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質問が苦手な人の営業戦術

営業では質問が重要。
このように言われて随分と時は経ちます。

ではこの「質問」に対して苦手意識を持つ人は営業では大成しないのでしょうか?
わたしは「そんなことない」と考えます。
勿論、質問できないよりは出来た方がずっと良いです。

前置きはこの辺にして、このnoteでは質問が苦手な人が、どうやってお客様に課題設定(解決しなければいけない取り組み)を実現し成果を出せるのか?その方法を考えていきましょう。
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質問力<話しやすい相手

質問力を高めるよりも、話しやすい相手と商談できれば、質問に対する苦手意識は出てこないのではないでしょうか?

慣れしたしんだ知人に質問の仕方で悩むことは少ない筈です。

実は質問が苦手というより、年上や偉い人との対話が苦手という人が沢山います。
また高圧的な態度を取られると頭が真っ白になったり、「課題を見つけなきゃ」と自分よがりになると質問は行き場を見失います。

そんな状態の中、質問力を高めるトレーニングをしても中々改善するのは難しいし時間が掛かります。

そこで今日ご紹介したい対応方法は、質問力を高めるのではなく「どうやって話しやすい商談相手をつくるか」に焦点をあてていきます。

対策するのは商談アプローチ


そこで見直したいのが、アプローチ(関係構築)の商談プロセスです。

一般的に商談プロセスは

・商談準備
・アプローチ(関係構築/会社説明)
・ヒアリング
・プレゼンテーション
・クロージング
※CEREBRIXではもっと細かくわけています

こような塊でプロセスの細分化していることが多いでしょう。

アプローチとは、まさに初回商談の導入部分を指します。この最初の接点で、お客様から営業に対して興味と信用を抱いていただくことに成功すれば、対話は柔らかく滑らかになるわけです。

無意味な雑談をやめよ


アプローチは心理的な壁を取り除くことから始めます。これは決して天気の話や関係のない雑談をしてほしいということではありません。

むしろその逆です。

無意味な雑談・話題はむしろ巨大な氷を作ります。特にBtoBの商談においては、プライベートな話題をアイスブレイクのネタに取り入れるのは御法度だ。取り上げるのは、お客様が思わず話したくなる、ビジネスにおける関心毎を話題として取り上げるのが望ましい。

面談者のSNS、会社のニュースリリース、ライバルのニュースなどを徹底的に調べましょう。
お客様を取り巻く環境に、お客様が話題にしたい関心毎がある筈です。

こうした、核心をつく最初の関係構築を戦略的アイスブレイクと呼んでいます。

こちらのアイスブレイクについて、更に情報が欲しい人は、ダイヤモンドで寄稿してYahooニュースにも取り上げられている記事があります。
是非ご覧になってください。


また、購買者1000名に調査した「されたい」営業でも、お客様が求めるアイスブレイクのあり方が伺えます。ぜひ手に取っていただきたい。

※Amazonでの書評もお待ちしてます!


見所で心を掴む


次はハイライトの提示(見どころの紹介)です。

私達は日常的にTVやYouTubeなどで導入の『見出し』を見て心ときめき集中力を保つ。商談も魅力的な表現で『今日、私の話を聞くと、貴方の会社にどんな価値を提供できるのか』相手の心を掴みましょう。

ポイントは3つ

結論から
端的に
相手にとってのメリットで
セレブリックス 顧客開拓メソッド™️より

文字にすると簡単な表現ではあります。
簡単ではあるが、出来てる人なんて殆どいません。

思わずお客様が前のめりになって聞きたくなるような、インパクトアプローチを手掛けましょう。
ここでのゴールはお客様に聴く耳を持って貰うことです。


目次の説明は「想いやり」

心を掴んだ上で商談の目次(アジェンダ)を示します。今日、どんな流れで話が展開されるのか?どんな手順で質問があるのか、お客様にとっての『心の準備時間』の余白を用意するのです。

トーク展開のイメージは次の通りです。


商談の流れですが、まず最初に5分程度で弊社の概要や特徴をご紹介させてください。

続いて、御社にとってお役にたてる提案ができるかどうか、ディスカッションのお時間をいただきたいです。ここでは、御社のご状況や○○様のミッションなどを確認させてください。

お役に立てそうであれば、その上でご提案のお時間をいただければ幸いです。

本日はこのような進め方で宜しいでしょうか?
セレブリックス 顧客開拓メソッド™️より

ざっくりとこのようなイメージです。


相手はいつ終わるかわからない会社紹介を聞いていると不安やストレスが溜まるものです。
上記のように大枠の流れの合意を得ることで、この後の会社紹介を集中してもらう効果も期待できます。


