子供が運転し始める。(1)
アメリカでは(ん?それとも私の住んでる州?)高校2年の授業でDrivers Ed(ucation)というクラスをとって筆記試験合格まで学校で面倒見てもらえる。その合格証をともに、16歳の誕生日を迎えると、Driving Schoolのインストラクターを雇って(家まで迎えにきてくれる)2時間ずつ3回、合計6時間の路上レッスンを受けて仮免を取得。仮免は21歳以上の運転経験が最低3年ある人が助手席に同乗して、早朝と夜中以外の時間帯に限って運転できる。最低6ヶ月間、実地練習して17歳の誕生日に路上試験を受けて、晴れて条件付き免許(probationary license)を獲得。この免許証は縦長で、21歳の誕生日に横長の普通免許に書きかえることができる。
親としてはその6ヶ月間の実地練習が、ぢごく。
子供自身はやっと運転できるからワクワクだけれど、どこへいくにも私が同乗しなきゃいけないわけだから、自分が運転する手間とまるで変わらない。それどころか助手席でビクビクするハメになる。道路の右側を車は走り助手席も右側。道路脇に並ぶ郵便受けをがんがんがんと倒すんじゃないかと、ヒヤヒヤしながら私は助手席にちぢこまる。そういう私のビミョーな筋肉の動きを運転席の我が子はすぐに感じ取り、「全然そっち側余裕でしょ!ちゃんとミラーで見えてるってば!」と怒る。「ママがそうやってビクビクすると、私まで必要以上に神経質になってかえって迷惑!」とさらに怒られる。20歳の息子は、16歳の娘がレッスンを受ける前に、「ママとは一緒に運転しない方がいい。She makes it worse.」と抜かしたらしい。
仮免とって最初の1週間が酷かった。
だいたいですね、仮免取り立てのくせに、たった6時間路上レッスンしただけのくせに、交差点で一時停止する位置、どの車に優先権があるか、右折左折するときのスピードと角度など、ちょっとでもアドバイスすると"OK"じゃなくて”I know!"と答えるから腹が立つ。こっちはインストラクターから運転してる時は緊張して夢中になってて、聞こえてないケースが多いから同じことを何度でも注意してください、と言われてるのだ。挙げ句の果てに"I am not stupid!"とお決まりのセリフが飛び出す。うちのムスメは確かに自立心旺盛だし責任感も強いし常識もあるが、こちとら30年以上の運転歴。確かにミニバン乗ってたときはしょっちゅう家のDrivewayに右折して入る時にタイヤを歩道にぶつけてはいたし、ところどころの場面で立ち往生的なこともするけれど、「アジア人は運転下手」という前提で母親に向かってなんたる態度。お前たちが生まれる前から運転してきたのは誰だと思っているのだ!
(続)
ただただ好きで書いています。書いてお金をもらうようになったら、純粋に好きで書くのとは違ってくるのでしょうか。