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【読書記録】なわとび跳べないぶきっちょくん

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おすすめ度 ★★★★☆

DCD(発達性協調運動障害)の話。初めて聞く名前だったけど、ASDやADHDなどとはまた違う、運動機能の発達障害の話だった。

自分の子(ウノくん)がDCDと診断された作者さんの体験をマンガにしている。マンガ+コラムなので、深く知るというよりは入門的な内容だけど、認知度が上がるのはとても大事なので、広まってほしいと思う。


印象的だったのは、作者が息子のDCDの診断のため、夫に「病院に行く」と報告するシーン。
夫が「ふーん、今は何でも診断つけて…昔からそういう子はいくらでもいたのに」といったことに対して、作者が心のなかでこう思う。

昔からいた「そういう子」たちのしてきた
悲しい思いや苦労をウノに経験させずにすむかもしれないじゃない

私も、最近ASDやADHD、HSPなどいっぱいありすぎて覚えきれないなぁと思っていた。
自称〇〇障害という人に「言い訳なんじゃないの?」と意地悪な感情を抱いたこともある。
「誰でも多少なり持っている特性じゃないの?」という人もいる。だって困り事や悩み事は誰にでもある、それは事実だ。

でもそういって、困り事を抱えている人の声をないがしろにしてはいけない、とも思って、モヤモヤしていた。
それが、作者の言葉で少しスッキリした。

昔からそういう子がいたからって、昔と同じように耐える必要はない。
少しずつ良くしていって、世の中がより良くなることが大事なんじゃないか。
みんなにも困り事があるからって、みんなで我慢する必要はない。
支援や配慮をすることが、近視眼的に「あの子だけずるい」ではなく、これから先もたくさんいるであろう人達を助け、配慮や支援ができる人たちを育てることになるんじゃないか。

本の中には、診断がつくまでにしてきた苦労や、診断がついたからすべてがうまくいくわけではないことも描かれている。
ラストはとてもポジティブに締められているけど、これから先もウノくんにはいろんな悩みや困り事が出てくるだろう。

知ることで、少しでも共生に向かえればいいと思う。

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