インサイドセールスで継続的に成果を出し続ける方法
現在、YOUTRUSTで新プランの立ち上げリーダーを担当する竹中です。
非常に大きなテーマで記載を開始しましたが、今回はインサイドセールスで継続的に成果を創出するために私自身が実際に取り組んでいた具体的な考え方や手法についてまとめてみたいと思います。
有難いことにおかげ様で、インサイドセールスに異動してから10ヶ月間毎月目標の達成を継続することができました。
アウトバウンドやホットリードの対応、イベントやセミナーなど幅広いリードソースを担当し、毎月の目標の数字も決して安易な水準ではありませんでしたがなんとか継続的な達成を実現することができました。
4月から異動となり自分自身の節目における振り返りのため、またせっかくならば密度の濃い学びを誰かにも還元したいと思い、noteとしてまとめることにしました。
そもそも本noteでは、チームで動くインサイドセールスでの個人目標の達成方法を想定しています。
そのため、チームの観点となると別の考え方や手法も必要になると思いますが、今回は個人の目標達成にフォーカスした内容としてまとめてみます。
また、目標というと各社様々かと思います。有効商談数や受注金額等に目標に据える場合もあるが、目標の核にあるのはあくまでFSに供給をする商談だと考えているので、今回は商談数を基軸に話を進めたいです。
(いつか他の観点でもnoteにまとめてみたい。)
まずは最初に議論の土台を整えるためにいくつかの概念と言葉を揃えておきますので丁寧に読んでいただける方は最初から。ノウハウだけ教えんかい!という方は目次を活用して具体的なノウハウまでスキップしてください。
最初は考え方や土台を説明し、次に具体的なノウハウを紹介する流れとする。
前提となる概念や言葉の整理について
A. 目標と現状、差分、着予の構造
大前提として頭に常に置いていた構造はこちらでした。
インサイドセールスには基本的に目標数値が割り振られることになります。その目標の達成に向けて、個々人が様々な手法で達成に向けて実践をされていると思います。
しかしあえて断言しますが、その目標数値と現状の実績の差分をウォッチしても最良の打ち手は得られません。
より重要なのは、「残り営業日で既存の取り組みを続けていけば実績がどこに着地するのか?」という視点だと思っています。
つまり、残り営業日で追加何件の実績を積み上げることができるのか(=図の見込み)という視点です。
商談数を目標に置くのであれば、仮に残り8営業日として現状の実績のまま月末を迎えるということはまずないと思います。雑に考えるならばこれまでの営業日の中で1日1件の獲得ペースであれば、「見込み」として+8件現状実績に「+」されることになる。
この「現状実績」に「獲得見込み」を足した数字を「着予」と表現します。
そして目標と着予の差分に着目することで
予想する「見込み」を確実に達成すること
差分を埋める新しい打ち手を出すこと
とより精度高く、目標の達成に向けた行動を起こしていくことができるわけです。
B. 商談数の要素分解
インサイドセールスは一般的にはご発注件数(=受注件数)や有効商談数、獲得商談数あたりに目標が置かれることが多い。(もちろん金額の場合もある)
では、上位の目標であるご発注件数を要素分解してみたい。
となる。インサイドセールスが供給した商談のうち、有効的な商談が何件だったのか、そしてその内、何件の受注を創出することができたのかを掛け算するとご発注件数が算出されるわけです。
では、その「商談数」を2つの観点で要素分解してみたい。
パターン①:慣れないうちはこちらの要素分解が分かりやすく、コントロールがしやすい。
用途想定:1日あたりのアプローチ量のベースを決定し、管理する場合。
パターン②:複数のリードソースの対応を行う場合や大きな目標を追いかける場合はこちらが課題発見に繋げやすい。
用途想定:最適なリストを発見したい場合。複数のチャネルを担当する場合の優先順位管理
※言葉の定義
このように、かなり具体的なレベルまで要素分解をすることが可能となる。
①で出したように差分となる商談数を埋める場合に、どんなレバーを動かすことが商談数に影響するのか?という視点を持って分析とプランニングを行うことは非常に重要だと考えています。
C. 目標を達成するプランを立てる
目標を達成するプランを立てるとは、
「目標と着予の差分をどうやって埋めるのか?」に答えを出すことだと考えています。
着予が目標を超えるまで打ち手の考案や数字の分析、そして愚直な行動をして既存の打ち手のアップデートと新しい打ち手の考案をする必要がある。
逆に、極端な言い方をすれば着予が目標を超えていないにも関わらず、効率の悪いアクションを実施し続けるだけになってしまうと、現状+見込み程度の着地となり、必ず目標を達成することはできないわけです。
