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R-18小説投稿サイト「ノクターンノベルズ」に投稿した小説を電子書籍として同人出版した話

こんにちは、PN.九泉似亜(くずみ・にあ)と申します。
タイトルのとおりなんですが、R-18小説投稿サイト「ノクターンノベルズ」に投稿した小説を電子書籍として同人出版するなどというあんまり他に例がなさそうなことをやってみたので、経緯などをまとめて書いてみようと思います。

なお「noteクリエイター規約」に下記の文言が定められているため、

9.禁止事項
(4)アダルト、性的、わいせつ的、暴力的な表現行為、その他過度の不快感を及ぼすおそれのあるもの、およびそれらのサイトへのリンクがあるもの。
https://note.com/terms

書影や販売ページへのリンクなどは貼ってません。作品名もヤバそうなので出しません。経緯と思いを文字で書くだけです。だから深津さん許してください! なんでもしますから!

(それでも興味を持って頂いたという奇特な方がいらっしゃいましたら、私のTwitterから見てね☆)

投稿開始~完結まで

2019年の3月から「小説家になろう」で小説を書き始めたのですが、どうにも鳴かず飛ばずでして、半年ほど続けたもののあまりにも反応が無くて書き続けるのが辛くなってきていました。

そこで行き詰まって一時期まったく筆を執っていない時期があり、「どうしようかな~」と考えていて思い至りました。

エr……R-18作品はどうだろうか、と。

いわゆる官能表現の執筆経験はゼロでしたが、その……"美少女アドベンチャーゲーム"や"年齢制限のあるコミック"などには大変慣れ親しんでおりましたので、とにかくとりあえずやってみよう! と思ったのでした。2019年9月くらいのことです。

それから2ヶ月ほど書けて構想を練って書き溜めを開始し、2019年11月1日から、小説家になろうグループサイト、「ノクターンノベルズ」にて毎日投稿をはじめました。


そうしたらあれよあれよという間に閲覧数、ブックマーク数が伸びていきまして、2ヶ月で150万、3ヶ月で200万PVを突破いたしました。先に書いていた一般小説の閲覧が未だに累計7000PVくらいなのと比べると凄まじい伸びです。

最終的に日間、週間、月間(タイミングはバラバラですが)で2位までいきました。

いわゆるランクイン手法みたいなものも聞きかじりで実践はしていましたが、狙った結果というより「私の性癖と読者の求めるところがたまたま合致した」ところが要因として最も大きかったように思うので、今回は割愛します。


2020年の1月末に完結したのですが、始めて投稿したR-18作品でしたがここまで伸びるとは完全に予想外で、書いているときはすごく楽しかったですね。

連載終盤から完結後しばらくは「これは話に聞く""打診""(書籍化打診)ってやつがあるんじゃあないか!?」とドキドキしたものでしたが、結論から言うと……

来ませんでした。

いいもん自分でだすもん

世の中そんなに甘くはないか……と思う反面、「なんかもったいないなあ」という気持ちもありました。

小説作品はただ読むだけでも時間的コストがかかるせいか、「持ち込み」というのはほっとんど受け付けていません。特にライトノベル、しかもR-18ともなれば尚更です(私は見つけられませんでした)。

ゆえに、いつか声がかかるかも……と待つか、別の作品で再チャレンジするというのが完結後の行動では定石じゃないかと思います。

でも私は、せっかく完結まで書いたのにあるかどうかもわからない打診を待って塩漬けにしちゃうのはもったいないなあと思ったのでした。

どうしようかと思い悩んで出た結論が「じゃあ、自分で本にしよう」でした。


もちろん葛藤はありました。

個人が自分で出したところで売上なんてろくにないだろうな。単なる自己満にしかならないだろう。

それに自力で動いちゃうことでこの作品どころか「勝手なことをするやつ」というイメージがついて敬遠され今後の可能性の芽さえも摘んでしまうんじゃないか?

