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今日は夫婦の日

 川柳会の帰り道、烏丸と歩いているトロロ。烏丸が言いにくそうに


トロロさん、念子さん、腰の調子が悪いそうですね?


と、言った。


念子ならお気に入りの新聞屋と毎日、十万歩歩いても痛いの痒いの言った試しがない。むしろ、新聞屋がまだ若いのに不甲斐ないと罵詈雑言。


この人は何を言っているのか?と、思った。


トロロが小さな目をパチクリしていると烏丸は少し苛立って、


あの、強気な念子さんが私に打ち明けてくれましたよ。トロロさんは外では穏やかなお人柄だけれども、


お家では念子さんのお手伝いをなんにもせず、腰が痛いと言ったら、立っているんだから骨が折れているワケじゃないだろう?と、


言って夕飯の支度をさせたそうじゃありませんか、私はあなたと言う人を見損ないました

と、怒りをあらわにした。


それは全て逆さまな話で、トロロが念子に言われたことだ。念子は自分がささやかな友情や楽しみを見つけた事が、妬ましく、烏丸に嘘をついているのだと分かった。


トロロは力なく、


烏丸さん、家の念子は「妻」ではありません、妻ははし妻、端っこという意味だし、愚妻は、愚かな妻という意味だし、


家内はうちの中という意味ですからそれらの言葉を使ったら…あぁぁぁ、想像するだけで恐ろしい。


家の念子はね、かみさんなんです。神さんなんです、神様は永遠に生きるのです。その点、私はただのモノですから寿命が来るまで耐えるだけ、


そう思うと、不平不満と妬み心で永遠に生きる念子が憐れにも思います。


と言って俯いた。


烏丸は念子が嘘をついたのだと察した。そして、それでも尚、念子の身をあんじている友だと分かって嬉しくなった。


烏丸は


永遠は輪廻転生でもありますから、また、トロロさんは念子さんと出会えますよと、勇気付けた。


トロロは絶望して心臓発作を起こした。


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