つまり、着予が目標を超えるまで打ち手を模索し続けることがプランニングであると考えています。
D. 短いスパンで差分を確認し、打ち手をアップデートする
インサイドセールスはたった1日という短いスパンで現状実績の進捗が変わるため、欲を出すならば毎日目標と着予の差分を確認して打ち手をアップデートすることが望ましい。
ただ、現実的なラインとして「週次」でのプランニングはMustにしたい。
1週間の単位で目標と着予の差分を確認し、必要な打ち手を考案し毎日のアクションに落とし込み実行していく。また日報などの単位でその進捗を観測できる体制があると尚望ましい。
E. とはいえ、愚直に行動を起こすことが最優先
インサイドセールスにおける商談数は突き詰めれば「アクションの量×獲得率」なので、単純なアクションの量が結果に対して最も大きなレバーになることが多い。
例えば、①〜④のプランニングに毎日2時間を要するのであれば、必要なアプローチ量に対して未達を起こし本末転倒な結果を迎えてしまうことになる。
そのため何よりも大前提に置くべきなのはアプローチ量を担保できること。ただし、そのアクションの向かう先やそのアクション自体の効率という観点に立つと目の前のアクションが変わることもあるという話であるため、インサイドセールスの基本方針は「足を止めずに頭を使う」であり、高度な戦い方が求められる役職だと思っています。
それでは本題に移りたいと思います。
継続的に成果を出すために実際に取り組んでいたこと7選
①シンプルに勉強をする
まずはここです。
「インサイドセールスとは?」「なぜ商談を創出する役割を担うのか?」「マーケやFSとはどんな連動を起こしていくべきなのか?」「どうやって効率的に商談を創出していくのか」などインサイドセールスにおける全体感をまずは掴む必要があると考えています。
現場の目標を達成することは非常に重要ですが、その目標の構造や背景を掴むことができるようにならないと成果に対しても非効率になってしまったり、ゆくゆくのキャリアアップも遠ざかってしまうと思います。
竹中のTwitterにて下記のようにインサイドセールスのキャッチアップにつながった本当に素敵な書籍たちを紹介しております。
インサイドセールスの前後の工程の理解、全体→具体と比較的キャッチアップしやすく並んでいるかと思うのでぜひご確認ください。
②月末の目標期日より1週間早く目標を達成するプランを組む
一言でまとめるならば「目標期日である月末より1週間前倒しで目標に対する実績進捗を100%」にするためにプランニングを行い、実際にアクションをしていました。
これがシンプルに強力で、
最初にアクションを積み上げておくことで後半に打ち手を絞りやすい
早期に目標進捗が高くなりモチベーションを保ちやすい
最後の1週間が仮に未達であってもバッファ的に活用できる
他チームやメンバーのカバーに動くことができる
High達成ができる
来月の準備を行うことができる
など、かなり効果が大きい動き方ができていました。1週間前倒しで達成するなんてシンプルに難しい目標となるため、今まで以上に緻密な計画、圧倒的な行動量が必要となります。(前半に負担は偏るので気合を入れないと行けませんが笑)
ちなみにこれが成功した時はすごく気持ちが良くテンションが高くなります笑
難易度の高い目標に対して具体的に要素分解をして、達成のためのプランを組み立てるわけですから、戦略的思考力を養うことにもつながっていました。
③まずはアプローチ量を担保するための仕組みや改善に注力をする
基本的に商談数の目標は「アプローチ量」×「獲得率」となる構造が土台となります。そのため商談数を伸ばすためには、基本的にはどちらかの数字を伸ばす必要があるわけです。
「獲得率」についてはトーク内容や細かいアプローチの改善などまぁ奥が深い…
インサイドセールスが専門職と呼ばれる所以の1つが、この獲得率の向上の奥深さにあると思っています。
最初のうちはコントロールのしやすいアプローチ量を向上させることに重点を置くべきだと考えています。改善難易度の低さと想定インパクトの大きさの観点で最も商談数に影響を起こしやすいレバーだからです。
参考程度ですが、アプローチ量を伸ばすためには
・午前午後の使い方に緩急をつける
・電話やメールなど作業の特性が異なるアプローチは分けてスッキリ化
・ショートカットや業務効率化ツール(Clipyなど)の活用
・メールテンプレートの活用
・モニターの活用
・無駄なMTGの削減
・8割は気合
・チームメンバーと一緒に追い込む時間を確保する
など幅広く打ち手や改善できる箇所はあるかと思います。
1時間あたりのアプローチ量をハイパフォーマーと比較して、まずはその水準を担保できるように業務の効率化、無駄の削減を実施していきましょう!
