今日はシルクロードの日
登場モノ
素麺:素麺の妖精
ブログスタンプ愛読者の皆様は「モノには変えられぬ定めがある」と言ったら、もう耳タコだと思われるでしょうが、私は今日、私のご先祖様の話を知りまして、ああ、何も変わっちゃいない、おんなじだとしみじみしました。
私のご先祖様の話は今から1300年前最古の歴史書「古事記」に書かれました。ご先祖様は当時、索餅(さくべい)と言われていましたが、私どもはシルクロードを経てこちらに参ったのです。はいはい、ピザさんとか、パスタさんは親戚筋ですね。
ご先祖様、昔は高価とされていました。まだ、多くの人々は稗や粟を食べていた時代に米粉で作った麺ですから、そりゃあ、貴重でした。ですからあるモノと言っても身分の高いモノが、お客さんをお迎えするためにご先祖様を選んだのです。
ご先祖様は立派に務めを果たし、モノたちのおなかを満腹にしました。そこで余ってしまう、これが最初の定め。1300年経ってもその辺の事情は変わりません。私も今、お話しているのはストッカーの中ですから。
今では安物扱いの私たちですが、ご先祖様たちは高価だったから忘れられてプライドが気傷ついたでしょうね。でも、忘れられる定めなんです。しかし貴重品だったご先祖様は薬にもなると言われていました。
忘れられて一年がたったある日、その家の妻が病気になって、そこで、そう言えば、索餅がいたなと思い出されました。ようやくとストッカーからご先祖様は解放されました。けれども、精霊の力でご先祖様は緑色の蛇に変身して逃げ出したそうです。
私はかれこれ、10年はこうしてストッカーで忘れられていますけれど、自分が蛇になることはないと思っています。そこはそれ、1300年も時代が進んだので、今や霊的存在は死滅しかかっていますね。
私はもうじき、緑の黴に変身するでしょう。そうしてこの孤独な暗闇から自由になるのです。
余って、保存され、忘れられる、それは私たちそうめん族の悲しい定め。