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苦いカレーおいしいな

日本で一番カレールウにお金を払っているという隠れたカレー王国、鳥取県。それだけに、鳥取県ではハイレベルなカレー屋がしのぎをけずっている。

いろいろあって冬の寒い日に鳥取駅を訪れた私は、ちょうどいい機会なので、おいしいカレーを出すことで有名な鶴太屋珈琲へ行くことにした。

訪ねてみたのはいいものの、下調べした住所に行っても鶴太屋珈琲はなかった。そこに建っていたのは、「MARUFUKU」という文字が書かれた丸福珈琲という別の店舗だった。

「?????」と思いながらも中に入ると、そこは確かに鶴太屋珈琲だった。何でも、鶴太屋珈琲が丸福珈琲の大ファンだったため、撤退した丸福珈琲の店舗をそのまま使わせてもらっているそうだ。そういうことだったのか。

さっそくカツカレーを注文。大きいままの野菜がごろっと入っており、スパイスの香りもいい。おいしそうだなと私は思った(←ボキャブラリーが貧困)。

野菜をスプーンで割り、ルウと一緒にライスに乗せて口に運ぶ。私はまた「?????」となった。

(あれ、そんなにおいしくないな……)

カレーらしい辛みはあるのだが、甘みも酸味もあまり感じないのだ。それどころか、スパイスのせいか苦味すらある。舌にまず辛みを感じて、あとで苦さが口に残る感じだ。

私は「……??…………?????」と思いながらスプーンを動かした。

おいしくはない――と思う。だが、なぜかスプーンがとまらなくなってくる。スパイスのせいか体がカーッと熱くなってきた。大きな野菜もカツもあってかなりボリュームがあったのだが、すぐに食べ終えてしまった。

私は鶴太屋珈琲をあとにした。体はポカポカと暖かく暑いくらいになっていて、山陰地方特有の厳しい寒さすら感じなくなっていた。スパイスのせいか体調もいい気がしてきて、何だか早足になってくる。

舌じゃなくて、体全体が「おいしい」と感じるのが、鶴太屋珈琲のカレーなのだなとその時私は気づいた。何をいっているのか分からないかもしれないが、そう思ったのだ。

舌ではなく体全体が「おいしい」と太鼓判を押す鶴太屋珈琲のカレー。また食べたいし、ぜひみなさんも鳥取駅を訪れた時は食べてみてほしい。

……とまとめようと思ったのだが、この記事を公開する前に念のため確認したところ、鶴太屋珈琲は長期休業中で、休みの理由も再開の見こみも不明だという。

まさに「?????」だなと私は思った。

#旅行 #カレー #鳥取県 #グルメ

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