大学生のムスメ。哲学の授業で。
そして、月曜の夜。そろそろベッドで読書するかと用意していたら、電話が鳴った。
「この哲学のクラス。週に一回なんだけど、夜7時から9時半なんだよ」
「ひぃ。そんな時間のクラス、何人くらい取ってるの?」
「うーん、15人くらい。でさ、ママはこのクラス気に入ると思うんだ」
モラル、をテーマにするらしい。
どの哲学家の思想を中心に?と聞いたら、Alistotle(=アリストテレス)とのこと。どうか、ググって発音を確認してくださいまし。いきなり言われたら、なんのことか日本人にはわかるまい。
さて。
私は迷いなく答えた。
生産性のない怠け者の「友達」に、決まってるではないか。
"That's no fucking brainer." と私。考える必要などない。
"I know."
ところが。
クラスの殆どが「優秀な働き者の若者」を選んだのだそうだ。ひぃぃぃ。
人間関係は長期にわたって続くから「友達」との関係をここで壊すべきではない、というのが理由。
違うでしょう。その若い働き者の子と、友達になればいいじゃないの。そのほうがずっとお互いにとっていい関係が始まる。
もちろん、ムスメは私と同意見である。
「この国はそんな風に考える奴らばっかりだから、何も改善も進歩もせず、我々がそういう非効率性に苦しむ結果になるのだ!」
と、思わず叫ぶ。
目の前のちゃぶ台(があれば)をひっくり返す勢いである。これから働き始める若者がそんな考え方をしていたら、この国はどうなるのか。
続いて。
教授が目に涙を浮かべながら、自身の経験を例にあげてクラスに問いかけたこと。
ソイツの答えは、"Air Bender's uncle, Iroh." だったと、ムスメが呆れ返っている。
Eddy が好きそうなクラスじゃない?と言ったら、絶対にダメだと思う、と言ったムスメの理由がコレだった。あんなに穏やかな彼なのに、きっと黙っていられずにソイツを真正面から見据えて、
"Are you fucking kidding, right?"
と、全身脱力しながら軽蔑の眼差しとともに叱り飛ばすだろう、とムスメは言う。
アニメのキャラは侮れないと思うけれど、でも "In your life" という時にアニメのキャラはないでしょうよ。一体、どんな人生送ってきたんだよ。
私だったら誰だろう。今は小説の中の登場人物しか思いあたらない。
"To kill a mockingbird" (邦題は「アラバマ物語」)の Atticus Finch
スガタクラマスカモと言ってたムスメは、夜だった電話が朝に変わって、毎朝かけてくる。
今朝は、電話の中の私を連れてメールルームに行き、私が出した手紙を受け取ったあとに、Air Dropでできるコピー機で印刷(一枚 10 cents!!)し、寮に戻って、遅めの朝ごはん(チキンスープに pastina 入れて電子レンジ)を食べていた。
「あ、バスが折り返したから出かける準備するわ」
「ママの方もそろそろ仕事する。またね〜」
ただただ好きで書いています。書いてお金をもらうようになったら、純粋に好きで書くのとは違ってくるのでしょうか。