ムスコに会いに、ボストン旅行。
2月に入って、ムスコがいる厳寒のボストンへ4泊の旅。
ランチだったりディナーだったりと友達と会う予定が毎日入っているから、ムスコとはアパートでまったりと「鋼の錬金術師」を観ようと言っていた。
旅行中は恒例の「つぶやき」で小さな報告をしてきたけれど、やっぱりあれでは書ききれない。私はどこへ行っても、いろいろな面白いコトに出くわす。
英会話のレベルで、その人の知的レベルは判断できない。このウズベキスタン出身の運転手は母国語はトルコ語だそうで、彼の英語は発音も文法もなってなかったけれど、お母さんと奥さんは医者で、甥っ子が日本の大学で勉強しているという。「絶対に日本に行くんだ。すごくすごく楽しみなんだ」とニコニコしていた。
ちなみに。帰りの Uber の運転手はイスラエル出身。
"How do you feel about the Gaza?" と思わず聞いてしまう。
あの日。Oct 7 に Hamas がイスラエルの国境を越えてイスラエル本土に攻め込み、暴虐の限りを尽くし人質としてイスラエル人を見境なく攫っていったあの日にたまたま魚釣りに出かけた友達を殺されたという。
もちろん、彼はイスラエルのTVを観ているから、Hamas が病院を基地にして一般人を盾にしていると主張する。パレスチナ人をイスラエル軍が殺害しているという感覚はなく、あくまで Hamas への制裁戦争でしかない。
あの戦争の悲劇は、国家 vs. テロリスト、だからだと思う。イスラエルにしてみれば Hamas がやったことは許せる話ではないし、甘く見るなバカにするな、と言いたいのは当然。だが、その制裁過程の中でパレスチナの一般市民を巻き添えにしている現実は、自覚していても犠牲として呑み込むしかないのだろう。テロリストだから手段を選ばない。それを根絶やしにしようというのだから、当然あれだけのすさまじい犠牲がでる。
ヒロシマやナガサキに原爆を落とした話とは違うとまで言い、あとで私が日本人とわかって息を呑み、"I am so sorry if I hurt your feeling." と平謝りだった。イスラエル問題は複雑すぎる。
Acela(速めの Amtrak だけど全然速くない。窓から見える高速を走ってる車よりも遅いことのほうが多かった)で4時間の電車旅。読書と昼寝であっという間。ラップトップを開ける時間もなかった。
夕方に到着して、その夜はムスコにクリームシチューとポテトサラダの手ほどきを。鶏肉をそぎ切りにするとか、Bechamel sauce は牛乳をゆっくりと少しずつ足して、焦がさずに炒めたバターと小麦粉を伸ばすんだよ、と教える。
シチューにはジャガイモが多すぎたから、少し残してポテトサラダにした。
狭いキッチンの外で、私が椅子に座ってあーだこーだと指導した。
ムスコは、この狭いキッチンで小さくて浅い流し台で、料理につかったボウルや鍋をキレイに片付けた。
そして。
約束通り、ハガレンを観る。あぁ、なんていいストーリーなんだ。
観ながら、ムスメの彼氏 Eddy にテキストしたらまだ観てないというので、ハガレン観てないなんてアニメファンとも言えないモグリだと罵る。ムスメに頭の上がらない Eddy は当然私にも頭が上がらないし、なにせムスコは兄貴だからすぐに言うことを聞いて、その日のうちに第一話は観た様子。
二日目の金曜日。
朝は、二人で近くまでラテを買いに行った。「一人で頑張るぞ」みたいな名前のついたコーヒー豆が売っていたので、次の帰省の際にお土産にもってきて、とムスコに司令を下す。
ランチは、昔近所に住んでいた日本人の友達が車で迎えに来てくれて、ちょっと郊外へ。ギリシャ料理。会話が弾む。
白身魚は身が柔らかくて美味しかった。オリーブ油とレモンの風味。地中海って感じ。満腹。大満足。
近くの駅まで送ってもらって、電車で帰る。
駅に券売機がない。どっちのホームかわからなくて、乗客のおじさんに聞くと「こっち側でいいよ」切符はどうやって買うのか。乗る時に払うけど、一番うしろの車両ならただで乗れると平気で言う。
"They don't care."
そ、そんな。ムスコの仲間もそう言ってたけれど、まさか大人も、とは。
とはいったものの。ちゃんと払って乗ってる人も何人かいて、私は降りる時に車掌さんに現金を見せて "Sorry, I did not pay." と言ったら、
"You are good."(いいよ、払わなくて)
という返事。あるんだよ、こういうことが。ちゃんと聞いたから、罪悪感なし。
Google Map を見ながらてくてく歩いて、途中にあるTen One Tea House でムスコと待ち合わせ。抹茶ラテとローズ茶ラテ。アパートにもどって「ハガレン」。
ムスコと夕食。会話が弾む。
アパートに戻って、「ハガレン」。
続く。
ただただ好きで書いています。書いてお金をもらうようになったら、純粋に好きで書くのとは違ってくるのでしょうか。