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「料理好き」という属性を「いい女アピール」に変換する人

めずらしく怒っている。

Twitterでフォローしている女性が、「わたし料理好きだし得意だけど、【素敵な女性に見られたい・モテたいアピール】に捉えられることが多いから言いづらいんだよね」と呟いていたのを見てからだ。

まあ、背景や文脈を全て説明することができない、Twitterの呟きひとつで怒るなんてバカバカしいとは思う。

でも自分もそれと似たような経験があったので、こういう風に捉える人間がいることを理解できてしまう。し、そういう人間の存在は無性に腹立たしい。

なぜ自分がこんなに怒っているのか、言語化しておきたい。

大前提、人の嗜好の背景を勝手に決めつけるでない

「料理好き」とひと口に言っても、なぜ料理が好きなのかを問えば

「自分好みの味付けのものを作れるから」
「調理していると無心になれて気持ちが落ち着くから」
「盛り付けや食べ合わせを考えるのが楽しいから」など、その理由は千差万別だと思う。

それを聞かずして「料理好き=いい女アピールしたくて言ってるんでしょ」と決めつけるのは、あまりに想像力が欠如しているのではないか。

もはやこれは料理云々の話ではなく、他者の嗜好について自分の尺度で決めつけるのはやめましょーね!というレベルの話だ。

自分の趣味を「モテアピール」と言われたら誰でも悲しいと思う。料理に関してはこういう悲劇が起こりがちだ。

いやまあ実際、モテアピールに料理を使っている人はいるよ。私は料理が好きだから、入り口がなんであれ料理を楽しいと思う人が増えたら嬉しい。だからそういう人についてはなんとも思わない。

ただ、料理が好きな理由も料理をする目的も千差万別なのだから、「料理好き=モテアピール」という図式に勝手に当て込む人には憤ってしまう。

「料理=女のモテ手段」という価値観、古くない…?

あくまで私の考えだが、料理はまず「生活のすべ」だと思っている。今の世の中、コンビニや外食もたくさんあるから極論料理しなくたって生きていける。

しかしながら少なとも日本においては外食はお金がかかるし、塩分や脂質の摂りすぎになりかねない。こどもができたら外食ばかりという訳にもいかない。

よほどのお金持ちをのぞいて、大抵の人間は人生のどこかのタイミングで料理をする必要が出てくる。

料理は大前提として生活のすべであり、自分や家族の面倒をみる行為に過ぎないのだ。そして共働きがスタンダードな今、それは女性だけが求められるスキルではない。

実際にするかしないかは置いておいて、そのスキルは性別関係なく「あるに越したことはない」ものだ。

それを自立した大人が「女性のモテアピールの手段」と捉えていることに気持ち悪さを感じる。

料理=モテアピールと捉える人間がもし女性なら、それは自分の首を絞めているからやめた方がいい。

※前述の、料理をモテアピールに使っている人にはなんとも思わない、という発言と矛盾している気がするな…

※料理は生活のすべであるが、だから「誰でもできて当たり前」「毎日できて当たり前」という話ではない。毎日料理をしている人は本当に尊敬に値するしエライ。

女性が「料理好き」と言ったらモテアピールと捉える人は、男性が「日曜大工やDIYが趣味」と言ったら「モテの手段」「いい男と見られたいアピール」と捉えるのかしら?

そろそろ、料理を花嫁修行とうたってきた時代の遺物的価値観から脱却したい。

料理は男女問わずできるに越したことはない。

さらに「男女ともにできて当たり前」という思考ではなく、

料理が得意な女も料理が得意な男も料理が苦手な女も料理が苦手な男もいるのは当然で、それは性差ではなく個体差だよね、という価値観でいたい。

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