見出し画像

日本交通・企画総選挙第2弾「会長、若者の思いを受け止めてください!」【中編】

日本交通の企画総選挙、第2回が開催されました。今回からは、初登場チームが参戦します。前編がまだの方はこちらから。

企画③「タクシー版Tinder」by塙チーム

マッチング8


「私たちのチームはマッチングタクシーです。
この企画はタクシー配車時にお客様が乗務員を選択できる機能をGOアプリ内に追加するというものです。お客様と似たような趣味を持つ乗務員や同性の乗務員をお客様が選択可能になります。

といっても想像がつきにくいと思うので、実際に会長が乗車してみましょう!

川鍋会長のドキドキ「マッチングタクシー」

私たちは裏ルートから会長の好きなものの情報を入手しました。

マッチング

川鍋会長
「すごい。大体合ってる(笑)。キンキンに冷えたビール、このキンキンに冷えたってところが大事なんだよ。それを銀座ライオンでね……押さえてるね。」


「この情報から会長のある1日を想像してみました。
今日、会長は日本交通本社で重大な会議がありました。熱く社員と語り合った会長はとてもクタクタです。そんな川鍋会長は帰りにタクシーを予約し、銀座ライオンまでビールを飲みに行くことにしました。

アプリを開くと……あらびっくり、マッチングタクシーの項目ができてます。」

マッチング2

川鍋会長
「あれ~~~~!??」


「ここを押します。
すると「自分に合う項目を選んでドライバーとマッチング」というのが出てきます。

マッチング3

マッチング項目があるので、趣味や好物などを選んでいただきます。すべて選んでいただくと予約するというボタンが出てくるのでこちらをタップします。

では、実際に乗車してみましょう。」

小松
「キキーーッ!ガチャ!」
(川鍋「音まであるんだ……」)
「ご乗車ありがとうございます!日本交通の小松でございます。安全のためにシートベルトの着用をお願いいたします。こちらが私の情報です。

マッチング4

川鍋会長、サーフィンするときはどの辺の海へ行かれるんですか?」

川鍋会長
「僕はずっと千葉ですね。乗務員さんは?」

小松
「私は山形出身なので、加茂水族館の方へ。」

川鍋会長
「山形でやってるんだ。ガチサーファーだなあ。」

小松
「……という感じで銀座に到着しました!」

マッチング5


「会長は銀座ライオンでビールを飲んで今日はお疲れさまでしたということで1日を終えました。ご乗車ありがとうございました。……というような企画です。

この企画を思い立った背景は、タクシーを利用したお客様の声から、より楽しいタクシー空間を過ごしたいというニーズがあるということ、そして私たち自身がオーディション採用というものを経験して、日本交通は社員1人1人の個性を大事にしてくれる会社だという気づきを得たことです。

そこから私たちは、お客様自身がもっと良いタクシー経験ができるように、また日本交通の社員全員がもっと個性を活かして働けるようにと、この企画を立案しました。

しかし私たちは、マッチングだけで企画を終わらせるつもりはありません。」

黒野
「企画背景を踏まえて、今後の流れを説明します。第一段階としてマッチングタクシー、第2段階としてお悩みタクシーとカウンセリングの部署の設立を同時並行でやっていこうと考えています。

マッチング6

お悩み相談タクシーは、お客様からお悩みを聞いて終わりではなく、アウトプットもしていきたいです。第4段階では各個人のお悩みをSNSを活用して発信していきたいと思っています。これら4つのステップの最終目標は、個性を表現できる社会の実現です。」

本間
「ここまでお聞きくださりありがとうございます。最後にこの企画に対する私たちの思いを言わせてください。

この企画の根本には、生きづらい社会を変えていきたいという思いがあります。「女だったら家事をしなさい」「男が泣くなんてみっともない」
――私たちの持つ個性は唯一無二のものなのに、なぜこの社会では「らしさ」を強要されないといけないのでしょうか。

様々な理不尽であふれているこの社会を根本から変えていきたい。個人が尊重され、誰もが自分らしく生きられる世の中にしたい。私たちの今回の企画はそんな熱い思いを形にするための第一歩です。私たちはここで止まることなく、社会を変えるために走り続けます。会長、この社会を、日本交通で私たちに変えさせてください。」

企画③、会長の評価は?

画像8

川鍋会長
「プレゼン上手だね。前回(6月8日)、プレゼンで話者が変わるのはあまりよくないという話をしました。話し手がパワポの途中で変わると、それに気を取られちゃうんですよね。

でも今回は小松さんが音を入れたりとか、シチュエーションの切り替えごとに人が変わっていたので、ずっと食いついて聞いていました。このプレゼンの仕方は皆の参考になるんじゃないかな。アプリの画面が出てきたのとかも、作りこまれていて上手でした。これを皆で考えたのならなかなかすごいな。

ただしこれね……すっごいやりたいんですけど、現実問題非常に難しい。前回のWi-Fiタクシー(参照)に近いものがあるね。これは乗務員さんを絞り込んでいく形になるけれども、例えば女性乗務員に絞り込めば、それだけ配車対象が減るんです。

