神様はいつだってそこにいる。
第一話
この世界には自分しかいないんだ。
私は気づいてしまった。
この世には本当は自分しかいないことに……
「はっ!!今何時!?」
__2030年12月25日
薫はぬくぬくしたお布団からガバッと飛び起きて
頭上にある時計を確認した。
アナログ時計の指す時刻は08:30。
「えっ…やばい!!早く準備しなきゃ!」
今日はクリスマス。
にも関わらず薫は学校の補習があるのだ。
補習は9時スタート。
薫の家から学校までは自転車で20分。
寝癖を直しつつ急いで制服に着替えて部屋を飛び出す。
「いってきまーす!」
誰もいない家に挨拶をして自転車に飛び乗った。
「うわぁ〜やばい、やばい!ギリギリだぁー!
なんでいつもこうなるんだろう。。。」
薫は叫びながら必死に自転車を漕ぐ。
10分くらい自転車を漕いだ時、後ろから声が聞こえてた。
「薫ー!!おっはよー!」
陽気な声を出しているのは
クラスメイトの時音。
「時音ー!おはよー!って
早く行かないと遅刻しちゃうよ〜!急ごう!」
時音「このペースなら余裕っしょ〜!」
薫「ははっ、それもそうか。」
__8:58
先生「おはよー、お前らが最後だぞー。早く席につけー。」
薫・時音「はーい。」
時音「てか、そもそもなんでクリスマスに
補習なんかしなきゃいけないわけ〜?」
先生「それはな、自分のテストの点数が悪かったからだぞ?
先生のせいにも学校のせいにもするな。」
ごもっともである。
「はーい。」
不貞腐れたように返事をする二人。
__12:30
先生「よし、それじゃあ今日の補習はここまでだ。
ちゃんと復習して、年明けの補習テストに備えるように。
また年明けな。よいお年を。」
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