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詩 茅空(カックウ)のことを考えている

カックウ 呆けた顔 悪の存在を知らない顔 悪意を未だ知らない顔
生まれたての赤子のような お腹いっぱいのヨトウムシのような 
呆けたような顔 カックウのことを考えると 自然と顔がにやけてしまう
考えてにやにやしてしまう ひょっとして太古の昔には
(といっても数千年のはなし) 悪意なんて存在しなかったのかな?
でも案外真実かもしれない いや絶対そうに違いない
元々存在しなかったはずの悪意に晒されて 
恐怖に怯える哀れで愚かな現代の人びと
カックウはそんな僕たちを気の毒に思って
出てきてくれたのかもしれない
前室の愛らしい子供の足型の土版のことも思い浮かべて
そんなことを考えているとなんとも愉しい気分
今度また行ったときには あの呆けた顔で
本当の本当の歴史を僕たちに 話してくれたら愉快だな










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