見出し画像

大船渡のサンマ

 2011年9月大船渡の販売会社を再度訪問した。
 
 今週の水曜から一泊で仙台・大船渡に行ってきた。
地域一帯は、震災によって1メートル程地盤沈下し、
満潮になると海水を被るのは、如何ともしがたく、
漸く瓦礫が整理された程度で、復興はまだまだ先、
震災から半年たった現在、基本プランさえも出来ていない。
 
 仙台で一泊し、翌木曜日は大船渡の販売会社を訪問した。
社長の家も専務の家も津波で流され、跡形もないが、
社屋は一段高いところにあったので、
水には浸かったけれど、原型をとどめ、
社員全員無事だったことが不幸中の幸いだった。
社長が気を取り直し、当社も銀行も応援して、
何とか事業の再開にこぎつけている。
 
 販売会社近隣の様子は、がれきが綺麗に片付けられてはいたが、
5月の訪問時とさして変わらず、何もない、ただの平地だ。
それでも、来客の絶えることがなく、活気がある。
今は、細かい商売で繋ぎ、やがて来る本格的な復興需要に備えるとの事。
 
 訪問後、一軒だけ営業している、食事処で昼飯を共にした。
窓から外を見ると、海岸まで何もなく、バカに見通しがいい。
ランチのコースは、お定まりの刺身、天ぷらが主体だが、
それに加えて、秋刀魚が一尾付いている。
刺身類は他所から運ばれてきたものだが、
秋刀魚は大船渡産だとのこと。
 
 やや小ぶりだが、焼きたての暖かさが残り、
身が締まって美味しい、如何にも三陸の秋刀魚だ。
販売会社の社長も今年初めて秋刀魚を食べたとのこと。
 
 大船渡では冷蔵施設が全滅しているから、
本格的な漁業の再開はまだまだ先だが、
秋刀魚は氷で冷やせば近隣には出せるので、
昨今、再開にこぎ着け、既に2船が入港したとか。
 
 取れた所が何処でも、大船渡港で荷揚げしたものは、
大船渡の秋刀魚だと、社長は語っていた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?