④商談数から要素分解した数字を全て漏れなく記録をする
Bで紹介した通り、商談数から要素分解した数字については慣れないうちは "全て漏れなく" 記録をしていきましょう。
もちろん「Salesforceで自動化して〜」「営業管理ツールを導入して〜」という打ち手が効率的であり、有効的であることは間違いありません。しかし、そんな贅沢なことを言って先延ばしにするくらいならばまずは手動でもアナログでも手段に捉われずに記録を開始しましょう。
アプローチ→商談獲得率を追いかける人は多いですが、この数字はマーケ目標の達成率やインサイドセールスでのアプローチ可能率にも着眼しないと着予を大きく外す結末を迎えることになります。
具体的な事例をご紹介します。
NG例:リードソース「セミナー」のマーケ目標が100件で、セミナー経由の商談獲得率20%だから、商談は20件獲得できるだろう!
改めて構造を整理しますが、
商談獲得数
=マーケ目標×マーケ目標達成率×自分への配分率×アプローチ可能率×獲得率
なわけです。
つまり、下記のような事態を招いてしまうわけです。
マーケ目標がビハインドした場合
マーケが有効リード目標を100件で想定していたが、着地が達成率50%の50件だとどうでしょう。セミナー企画までの工数や広告を回す予算の調整、結果が出るまでのリードタイムを加味すると当月で達成率をカバーする打ち手を出すことは相当な難易度となります。
単純計算に沿うと、100件のリード数で20件の商談獲得を見込んでいた場合、50件のリード数になった時点で10件分もビハインドが発生することになります。
配分されたリードが諸条件でアプローチできない場合
※各社の配分状態や有効の定義にもよります。
「直近他メンバーがアプローチをしているリードだった」「マーケの有効カウントがインサイドセールスの定義とズレている」「ちょうど現在商談中だ」「現在契約中だ」…と配分されたリードに対して100%アプローチが可能である場合は意外に少ないのではないでしょうか。
仮に50件の配分があっても有効的にアプローチできた件数が20件の場合、獲得率20%だとすると4件の獲得に着地してしまいます。
当初の目標からみると16件のビハインド
そもそもリードが配分されてから考えようという楽観さんの場合
上記のような状態が発覚してから、他の手段でカバーすることは現実的ではありません。
上記の例であれば、獲得率100%であればなんとかなるかもしれませんが、20%→100%にできるならば既に皆さん試しているでしょう。
またイベント/展示会リードや問い合わせリードなど、他のリードソースでカバーをすることも難しいです。16件分の商談創出できるリードソースは他にはなかなか存在しないでしょうし、それをカバーするにはマーケとの連携が必要ですが、当月にヒットする施策を実行することは難しいです。
このように商談数から要素分解した各領域やファネルの数字を意識したプランニングや行動改善を起こしていかないと中盤でカバーすることは限りなく不可能に近いわけです。
このように各数字を記録しておくことは、できる限り正確に目標のプランニングを行うことや想定が外れた際ののカバーをできる限り早急に実施することにつながってくるわけです。
⑤新規アプローチと既存アプローチの比率を意識したアプローチを行う
ここでいう各言葉は下記のような意味で使用しています。
このそれぞれのアプローチを別々に管理することの意義は、目標に対して効率的なアプローチに集中をする目安になるということです。
商談獲得数をゴールに置いた時に、すごくシンプルに
A. 既存リストに獲得見込みの高いリードがあり、差分を埋める十分数が存在する場合
既存リスト内で獲得率を上げることに注力する(メールカスタマイズなど)
B. 既存リストに獲得見込みの高いリードが少なく、差分を埋めることが難しい場合
新規アプローチに注力をする(リスト作成/アプローチ量の向上)
とアクションの比率を変化させることが重要となります。
このように新規と既存のリマインドアクションの比率を意識することは非常に重要なことであると考えています。
既存のリストに商談獲得見込みが高い案件が多い場合は、既存リストの中で確実に商談獲得をする戦術に力を入れる動き方の比率を増やすことが最適な動き方になります。