さらに女性でサーフィンが好きってなったら東京で何台が該当するかわからない。予約ならまだいいんだけど、ただ予約を受けると「今4時だけど6時の予約に行ってね」となって、乗務員さんの2時間が待機で無駄になってしまう。じゃあ流しをしようとしても、たまたま最後の方に乗ったお客様に「埼玉まで」と言われて予約に間に合わない!という事態にもなる。

つまり、ピンポイントで即時マッチングすると時間がかかってしまうし、予約にすると乗務員さんに負担がかかる。本質的なジレンマなんです。せめて男女だけでもマッチングしたいというニーズはすごくあって、やりたいんだけど意外と難しい。

もう1点、GOに組み込むというのは、エンジニア不足で大変時間がかかる。だけど今GOでも、乗車後のフィードバックで高評価をもらった乗務員を呼ぶみたいな機能をまさに作ってる。その機能を使ったら1回100円もらいますとかね。新たなマネタイズのツールとして、これは2~3年後には実現できると思う。

画像9

だけど、これはMoTや日交でもすでにたくさん話し合っているがゆえに、実現可能性は極めて低いんだよ。そういう意味で「修行を積むべし」

企画力や目の付け所は素晴らしいし、プレゼンも素晴らしい。でも選んだネタがど真ん中すぎて、皆さんの手に負えない。皆さんがまだJ2のチームで、これからJ1に上がるぞってときにいきなりヨーロッパのチャンピオンズリーグに行くような感じですね」

小松
「GOの初期設定で最初に性別を登録しますが、自分と同じ性別しか選べないように考えています。」

川鍋会長
「男女の区分けくらいならできるということかな。」

本間
「アプリでマッチング要素を選ぶ際に、会長のおっしゃる通り自分の近くに自分にマッチングするタクシーがいないかもしれないという問題があるため、半径何キロ圏内でタクシーを呼ぶか定めたうえで、予約時にマッチングする形を考えています。

もし近くにマッチングする乗務員がいない場合は、その項目が自動的に非表示になるようにします。サーフィンが好きとか、細かい部分の絞り込みは妥協せざるを得なくて、私たちも悔しい部分があるんですが、一応こういう形でできる範囲でやりたいと考えています。」

川鍋会長
「よく考えてる。2回くらいしたらものになりそうだね。僕もMoTの会議でも男女マッチングとかどう?っていうのは聞いてみますね。

現実問題として、GOでやりたいことは死ぬほどあって、皆さんが出してくれたみたいなアイデアが今176個くらいたまってる。それをやるのにエンジニアが足りない。そんな中でやらなきゃいけない部分は山積み。

今すぐやらないといけないことが連なっていて、優先順位として後ろの方に位置せざるを得ない。どれくらい儲かるかも大事。新しいユーザーがどれくらい増えるか、今のユーザーがどれくらい使う回数が増えるかなど、いろんな指標にわけて、仮説を置いて検証しています。

毎週15人くらいであーでもないこうでもないって会議しています。だから皆の熱い思いをもってしても、ガチのビジネスの会議の場でどこまでいけるかわからない。

この思いを頭の中に入れておいて、2~3年たってリソースが空いたときに手を上げてみては?

今はそれ以前に普通のお客様向けの機能が足りない状況。言い訳がましかったらゴメンね、大人の事情で。さっきのワクチンやEDSみたいに皆さんが動けばできるというものではないからね。

画像10

企画は練りこまれてて素晴らしいよ。ネタの成熟度も。自分たちだけで動いてできそうなもので予算も100万円以内で収まるようなものであればGOを出しやすい。

例えばフォーチュンクッキーの動画の予算は30万円だった。30万円なら最悪失敗しても30万円なくなるだけですむ。でも失敗したとしても絶対にプラスもあるという判断もある。この企画は私の胸の中にメモしておきます。」

企画④「タクシー×観光農園」by顧さんチーム

観光農園4

皆さん、観光農園に行ったことはありますか? いちごのシーズンにはいちご狩りに行ったりはしますか?

私が中国の実家にいたときには観光農園に行っていました。日本でも行ったことはありますが、観光気分できれいな感じかと思います。観光農園に行った私ですが、都内の友人からは「休日に行く場所がない」という話を聞きました。

観光農園

ネットで「観光農園 東京」で調べると、「貴重」「なかなかない子供教育」「ファミリータイムが大事」などの言葉が出てきます。

また観光サイトでの検索結果を見てみても、マーケットがあるんじゃないかと思いました。そこで、都市部の人々の思いを私がタクシーで実現させるような企画を作ってみたいと思いました。

観光農園2

キーワードは「わかりやすさと実行の可能性」を一番重視しています。なので既存の事業の観光タクシーの一種とする「都内観光タクシー」を運行する期間限定サービスとなります。

ターゲット層は都内在住で家族との時間を大切にしたい方々です。普段はビジネスタクシーを利用している方の休日ファミリーバージョンとなります。

予約は観光タクシーと同様。こちらからのオリジナルルートの提案、もしくは金銭面を考える学生さん向けに、割引を取り入れたスペシャルプランを用意しています。これは連携関係のある観光農園さんを行先としたときに適用されます。

