首が腫れる理由はピアス


首のリンパ腺(リンパ節)が腫れると、やばい病気が多いです。

ピアスでも腫れることがあり、やばい病気に紛れた紛らわしい例について紹介します。

首のリンパ節が腫れるといって病院に来る人は多いです。

患者さんは首を傾げながら来院されますが、

受ける側にとっては、結構難しいです。

リンパ節が多く体表から触れるところは、首、脇の下、鼡径ですが、
一番多いところは首です。

https://www.chugaiigaku.jp/upfile/browse/browse288.pdf

ここには、気道や咽頭など外部の入り口になっているのでさまざまな病原体が入るためリンパ節が集中していて、
なんでもかんでも腫れてきます。

特にがんや血液のがんであるリンパ腫といったものが心配です。

若い人のリンパ節の腫れは、ほとんど良性と言われます。
炎症があっても腫れる場合が多いです。
ただ、巨大に腫れるものはリンパ腫などを考えねばなりません。

僕が経験したもので15歳でバーキットリンパ腫になっていた人がいました。
顔の形が変わるくらい腫れていました。

https://www.msdmanuals.com/ja-jp/professional/11-血液学および腫瘍学/リンパ腫/バーキットリンパ腫#治療_v6655272_ja

昔は結構いたらしいです、顔の形が変わるくらい頚部が腫れている人。

今では、病院へのアクセスも良くなり、少し腫れたら検査をして有効な化学療法をするケースが多いので、少なくなったようです。

中高年だと、頭頚部がん、いわゆる咽頭癌とかも多いです。

作曲家の坂本龍一さんがかかった中咽頭癌もここに入りますし、結構リンパ節が腫れます。

このように悪いもの、ほっといていいものがあります。

分布も実は重要で、首より上に病気がなくて、リンパ節だけ腫れていて、多発している人は、逆に癌の可能性は低いです。

意外かもしれませんが、
全身のリンパ節が腫れている場合があり、そうすると炎症の病気が多いです。(全身性エリテマトーデス、Castleman病、IgG4関連疾患、結核も)

逆に1個だけだとどうしていいか分からす、相談される場合が多いです。(最終的には組織を取って顕微鏡でのぞいて診断する場合も多いです)

できるだけ、組織をとらないでなんの病気かはっきりさせたいです。

この恐ろしい候補の中でも、ピアスをつけたことによる炎症性のリンパ節の腫れというものがあります。

意外と盲点で、なんでもないし死ぬことはないですが、頭に入れておかないとスルーしてしまいます。

ピアスをつけた方には実際に腫れた方もいるんじゃないでしょうか。

一般の方はあるあるのケースについて、逆に知らないことが多く、問診をし忘れたり、耳を観察し忘れたりして、
考え落とすケースがあります。(僕に相談してきた医師は、特に男性だと知らなかった場合が多かったです。)