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ビタミン不足に意外な原因があるかも


高齢者になるとビタミン不足になることが結構あります。
食事があまり取れなくなって、摂取できる栄養の量が減るからという説明がされていますが、
他の原因もあるかもというお話です。ちょっと専門的です。

胆のうと呼ばれる袋がお腹の中にあります。
この中に、石ができる時があります。
コレステロールなどの物質が溜まって結晶化してしまうんですね。
主に長年の食事内容が原因とか、ストレスが原因とか言われています。

肝臓には、胆汁という、うんこの色や匂いの原因となる消化液(緑〜茶色)を作り出す機能があります。この胆汁は、食べ物に降りかかると、食べ物の成分の中で脂肪成分やそれに近いものを取り込みます。取り込まれた後、腸で吸収されやすくなります。

この胆汁は、食物を食べた時に振りかけると効率がいいので、ちょっとずつ作って貯めておき、一気に放出される機構が必要になります。


https://www.chugai-pharm.co.jp/ptn/medicine/karada/karada010.html#:~:text=胆のうは、胆嚢(たんのう),貯えることができます%E3%80%82


これが、胆嚢です。

肝臓から胆管という管が腸に向かってつながっており、最終的には腸の中に胆管の孔が空いていて、そこから胆汁が漏れ出てきます。

胆管の途中に枝があって胆嚢が接続されています。

ここにいったん胆汁が溜まっていって、食事を食べたというシグナルが入ると、一気に収縮して、腸の中に胆汁が出るという仕組みですね。

理科の実験でも、途中で少量の液体をちょっとだけ一瞬で加えたい時に、側管にゴム球をつけておき、実験の途中で、このゴム球を絞って、薬品を押し出すことがあります。これと同じですね。

https://www.bmsci.com/products/?id=1502163538-853888&ca=41&gca=86&pca=1

高齢者になると、胆嚢の中の石が巨大化することがあります。3〜4cmとかになります。
症状がなければ手術などで除去することはありません。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/tando1987/4/1/4_82/_pdf/-char/ja

ここまで巨大化すると、食事が腸の中に入ってきても、石の影響で十分に収縮できず胆汁を放出できない、という可能性はないでしょうか。

胆汁は脂溶性ビタミン(D,K,A,E)を吸収する働きがあるので、十分な胆汁がないと、吸収量が低下する作用があるかもしれません。
ビタミンDは骨の強化に役立つビタミンでもあるので、骨粗鬆症の悪化に一役買っている可能性は、ちょっとわかりません。