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【読書記録】児童書 ほんとにともだち?

おすすめ度 ★★★★★

毎日小学生新聞には、毎週おすすめの新刊コーナーがあり、低学年・中学年・高学年それぞれに向けて1冊ずつおすすめ書評が書かれている。

子どもの目に留まるように、切り抜いてトイレの壁に貼っておくと「お母さん、今週の新刊のコレ読んでみたい」と言ってくる寸法だ。
子ども向けの本を選ぶのは難しいので、助かっている。

本著「ほんとにともだち?」もこの流れで、小3娘の目にとまった。

小学校2〜3年生向けで、心温まる話。
道徳の教科書に載せてもいいんじゃないかな。
子どものために借りた本を全部読むわけじゃないんだけど、読んでよかった。


お話は、くまのまあくんと、たぬきのたんくんが黙々とねんどをこねこねしているところから始まる。
お互いおしゃべりもせず、笑いあったりもせず静かに集中して作る。
その様子を見てお姉さんが「ふたりって本当に友達なの?」と聞く。

まあくんは、聞かれて初めて「たんくんとは友達なのかな?」と不安をいだく。
もともとおしゃべりじゃなくて、ほとんど笑わないたんくん。
他の子達が楽しく喋っているのを見て「これが本当の友達なのかな」と落ち込んだり、頑張ってたんくんに話しかけても盛り上がらなくて、自己嫌悪に陥ったりするまあくんが健気で切ない。よしよししてあげたくなる。

最後、ふたりは「友達だよね」なんて確認しあうことなく、でも晴れやかに素敵な終わりかたをする。お母ちゃんうるっとしちゃったわ。


うちの場合。
息子はたんくんっぽくて、マイペースで自分のやりたいことを黙々とやるタイプ。ねんどこねこねしてる姿とか完璧に幼いころの息子で脳内再生された。
結果、一人で過ごすこともあるし、交友関係が広い方ではないけど、気の合う人と気の合う時にちょうどいい距離感で付き合っていて良いなと思う。

一方で、娘は「ともだちって、〇〇するもんなんだよ!」に影響を受けることもありそう。
元はメンタル強めであまり依存しないタイプだけど、女子同士のいざこざはでてくるだろうし、まあくんみたいに不安になったり、悩んだりすることはあるだろう。
そうするべき!とか同調圧力に抗うのって難しいよね。
そういう時に、この本のことを思い出してくれたらいいなと思う。


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