではない)社労士の試験を受けて合格したタイミングも同じくらい、ということです。
「あのときの試験のあの問題が・・・」みたいな話題でも盛り上がれます。

名刺に「特定」と入れられる

これは私だけかもしれませんが、名刺にたった2文字、「特定」と入ったことで、達成感がかなりありました。
自己満足だけではなく、名刺を見た人から「特定」って何?と聞かれて話が広がることもあるという実利もちょっとだけあります。

デメリット

一方、特定社労士を目指すことのデメリットももちろんあります。
こちらも箇条書きで紹介します。

時間

デメリットとして真っ先に思いつくのは、時間です。
特別研修は、中央発信講義が30.5時間、グループ研修が18時間(3日間)、ゼミナールが15時間(2.5日間)です。グループ研修やゼミナールは、ただその時間受けるだけではなくて、予習・復習も必要となります。
そして最後に受ける試験が2時間と、もちろんそのための勉強時間もかかってきます。

正直なところ、研修やゼミナールを受けている間は楽しかったのですが、中央発信講義、各研修の予習・復習、試験勉強の時間はかなりの負担感がありました。
ふだんから社労士として忙しく活躍されている方にとって、この時間の捻出がいちばん難しいかもしれません。

お金

特別研修の受講費用は85,000円(令和6年度)、試験の受験費用は、令和5年度は15,000円でした。そして特定社労士の付記に必要な手数料と登録免許税が10,000円かかります。
このあたりは事務所持ちとなる場合も多いにしても、グループ研修やゼミナールは集合研修なので、会場までの交通費や開催日の昼食費、そして夜の懇親会費は自分持ちのことがほとんどでしょう。
そして、研修で試用するポケット六法などの図書、試験勉強の参考書(や私のnoteの過去問模範解答)などの費用もかかります。

結論

特定社労士を目指すことのメリット・デメリットを、勤務社労士である私の視点から見てお伝えしました。
判断の参考にしていただければ幸いです。

私個人としては、受けるべき(受けることによるメリットが大きい)と思っています。
たとえ勤務社労士であろうとも、人とのつながりができたり、いろいろ勉強できて社労士としての能力を伸ばすことができたりといったメリットは、デメリットを大きく凌駕するものと思います。

とはいえ事情は人それぞれ、決断も人それぞれです。
あと1週間の申込期間、じっくり考えてみてくださいね。

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