粘り強くお相手に寄り添った提案を続ける
現在の連絡方法以外の連絡方法を模索する(知り合いが社内にいないか?など)
現在の連絡相手が関心を持っていそうなテーマに仮説を設定してみる
連絡相手以外の別の方へのアプローチも検討をする
メールをカスタマイズして、反応率を高める などなど
このように新規アプローチと既存アプローチの比率は常に念頭に置いておきましょう。
⑥獲得期待値の高いリストやリードソースを優先的にフォローすること
これは「単位時間あたりの商談獲得見込み」という概念についての話です。インサイドセールスが担当するリストやリードソースは種別によってアプローチにかかる工数や獲得率は大きく異なります。(展示会リードと比較するとホットリードは数十ポイント獲得率に差が出るよね。みたいな話)
すごくシンプルに言えば、特定のリストに1時間アプローチをすることで何件の商談創出ができますか?その高低によって優先的にフォローするアプローチ先を決めましょう!という話です。
雑な具体例を出しますが、
A. 1時間で10件のアプローチができる。このリスト経由の過去獲得率実績は2%(=1時間あたりの商談獲得見込みは「0.2件」)
B. 1時間で5件のアプローチができる。このリスト経由の過去獲得率実績は30%(=1時間あたりの商談獲得見込みは「1.5件」)
この場合はBに注力をしたいという話になります。大袈裟に数字を記載したので明らかですが、1時間あたりの商談獲得見込みの数ポイントの差分は営業日の単位で見ると無視できない有意な差として現れてくるわけです。
そのため、1時間あたりにアプローチできる効率が良い or 獲得率が良いリストやリードソースに優先的に時間を投下していきましょう。
⑦毎日 「日報」で振り返りをすること
Dにも記載した話なのですが、インサイドセールスはとにかく1日単位の日報にこだわるべきであると考えています!間違いなくここだけは譲れません笑
実際の竹中のフォーマットも公開します。
特徴的だなと思っていたことで行くと
・日時進捗を必ず振り返っていること
・着予も記載することで目標との差分に向けて具体的な戦術も毎日試行錯誤
・数字以外の振り返りもGood/Mottoで実施
かなと思います。
10ヶ月間、毎日このような日報を提出し続けてなんとか達成につなげていました。ビハインドが発生しそうというアラートは日次単位で立てることができるので、早期に対策ができたり誰かに相談ができるというメリットが非常に有効だったなと思います。
以上が実際に目標の達成に向けて取り組んでいたことでした。
もちろんこれ以外にも
できる人やできている人に時間をもらって学びに行く
メールのテンプレートは日々アップデートする(カスタマイズ文章をたくさん作成する)
ウルトラC的な施策も試してみる(facebook/Twitterで呟いてみるとか役員に紹介できる企業様を確認していただくなど)
フィールドセールスの商談同席をして、価値訴求のアップデートをする
他の人の日報にも目を通し、参考になる実績や事例については即実践する
アプローチチャネルやアプローチ者を最適な形でアレンジをして、常に最適だと思われるアプローチ方法を選択する
アプローチ効率を上げるためにSalesforceのオペレーションを整える
などなど本当に多種多様な打ち手を実践していました。
インサイドセールスはインテリジェンスが重要であるとよく言われますが、まずはアプローチの量やその徹底だとは思っています。ただし継続的に目標を達成するならば上記に掲げていたような頭を使って新しいチャレンジをする動き方が必要になると思います。
本noteが新しくインサイドセールスにチャレンジされる方やインサイドセールスでより高い成果をあげたい方の参考になれば幸いです。
もしここに記載している情報以上に気になることなどあれば気軽にご連絡ください。
YOUTRUSTはいつでもインサイドセールスのメンバーを探しているので、こちらもご関心等ございましたら気軽にご連絡ください。
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