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両親 26.重労働

 2008年5月・・・・ 

 昨年8月に母が、この4月に父が亡くなり、横浜の実家は主がいなくなった。あの家をどうするかは決めかねているが、兎も角整理して空にしようと、連休中、横浜の自宅から毎日40分ほどかけて実家に通った。 

 普段は新潟にいるということもあり、家具、雑貨類の処分を引越屋に頼む予定で、見積もりをしてもらったのだが、かなりな金額になる。で、姉と妻が、残しておきたい遺品もある事だから、自分達で整理しようと言い出し、3人で頑張ることにした。

 1週間ほどかけて、50坪の家を整理したのだが、連日10時間の肉体労働だ。両親はあの家に35年間住んで、その間殆ど何も捨てなかったらしい。1階の納戸、2階の2部屋にはこれでもかと、旧い物を溜め込んでいる。使わなくなった陶器類、引き出物や記念品と思しき未使用の食器等、次から次へと際限なく出てくる。

  本棚といくつかのダンボールに、私と姉が昔読んだ本の束、父が整理した100冊余りのアルバム、母の嫁入り道具と思しき、人形類、掛け軸等々、思い入れのあるものも多く、思わずひとつひとつに見入ってしまうのだが、そんなことをすると、何も進まない。

  一辺が、50センチ以上あるものは、市が粗大ごみとして引き取ってくれるのだが、これは全部jで100点ほどになる。電話で予約するのだが、先方があきれて、大丈夫か、そんなに一度に出せるのかと、何度も確認する。結局、2日に別けて出すことにした。道路に面して車2台分のかースペースがあるので、その辺は大丈夫だ。

  後は、陶器類、グラス類、紙、書籍、金属、家庭ごみ等に区分けして、紐で縛ったり、半透明のビニール袋に入れたりするのだが、全部で何百点になったか、検討がつかない。曜日により、紙の日、家庭ごみの日だとか決まっていて、朝8時までに所定の場所に出すことになっている。だから、その日は6時半にタクシーで、家をでて、7時前から運び始める。1時間ほどで、汗にまみれ、手足、腰など、あっちこっちが痛くなる。

  兎も角、整理は終わった。これはと思われる、家具と遺品は当家に運んだが、90%は破棄した。空になった家は広々として、リビングで卓球ができそうだ。

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