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【クーラント漏】蜘蛛が導いた原因の曖昧

画数の多い漢字を使ったタイトルですが、回文になっています。

あ、騙されて後ろから読んじゃいましたね?嘘です。
まったく回文にはなっていません、むしろ怪文みたいな感じ?

さて、前回はマリーナに来まして台風16号の対策をしました。
次にここに来るのは台風の去った後、恐らく台風一過の清々しい青空の下でセイルを張る… みたいに思っていたんですが、仕事等の色々な都合でしばらく来れそうもありません。
逆に、台風襲来前日にスケジュールが空いたのでマリーナに来ましたよ。
今日はクーラント漏れの原因を調べまーす。

とは言ってもマリーナは台風対策仕様。
ウチのヨットも含めて各艇はクリートからロープで地面のアンカーに固定され、船台を(つまりはヨットを)動かす事が出来ません。
今ヨットを置いている場所は、エンジンの冷却水取り入れ口まであと数mというところで水道のホースが届かないんですよねぇ。
つまりエンジンは回せないわけで、仕方がありませんので、怪しい箇所をコツコツとじっくり地味に探すしかありません。

それでは機関室のハッチを取り外して、エンジンの冷却水周りを見てみます…

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が、見つからないですねぇ。
いや、一行で書いていますが、ウエスとライトを持って1時間以上キョロキョロしてますからね!

そもそも普段はクーラント漏れを目にする事は無く、先日海に出た時に初めて漏れ出たわけで、やっぱりエンジン回してやらないと見つからないかな。

いっそクーラントに蛍光剤の入った洗剤を入れてエンジンを回し、ブラックライトで照らせば簡単に見つかるんじゃ?
いや、そもそもクーラントに洗剤入れたら、何かまずい気がする。
なんて事を色々考えておりますと、蜘蛛が…

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いや当然写真なんか撮れるわけもなく、これは再現VTR(←そもそもビデオですらない)なんですけどね、こんな感じで蜘蛛がリザーバータンクの上の方にシュッと入って行ったんですよ。

キー!と思いまして、私も犍陀多(カンダタ=芥川龍之介の蜘蛛の糸の主人公ね)じゃありませんので、この愛用の

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耐クモスプレーを取り出してリザーバータンクの上部を覗き込むと…

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あれ?リザーバータンクの蓋が外れてる?
もしかして、クーラントの漏れはここから??

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いやいや、転職サイトの広告じゃないから!
(ちゃんと無料素材の画像探して使いましたよ)

いやね、言い訳をさせて貰うと、これ普通では見えない場所なんですよ。
この写真も携帯を突っ込んで撮ってますからね。

そもそも、元のリザーバータンクの位置は、

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こんな感じで、スターボードサイドにあったんですよ。
昨年、プロペラシャフトを交換するのに緊急事態宣言で県外移動禁止、マリーナに行けないと言う事で業者さんに修理をお願いしたじゃないですか?
その時にエンジンを一旦下ろし、再度積んだ時にリザーバータンクの元の位置がわからなかったんでしょうなぁ、結局右の写真のように潜り込んだ位置に付けられてしまいました。

もうね、石油ポンプとか使わないとリザーバータンクにクーラントも入れられない場所なんですよ。
他にもこの業者さん色々あって、比較的綺麗だったエンジンが現在は錆々の状態になった原因が… とか、ちょっと…なところがね。
当時は状況が状況だけに仕方なかったですが。
その後、タンクとエンジンの高低差こそ変わりましたが、クーラント入れ以外では不便も無いし、何しろ面倒だったので移動させなかったのが裏目に出ました。
面倒くさがりな自分が恨めしい(裏目だけに)。

言い訳ばかりつらつら書いていますが、結局蓋の確認すらしていない私。
つまりは、全く基本的な確認を怠っているのが自明の理。
ちょっと前にも「電気製品が壊れたと思ったらコンセントからしっかり確認しないと!」みたいな事を書いてるのに、今回はリザーバータンクのホースまでは何度も確認したのに、肝心のタンクの蓋をまったく見てないという…

ま、過ぎた事は仕方が無いとして、これを踏まえての考察です。

あの日はセイルを出さずに完全に機走でしたが、途中タコメーターが不動になり、それが原因かでUターンして帰港しました。
そもそも浦賀水道を横切るルートですから本船に当たらぬよう、迷惑をかけぬよう、事前に入出港情報を見て、タイミングを見計らっての横断でした。
しかしUターンをするという計画がそもそも念頭に無く、Uターン後は結構本船を縫う形での航行になってしまい、セイルを出してない、キールも上げたまま(←その方が速そうだったから)での浦賀水道横断。曳き波でかなりのローリングとピッチングを経験しました。

それくらいでタンクの蓋が外れるか?と言うと甚だ疑問ですが、元々外れかかっていたとか?
とにかく海の上で蓋が外れたのは事実で、リザーバータンクの上が開いた状態での激しいローリング(とピッチング)でクーラントが溢れ出てビルジと混じって…

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こうなった??のか?
しかし、汲み出したクーラント(Feat. ビルジ バージョン)は5リットル。
普段ドライな機関室に、なぜそんな大量のビルジが??
しかもビルジと言いつつ、ソムリエである私が汲み上げた液体をテイスティングした時は、

鞣革の香りの軽いアタックの直後に訪れる春のピレネーに湧く泉かのようなクーラントの甘みが覆い、その影に僅かに見え隠れする桜のスモークチップで燻製したモンゴル岩塩を思わせるマイルドな東京湾の塩味(えんみ)… 

みたいな評価をしましたが(嘘)、実際舐めた時は絶対に海水じゃないんですよねぇ(これは本当)。
うっすら潮水程度で、ほぼ真水かクーラント。
うーむ、このクーラント漏れ騒動の原因は、この蓋の外れのせいとみていいんだろうか?そして4リットル以上の水(ほぼ真水)はどこから?? 雨水がどこかに溜まっていて、揺れで一番低いスケーグ裏に溜まった?

謎は深まりつつ、正解がわかりません。
真水が存在するのは清水タンクだけですが、今は次亜塩素酸ナトリウム製剤を1リットル程入れているだけです。
幸いにして(?)、台風で強風の下を大雨が降りました。
次回ヨットに行った時は、ロッカー、機関室、その他色々と雨水が溜まっていないか見る予定。
でも来週は用事が立て込んでて、ヨットに行けるか微妙なんだよなぁ…

とにかく今回は、蜘蛛が蓋が外れてるのを教えてくれたので感謝です。

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ま、蜘蛛スプレーを各所にめちゃくちゃ噴霧して来ましたけどね。