若い人の心不全

若い人(20台とか)の呼吸不全、発熱、咳でいきなり受診してくる時があります。

検査をすると、CTで心不全(心臓の機能が落ちている状態)のような状態に見えることがあります。気管支血管束肥厚、小葉間隔壁の肥厚など、肺の区画の間にある脈管の拡張です。心臓の機能が落ちると、血液が押し出されにくくなって、血液がうっ帯し、これらの現象が見えることが多くなります。

ただ、20台で若くしてなる心臓の機能の低下を除くと、勝手に心臓の機能が落ちるということはほとんどない。

患者に聞くと、喫煙をし始めた、粉じんを吸ったなどのエピソードがあることが多い。

急性好酸球性肺炎です。(ウイルスや細菌の感染ではなく、喫煙や粉じんが原因の特殊な肺炎)

病気の6割は写ると言われているCTを持ってしても、どっちなのかわからない似た異常が起こることがあるんですね。

その時決め手となるのは、年齢だったり喫煙歴です。(目を凝らすと、区別できることはありますが)

特に肺を写す胸部のCTでは、幾つもの病気が同じ像を取り得ることが多く、
結局、検査以外の情報で合わせ技になって、結論が出る場合がよくあるのです。