会社紹介では説明するな


いよいよ会社紹介です。
まずハッキリと伝えておきますが、多くのお客様は『説明』なんて聞きたくないのです。

購入検討中の問合せがあった商談であれば別だがですが、営業側がプッシュで設定したアウトバウンドの初回訪問では、営業からの長い『説明』を聞きたいという人は稀です。

恐らく皆さんも、初対面の人から自分語りを永遠に聞いてるのは苦痛ですよね?
しかし、営業ではこれをやるのがセオリーだと勘違いされてしまっている。

実はこの長い説明によりお客様の心が冷え切るという状態が『質問しにくい環境』を作ってるひとつの要因なのです。

会社説明はせいぜい7分。
長くても10分にはおさえたい。

10分の構成の場合、途中で質問を挟むなどして双方間でのコミュニケーションが生まれるような配慮がほしいところです。

最悪なのは『何』の会社かを永遠に語り続ける自己満足営業です。

WHYで創る共感型アプローチ


ここで指す「何」とは、何をやっている会社か、何のサービスを行なっているか…こうした類いの話です。

勿論、お客様に理解を促したり「信用」してもらうためには、「何」を伝えることも大切です。
ただ、これで終わるなという話です。

WHATベースの話はストーリーがないため、聞いている人が『退屈』になりやすいのです。

退屈な話には『共感』がない。
共感がないと『好き』になれない。
好きになれないと頼らない。
頼らない人には話さない。=聞けない。

こように質問しにくいサイクルが生まれます。

ではどうするのか?
ここで注目したいのが『なぜ』を会社紹介に入れる事。これはサイモンシネック氏のゴールデンサークルという考え方です。

なぜこの事業を始めたのか
なぜ御社に提案したいと思ったのか
なぜ今注目されているのか

エピソードには想いが存在し、その想いに心は動かされるのです。

しかしWHYだけに寄せた話になると、今度はエモさばかり際立つ勘違いなナルシスト商談になりがちです。
結局のところWHATとWHYのバランスを適切に保つこと、WHATからWHYへの文章の繋ぎ方が聞き手の関心を高めることになります。


変数の少ないアプローチを改善する

なぜ私が、質問するのが苦手な人にあえてアプローチを磨く事を推奨するかを書きます。

ヒアリングや対話は状況やお客様の回答内容によって変数が多すぎるからです。
これをトレーニングするのは大切ですが難しい。

一方でアプローチは営業側にボールがあるので再現性が高いしコントロールが効きやすくなります。

特に営業組織を持つ人は、個々の能力とお客様に依存しやすい質問力をトレーニングするよりも、誰でも真似させやすいアプローチを修正する方が、効果は高いと考えます。

質問力を高める前に『話しやすい相手』を作るのはいかがでしょうか?

役に立てるから提案します


このnoteが勉強になったとという人には、役に立てると考えているので提案させてください。

◾️営業組織を束ねる人へ

このようにアプローチを磨こうと思えば

・最適な構成や脚本(シナリオ)を考える
・トレーニングで是正する

必要があります。
CEREBRIXでは、こうした営業プロセスのリエンジニアリング(再設計)や模擬商談を取り入れたトレーニングを商品として取り揃えています。

弊社の営業メソッドのイメージ↓ 


営業や商談において、解決したいテーマがあれば是非お気軽にご相談ください。

※ご連絡はお気軽にTwitterDMください
※問合せフォームの場合はnote見たと記載下さい
※営業は私が担当することは少ないです
※講義は私が担当することは少ないです

◾️営業パーソンへ

個人でも営業力を高めたいと考える人は、是非私たちの本を読んでいただいたり、イベントにご参加することをオススメしています。

日本国内、最高峰の営業エンターテイメント↓

その他、セレブリックスのイベント一覧


最後までご覧いただきありがとうございました!
これからも、より良い営業の発明を目指して頑張ります!

Sales is cool. 営業はカッコいい
セレブリックス 今井晶也


プロフィール

株式会社セレブリックス
執行役員 CMO/セールスエバンジェリスト 
今井 晶也

セールスエバンジェリストとして、法人営業に関する研究、執筆、基調講演等を全国で行う。
2021年8月には“Sales is 科学的に「成果をコントロールする」営業術”を扶桑社より出版。営業本のベストセラーとして累計出版数が5万部を超える。2022年7月には単著二作目として“お客様が教えてくれた「されたい」営業”を出版。
現在は執行役員 CMOとして、セールスカンパニーのマーケティング、営業、新規事業、事業推進を管掌する。
Everything DiSC®️の認定トレーナーであり、専門は営業、プレゼンテーション、コミュニケーションスタイルと多岐に渡る。

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