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離婚後。ParentingとはなにかがまるでわかっていないEx.

キレた。アイツと Parenting(子育て)に関連したやりとりになると、必ずキレる。全然わかってない。親たるものが、子供の成長に合わせてどう彼らと接するべきか、どう子供を大人の世界へと導くべきかが、がまるでわかってない。わかってなさすぎて、出ていったときのあの宇宙人と話してるみたいに通じなかったのと同じものを感じてしまう。

ムスコは23歳になって5月にいよいよ大学院を卒業して独立。
ムスメは19歳。大学一年生を終えて5月から夏休みに入る。

高校時代に大学レベルのコース(AP)をいくつも履修したムスコは、カリキュラムに組まれている co-op という職種経験 (生協ではなく)の一年を含んで卒業に五年かかるはずの大学を四年で終え、さらに二年かかるはずの修士を一年で終えて職探し中。5月に卒業してヨーロッパ旅行の後、働き始める(はず、予定)。ムスメは看護科の一年生。計画性のあるムスメは、看護科二年生がカリキュラム的に一番キツイことを調べてあり、その負担を減らすために夏にオンラインで一つコースを履修しながら、カフェでバイトする。ムスメも高校時代に取ったAPコースのおかげで、来年は「フルタイム」分の授業を取らなくていいらしい。

あ、そうだ。彼女の BF の Eddy だが、つきあって半年ほどで別れてしまい、彼女の誕生日にオハイオに会いにいったときは別れ話のど真ん中で私は結局 Eddy には会わなかった。

別れた理由は、彼が "NEEDY" 過ぎたため。

「僕ともっと一緒にいて」「僕をもっとかまって」というのが過ぎて、クソ忙しいムスメが譲歩できるところまで譲歩して時間調整しても、彼はまだ満足せず、来年からもっと忙しくなるのにこんなんじゃやってられない、とキレてうんざりして、ということらしい。

"I did not tell you each time, but I don't know how many times we had this same damn conversations!" とムスメ。はい〜。

Need-y とは。

三年前のある日、Ex.はなんの前触れもなく離婚を宣言して、家を出ていった。ムスコはボストンの大学にいたから、私とムスメは二人暮らしになった。その一年半後にムスメは家をでて大学にすすみ、私はひとり暮らしを始めた。

男の子は女の子よりも精神的に成熟するのが遅いことは広く知られている。30代になるまで成長しきらない、とすら言われている。うちの二人は4つ違いだけれど、ムスメの成熟度は異常なレベルといっていい。同い年の女の子と比べても Above and Beyondである。ムスコも最近は頑張っているが、いろんな場面で、4つ上の兄よりも妹のほうが大人だと思うことが多い。

家を出てって一年半後、離婚が成立して半年もたたないうちに、Ex.は12歳年下の女性と再婚した。友人たちは皆彼が浮気していたのだと納得していたが、私はそうは思っていないし、もし浮気していたのだとしても、もう今となっては全然どうでもいい。

子供たちと Ex.の二人の妹と母(つまり叔母と祖母)の関係に私は口出ししないし、ムスコと Ex.の関係についてももちろん同様。そんなのは当たり前だ。ムスメは父親が家をでていったその日から、一度も彼と言葉を交わしていない。電話でもテキストでも。彼女には彼女なりの理由があるから、私は口出ししないし、ムスコも納得している。

去年の夏、ムスコと Ex.が二人でギリシャ旅行にいった費用は Ex.が100%もったはずだが、私と一緒にまた日本に行きたいというムスコに、「ホテル代はともかく、飛行機代だけは出しなさい」と言ってある。そうじゃなきゃ、ママが払ってあげるから一緒に旅行して、みたいじゃないか。

高校の卒業旅行ということで、夏に私とムスメが国内ロードトリップにでかけた費用は Ex.と半々にしたが、大学に進んでからは帰省するときの飛行機代を負担するのを嫌がりだした。

彼のロジックはこうだ。
「帰省して、僕に会いに来るんだったら半分だすけど、そうじゃないのなら僕がだす理由はない」
「兄(ムスコ)に会いにボストンにいく費用は半分だしてもいい」

今日本で大騒ぎしている「共同親権」や「養育費を払わない」問題を考えたら、私なぞ何に文句を言ってるのかと思うかもしれないが、日本の現状が超異常なのだ。コトの本質はそういう問題じゃない。

大学生の娘が休暇に家に帰省するというその費用を負担するのは、親の役割であるのに、ムスメが一切口をきかないし会おうとしないことを理由に払わないというそのみみっちいロジックに、私は呆れた。ムスコと比べての自分に対するムスメの態度がどうであろうと、親としての義務は左右されるものではない。が、そんなことをして痛手を被るのは彼自身だから、あっそ、と合意した。

そして。最近、ムスメに車を買うという話がでてきた。ヤツが出ていって離婚が成立する前に、当時大学二年を終えようとしていたムスコが、三年生の秋学期のco-op(職種経験プログラム。しつこいけど生協じゃなくて)で車が必要になる(かもしれない)というので SUBARU 車を購入した。まだ離婚前で費用は我が家の資産から出したので、50/50 ということになる。Ex.はバカみたいに「ムスコの車」だと主張し離婚条件の中にもそれを明記させたから、聡い私は必ずこういう問題になることを想定して「ムスメにも一台買い与える」という記述をしっかり入れさせた。

