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オハイオ旅行。飛行場でのムスメ。

飛行機で1時間半足らず。車なら10時間。飛行場までの30分と搭乗2時間前のチェックインを考えても、飛ぶしかあるまい。

飛行場では、ムスメの神経がこれ以上ないくらい過敏になる。もう二度と会うことのない人たちの視線がどうしてそこまで気になるのか、私にはさっぱりわからない。

前日にアプリで搭乗チェックインはしてあるから、当日はスーツケースのタグを端末で印刷してカウンターで手渡せばいいだけなのだが、この端末でボーディングパスのQRコードの読み取りが恐ろしいほどうまくいかない。もちろんムスメはそばで私が四苦八苦しているのを見ていて、私のせいでうまくできないのだと思って、イライラしながら手を出す。私はもうお手上げなので彼女に任せると、同じように四苦八苦しながらなぜかある瞬間にスキャンできるからよくわからない。私じゃなくて、機械のせいなんだってば。

スーツケースをカウンターで預ける時に、パスポートを見せろと言われるが、私のスーツケースだから私のパスポートだけでいいと言われるからよくわからない。怒られる注意されることに慣れてない日本人の部分がまだ残ってるから、私は憤然とする。

そして。彼女はセキュリティでキリキリする。飛行場によって、靴は脱がなくてもいいとか脱げとか脱いだらトレイに入れろとかトレイには入れるなとか違うし、ラップトップはケースから出せとか出さなくていいとか、携帯はバックの中でもいいとか出せとか違うので、毎回私が間違えないようにとキリキリしている。セキュリティが同じことを何度も怒鳴っているのに加えて、私はムスメにも細かく指示される。

セキュリティを抜けると、ちょっとムスメはリラックスするので、ゲートに向かって私がスタスタと歩き始めると、もう急ぐ必要なんかないのに何を急いでいるんだと怒られる。前と周囲に注意を払って人にぶつからないように歩けと怒られる。ゲートに着いて座って話しかけると、声が大きすぎると怒られる。何をやっても怒られる。

そんなに怒られるようなことをしてるという自覚がないから、よくわからない。彼女といると、よくわからないことがたくさんある。笑。

アルコールでもちょっと飲んだらいい気分になってリラックスするかと思うが、絶対に飲ませてもらえない。以前酔っ払うと、子供達のほっぺたをペタペタと撫でる癖があったのをいまだに根にもっている。確かに私はすぐ酔っ払うけれど、飛行場でそんなに酔うほど飲むわけないではないか。それに一人になってからは、夜飲むことが多くなり耐久力もついてきたってのに。

それでこの前調子に乗って、Sauvignon Blancをグラスに一杯のあと、Zinfandelをボトル半分飲んだら、フラフラになってそのままベッドに潜り込んだ。ぐっすり寝たのだけれど、翌朝頭痛いし、体を起こすとうっすらと吐き気がする。もしかして、これが噂のhangover?

ムスメに痛み止めを持ってこさせて空腹に飲んだせいか、また気持ちが悪くなった。どうも飲んだ後寝る前に痛み止めを飲まなきゃいけなかったらしい。でもスコーンを焼く約束をしていたから、起きる。スコーンを焼く。焼きたてのスコーンなのに全然食べる気がしない。ムスメに促されて無理矢理食べてから、2時間寝た。起こされて、ムスメにランチ食べさせて、また1時間寝て、また起こされた。ミートボール・スパゲティとサラダの夕食作って、食べる頃には回復。

そして、夜はまた普通にいつも通りの時間に寝た。笑。

こういうのが噂の二日酔いだったのね〜。

搭乗の際。グループ毎に呼ばれるわけだが、どのタイミングで列に並ぶかで、またムスメがキリキリする。どうでもいいじゃん。もう席は予約してあるんだからというと、ミニスーツケースを入れるスペースがなくなるかもしれないとイライラしているので、彼女に任せる。

搭乗してからはしてからで、離陸着陸の時、飛行機が揺れると私の手を握り、私が眠りっぱなしだといって笑う。そんなことはない。私はKindleで読んでるうちに眠くなるのだが、首がガクッとなるからそんなに熟睡はできない。

着陸。ミニスーツケースを取り出すタイミングでまたキリキリしている。通路側の私が立ち上がったら、どうも出せと言ったらしいのだが、反応しなかったら、なんかまた呆れ顔でぶつぶつ言っている。

"I cannot do anything right!" 

と思わず隣に立ってる人に言ったら、お父さんらしき彼は奥さんを見て「ウチの娘とまるで同じ会話してるよ」と笑い出した。そのさらに隣の人もうなずいている。Teenagerの親は誰も同じ目に遭っているらしい。

飛行機を降りて、ゲートに出た瞬間に、

"I need to pee."

と言ったら、

”Please do not announce it to everyone!"

とまた怒られた。どうもみんなが私の方を見たらしい。

いいじゃん。どうせもう二度と会わない人たちなんだし、飛行機から降りたらみんなトイレに行きたくなるんだから!

私にはあんなに急いで歩く必要ないって言ったくせに、今度はBaggage Claimに向かってすごい勢いで突進していくムスメ。あれだけ早歩きできる私が小走りしなきゃいけなくなるスピードだから、よくわからない。

猪突猛進風。

よくわからないことだらけで、疲れる。

"I am looking for your suitcase. You stay here and watch our bags.”
"Once I get the suitcase, you order an Uber."

と、Uberを呼ぶタイミングまで指示されてしまう。どうも私はUberを呼ぶのが早すぎて、いつも待ち時間が必要以上に長いらしい。

空のturntableを睨んでいる。だからそんなに急ぐ必要ないんだってば。

このUberを待つ段階でも、まだ来てない車をせっかちに探す必要などないと、また怒られる。

"I can't wait to travel alone."

と抜かすムスメ。それはこっちのセリフだ。

「怒られてばっかり。早くあなたと一緒に旅行したい」と旅慣れしている某氏に言ったら、

"We will go to a lounge and drink white wine together."

と優しい返事が返ってきた。ムスメとは大違い。



ただただ好きで書いています。書いてお金をもらうようになったら、純粋に好きで書くのとは違ってくるのでしょうか。