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「チャイナ服コスプレしてもらったら中国語喋れた」2022年9月12日の日記

・週末に映画『NOPE』を観た。詳細はネタバレになるので書かないけど、みんなが「こうだろう」と思っているものを裏切るのは、意外性の演出として常套手段だ。ジョーダン・ピール監督は、予測はなぞりながら、思い切り裏切るというのが抜群にうまい。

・出世作となった『ゲット・アウト』は、白人の彼女の実家に黒人の彼氏が挨拶に行くという話だが、そこで思うのは当然人種差別に直面するんだろうな、ということだ。だが、その通りではありながら、その踏み込みが予想外だった。

・今回もそういった、ジャンルの中にはあるのかもしれないが、めちゃくちゃ逸脱してくる。UFO映画として、UFOを発見し、仲間と力を合わせて撮影しようとし、未知なる存在と出会ってしまうが、何とか生還する、といったストーリーの型にはハマりつつ、中身は全然期待しているものと違う。彼氏が欲望のままに彼女にチャイナ服コスプレをしたもらったら、彼女が中国語ネイティブだったと発覚して、逆にめちゃくちゃ盛り上がるみたいな。適切な例ではない気がするが

・ジョーダン・ピールは不穏さも本当にいい。なにそれ?っていうシチュエーションの開発(予告にも出てくるような、馬の尻に家の鍵が刺さってる、とか)もさることながら、やはり音がいい。暗闇と音

・『サブノーティカ』という深海を探索するゲームがある。海洋恐怖症なのに、このゲームに死ぬほどハマった。最初のうちは綺麗な珊瑚礁を泳いで魚を取ったりするが、すぐに深い海の底に潜っていくことになる。あまり光の届かない海の中で、少し遠くから「ウオォーーン」という感じで鳴き声が響く。そして、突然深海生物に襲われる。それを繰り返しながら、どんどん深く深く潜っていく。

・襲われる瞬間は確かに怖いが、怖さレベルでいうとMAX10のうちの5くらいだ。1番怖いのはやはり鳴き声だけはどこか遠くでして、だが現れないという時間だ。それがレベル9くらいの怖さがある。そして、そういう時間がプレイ時間の9割を占めているのがサブノーティカだ。

・今作にも、そういう暗闇と音の恐怖があった。重くて古い金属のドアを開けるみたいな音がどこかで鳴っているような。ゾンビとか幽霊は出てこないのに、そういうホラーがやはり1番怖い。


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