と、プラスにならないどころか、総合的にみてマイナスにすらなる可能性もあるのです。

でも……出しちゃいました♡ だってそのほうが楽しそうだったので!


noteと連携している私のTwitterアカウントはもともと、仮想通貨ジャンルに特化したブログを2016年に開始したときに作ったものでした。

その後、好きな漫画や映画のことを好きなように書く雑記ブログの開始や、小説家になろうでの活動開始、ノクターンノベルズでのR-18作品に挑戦など、すべての行動原理が「なんか楽しそう」というものだったのです。

電子同人の経験からEPUBファイルの仕様にそこそこ知識があったことも後押ししました。手元に手段があるにもかかわらず、「なんか楽しそう」を我慢することはできませんでした。

制作からセルフパブリッシングまで

出版に至るまでにやったことを簡単に書いていきます。

・本文の追加

完結時点で16.5万字くらいだったんですが、20万字になるまで文章を追加しました。


・本文の校正

これが一番しんどかったんですが、全文を五回くらい見直して誤字チェックと表現の調整、縦書きにしたときのバランス調整などを延々と行いました。
ひとりでやってるのでどうしてもミスはあると思いますが、WEB版をそのままコピペしたものよりは随分マシにはなったんじゃないかと思います。


・イラスト、タイトルロゴの発注

「どうせならできるだけクオリティを上げたい」と思い、クラウドソーシングサイトを利用して表紙&挿絵とタイトルロゴをそれぞれ有料で依頼しました。

トータルでウン……円※かけました。

(※別に隠すつもりではないのですが、イラストレータさんやデザイナーさんとのクローズドなやり取りでお見積をもらって決まった額なので、マナー的に公開していい情報なのか判断しかねるところがあるのでやめておきます。どうしても知りたい方はコッソリ聞いてくれたら教えます)

正直この時点で制作費をペイすることが絶望的になってるんですけども、制作費をケチって妥協してコレジャナイ感を抱きながら出すよりも、「ここまでやった! あとは天命を待つ!」って思ったほうがスッキリするかなと。

それと「個人でもこの見栄えで電子書籍が出せるんだ」ってことをどこかの誰かに伝えられたらとも思います。

・出版先の選定

小説の電子書籍のデータ形式には、大きく分けて「リフロー型」と「FIX型(固定レイアウト)」の二種類があります。

簡単に説明すると、多くのWEBサイトのように、文字サイズや配置が画面や設定に応じて変化するのがリフロー型、印刷された紙のようにページごとのレイアウトが変わらないのがFIX型となります。

電子コミックの閲覧時にはこの差は大きな影響はありませんが、小説の場合はかなりクリティカルな問題となります。

どちらも拡大縮小は可能ですが、FIX型の場合はあくまで「ページ単位」なんですよね。
「ちょっと文字が小さ/大きすぎるなあ」というときに「1ページあたりの文字数」を調整できるのがリフロー型の強みで、端末や画面サイズごとに合わせた設定ができるリフロー型は小説作品の電子書籍としては必須と言っても過言ではないと思います(個人の感想です)。

さてそこで問題が……

アダルトならFANZAだぜ! メロンブックスだぜ! とらのあなだぜ! ぜんぶ電子書籍を個人が販売できる窓口を用意してくれてるぜ!」と鼻息荒く登録したのですが、これらの書店で電子書籍データとして登録できるのはFIX型だけだったんですよね。

要はアダルト電子書籍=アダルトコミックということで、小説作品は想定されていないんじゃないかと。


そこで「アダルト作品が出版可能」かつ「リフロー型のデータで納品」できる電子書店ということで結局Amazon(Kindle)とBOOK☆WALKERで出すことにしました。
いちおうFIX型データとしてPDF版も作ったのですが、ちょっと様子見かなと販売は保留にしています。


そして出版へ

前項で出来上がったデータをガッチャンコしてEPUB(EPUB3)という電子書籍データの規格に変換し、書店へと納品します。

あとは審査を通過すれば販売開始です。
予約販売も設定でき、私の場合4/25(土)にKindleで、4/26(日)にBOOK☆WALKERで発売いたします。やったね!

とまあなにが言いたいのかわからない文章になっちゃいましたが、書くことを思い至ってからそれを自分で出そうというのにこんな感じの経緯があり、またこんなことをするんだよ~というのを雑にまとめてみました。

おかしな事例として「こんな変なやつもいるんだなあ」くらいに思ってくれれば嬉しいです。


さいごに、一般/アダルト問わず自力で電子書籍を出したい! という方は簡単なものであればご相談に乗らせていただきますのでお気軽にご連絡ください。この記事のコメントでもOKです。

ではでは~。

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