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今日は世界気象の日

肺胞村にはいつも風が吹いている。恨めしい感情をあらわにした女のすすり泣きのような風が吹いている。その声を聞くたびに米子は身を縮めた。




 米子

あの~、ここ、風が吹いて寒いんですけど〜、アタシのお肌によくない環境かも…

今年の世界気象機関と、米子のお肌テーマは「早めの警戒、早めの行動」だからなんとかならない?この風…


じゃたら、とっとと帰ったらよかろう、ワシラにとってはアンタ、

ご縁のない誤嚥の元凶、疫病神、怨敵退散じゃ!!ゲホッ、ゲホッ…

それにここは国の関所。うんにゃ、生命線。ワシラが空気の見張り、風守りをしているからこそ、

主、ずんぐりむっくり殿も健やかに過ごす事が出来ると言うもの。ゴホゴホ…


 

米子

エッ〜、ずんぐりむっくりのヤツ、生きてたの?憎まれっ子世に憚るだわぁ〜。

ねぇ、ねぇ、それにしてもさっきからゴホゴホしちゃって、もしやの流行り病?嫌だわよぅ!!




ああ、これはなんでもない。主、ずんぐりむっくり殿が長年、タバコを吸っていなさるので、

非力な婆は煙りにやられてしまっただけ。お〜お〜、情けない、情けない…ゲホゲホ…お勤めもままならず、巡視員にも見捨てられたんじゃ…


 

米子

うわッ〜、助けなければ良かった。ずんぐりむっくり、心筋梗塞の発作起こしてなお、タバコ止めてないなんて…税金泥棒!!

それにしても、巡視?警察かなんかの見回り?毎日なんで?


 

アンタは随分とノンビリした所で生きてきたんじゃな。ここは外界と近いから、いつ、なんどき、敵が侵入してきてもおかしくない!!

じゃから、常勤のマックロファージ巡査と転勤族の樹状巡査部長が毎日、異常はないか?侵入者はいないか?

房々を警備しているハズだが、婆の房は臭いと言って寄らなくなった…ゼコゼコ…




米子

むぅ〜、これもそれも全部、タバコよ!!ずんぐりむっくりのヤツ、ただじゃ置かないわ!!


アンタ、さっきからずんぐりむっくり殿の事を悪しざまに言っているけれど、

ソレは主、ずんぐりむっくり殿の肺胞村では重罪。それくらいはバカでも分かりそうなことじゃが…

アンタ、サッサと、出て行ってくれ。ゴホゴホゴホッ〜。




米子

アタシだって、こんなに風の吹くところは真っ平だけど、

帰り方が分かんな〜い!!勉強しとけば良かった〜。

つづく



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