そして付加割引としては公式SNSでの予約や口コミの投稿をしてくれたお客様にクーポンを配ります。

投資と収益について。結論から言うと、低投資で早めに収益が見込める点です。これは既存のサービスを利用するものなので、設備に対する費用がいりません。有料なのは、観光グルメサイトなどのSNSでの発信とポスターを作る費用のみ。宣伝は、自社のHPで載せる・タクシーの乗務員の雑談形式でお客様に宣伝するなどの方法があります。他には乗務員に対する教育投資だけで収まります。

観光農園3

収益はお客様からの費用と連携関係にある観光農園さんからの宣伝費用です。試算すると、1か月で3組以上4時間コースのお客様を集客できれば収益化できます。

意義としては、次世代観光を再定義すること、会社利益としては今までにない客層を開発することで、観光タクシー・EDS事業の拡大に繋がること、そして新卒の私が観光事業を前向きな姿勢で携わることに実現モデルを与えることで、今後の採用でEDS志望で入社を希望する就活生を増やします。

会長にお願いがあります。

2023年、この企画を実現したいと思います。

まずは資格を取らせてください。観光タクシーチームに入れさせてください。入社1年目では乗務員として必要な知識や技術を身に着けます。2年目になったらすぐにシティガイド検定を取らせてください。そして観光タクシーチームの会議に参加させてください。専門知識やリアルの考え方、人脈が欲しいからです。EDS事業に携わるチャンスをお願いします。」

企画④、会長の評価は?

画像16

川鍋会長
「僕も子供3人いるので、今年も去年も行きましたよ。いちご狩りで食べるいちごっておいしいよね。どんなに高いスーパーで買ったものよりもとりたてが圧倒的にみずみずしい。僕はいちご狩り大ファン。

僕がいちご狩りに行くときは、例えば千葉まで僕が車を運転してそこで宿泊して帰る。要はいちご狩りだけで往復する感じじゃない。いくつかのワンデイトリップの中の一つとして観光農園に行くというプランがある。

僕はいちご狩り大好きだしわかるけど、これだけのために観光タクシーに乗って行く家族層っていうのはどれくらいいるのかな。このサービスのニーズについてはどう考えますか?」


「いちご狩りだけでタクシーを使うわけではないと思います。今広島に住んでいるんですが、例えばいちご狩りと一緒にお花見をしたりします。バスを使うと直行で農園にしか行けませんが、今は自分で車を持っているので、花も見れるし景色のいい観光スポットに立ち寄ることもできます。いちご狩りだけじゃなく、他の見たいところに行けます。

また都市部では自家用車を持ってる人は地方より少ないです。自家用車がないと乗り換えも大変。また家族皆で行くと、子供の世話をしないといけないことを考えると自家用車は不便なところもあります。

ネットで調べるとお客様の声として『便利な交通機関がないのかな』という意見もあります。」

川鍋会長
「例えばお花見タクシー隈研吾タクシーは、一つ軸がある。これ行ってみたいけどどこに行ったらいいんだろうというニーズに対して、観光ドライバーがここがいいですよと提案するもの。

お客様がいちご狩り行きたいですという要望にいちご狩りで答えるんじゃなく、お客様の満たしたい要望は別にある。例えば隈研吾なら文化に触れたい、建築を知りたいがそれにあたる。いちご狩りの場合のニーズは『親が子供を一日遊ばせたい、でもその行先が分からない』というもの。

いちご狩りのあと公園に行って、最後に食事して帰ってくるとか、その農園の周りで価値をぐっと上げられるとか、そういう企画があったらできるんじゃないかな。」


「まさにおっしゃった通りです。以前観光農園に行ったときも、ランチをどこで食べるか悩みました。せっかく来たのに普通のラーメン屋さんに入ったことも。観光農園に繋がる場所をオリジナルルートとして私たちが提案できるかもと思います。」

画像15

川鍋会長
『修行を積むべし』と『前向きに検討』の間くらいだね。いちご狩りを今すぐやるってなると『修行を積むべし』なんだけど、僕が言いたいのは、チームを作った方がいいよってこと。自分ひとりのパッションで突き進むのもいいけど、チームの皆で意見を戦わせると広がりが出るし、自分の弱いところの穴を埋められる。

例えば割引すると人が来ると言うけど、本当に割引を受け入れてくれる観光農園はあるんだろうかとか現実に落としていくと課題が見えてくる。アイデアはいいけど実現まではかなり遠い感じがする。もう少し詰めて行かないといけない。

ただそれは本人もわかっているから観光タクシーチームに入れてくださいと言っているんだと思う。落としどころとしては素晴らしい。観光タクシーチームもリニューアルしたばっかりだから若い力も受け入れられやすいんじゃないかな。」


ここまで読んでいただき、ありがとうございます! スキとフォローをよろしくお願いいたします。

次回、後編は7月9日に公開となります。お楽しみに!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?