そのムスメ用の車の費用は、高校時代なら70/30で大学時代なら75/25、というのは、彼女が家をでたらChild Support(養育費)の額が減るからにほかならない。ムスコが車を引き取れば、ムスメには高校時代に一台購入。そうでなければ、大学卒業前に一台買う計画だった。

この私を、舐めるなよ。

結局、計画力は甘いけど用心深いムスコは、co-op に車は必要ないということになり(会社が Ride Share の交通費を出してくれた)、ちょうど免許をとったムスメがその車を運転することで収まった。もしもムスコがボストンに車を持っていってしまっていたら、ムスメ用にもう一台買ったはずなのである。そして SUBARU はムスコが選んでテストドライブして買った車であって、ムスメが自分用に選んだ車種ではない。ムスメが自分の車がほしいと主張することだってあり得た。が、そしたら私は3台の車を抱えることになる。そんなことを私が育てた二人の子供が母親に押しつけるはずがない。加えて、Ex.は離婚成立するまでの1年と3ヶ月もの間、NYC の駐車場は高いからと彼の車を引き取らなかったから、3台分の車庫はすでに埋まっていた。

ムスメが通う大学のあるオハイオはどうも除雪がなってないらしく、夏の終わりに車が必要だと SUBARUで7時間ひとりで運転していった際に、スリップしまくって命からがらだったから、自分用の車は違う車がいいと言い出した。

さて。これを Ex.に伝えたら。
反論してきやがった。

SUBARUのAWDは雪道に最適だとか(それは嘘ではない)、ムスコが運転しない車があるのに、ムスメがずっと高校時代から乗り回してきたその車以外に新しく車を買い与えるのはお金のムダだとか、ムスコに車が必要になったら俺が買ってやるから、君がここで 75/25 の費用を負担する必要はないとか。

違うでしょう。そこがポイントじゃない。
ムスメには自分で選んだ車を買ってもらう権利がある。離婚条件にも明記してある。私がそれを記述するように断固と主張したんだから。
それだけじゃない。就職して自立したあとのムスコに、新車を買いあたえることが彼にとって良いとでも思ってるのか。

何様だと思ってる。

数日かけて返事を書いた。A1ページ一枚ぎっしり。550単語2800字。理路整然。

「こりゃぐうの音もでないよ🤣🤣」とは、友達の言。

もしかしたら、彼との子供を欲しがっている新妻が、自分たちの子供に回るはずの資産が、彼と口もきかないムスメに使われることを阻止しようとして入れ知恵したかもよ、と言われたのだが、

「彼さ、結婚してずーっと私に頭あがらなくて、だんだん偉くなっていって痩せていって、抵抗しはじめて自滅したじゃん?だから、12歳も下の新妻には口出させないと思うんだけどね」

「コーヒー吹き出しそうになりましたが!すごい表現、言い当てすぎてる
「彼女が口出したとしたら、彼女と私の違いを思い知ればよいのだ」
「いずれにせろ、また自滅の道を進んでる気が」

本人は「自滅」したとは思っていない。そこがすでに自滅。私という「支柱」がなくなったから、正しい判断ができなくなっている。

離婚条件交渉のとき、私達はお互いに対して一切くだらない嫌がらせをしなかった。弁護士には、"You are filled with grace and class."と褒められた。
そして、離婚成立後に彼が生活費や養育費の支払いに遅れたことは一度もない。加えて3ヶ月に一度、私がムスメの養育費でカバーする以外にかかった必要経費を請求すると、その翌日には振り込まれる。

この必要経費は 75/25で負担すると決まっている。私がまず全額を払い、彼の負担分を3ヶ月に一度請求する。エクセルに日付と用途と金額、それにすべての領収証を添付し、ムスメの近況を書き送る。

別れた夫が全然払わないから、改めて弁護士を雇って同じような取り決めをし直した友人は「なんで私ばかりがそんな事務作業をしなきゃいけないのよ」と怒っているが、払ってもらいたいのならそれはあなたがやらないと、と私は思う。こっちがやるべきことをやってのみ、相手を非難し批判できる。

本人には言わないけど。

そういうあなたが娘が大学から帰省する飛行機代を一部負担するのに合意しないって、一体どうしちゃったのよ?と、私はまず最初にそこを突いた。

就職して自立してやっていく覚悟のある息子が、ほいほいと喜んで父親から新車買ってもらうとは思えないけど、と締めくくった。


Ex.からの返事はない。当たり前だ。反論できるわけがない。

そして。返事がないまま、その1週間後に3ヶ月に一度の必要経費を請求をしたら、すぐに振り込みがあった。

当たり前だ。
そして。私への振込が滞るようなことになったら、ムスコに縁を切られることも彼はわかっている。

彼が再婚しようが子供をつくろうが、私には関係ない。が、私(達)が育てた子供達、ちゃんと育った子供達の自立の妨げになるようなことをするのは、絶対に許さない。

I won't let Dad ruin how I raised you. とムスコに言ったら
No, Mom, it won't happen. と返ってきた。


Don't you fucking dare mess up my children. 

ただただ好きで書いています。書いてお金をもらうようになったら、純粋に好きで書くのとは違ってくるのでしょうか。