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なつめの一日の楽しみは

なつめが毎日一番楽しみにしているのは、断トツで散歩である。
基本吠えたり声を出したりしないのだが、散歩となると興奮してものすごく甲高い声を出す。聞きようによっては、悲鳴のように聞こえるから困ったもの。しかもとてつもない大きな声だから、ご近所に誤解されていなければいいのだけど。
この豹変ぶりからも、明らかに毎日楽しみにしているのがよくわかる。

柴犬って散歩嫌いが多いイメージなのに意外であった。
よもぎは散歩どころか首輪をつけるのすら嫌がった。獣医さんにも相談したところ、身体も小さく庭で動けば運動は足りるということだったので、散歩に行ったことがなかった。

ということで、飼い主も散歩初心者。
そのせいだろうか。最初は問題行動ばかりで、一瞬たりとも気が抜けなかった。ぐいぐい引っ張ったり、まっすぐ歩かなかったり。落ちているものなんでも口に入れようとしたり。
だけど最近はそれもほとんどなくなって、リードがたるんだ状態のまま同じペースで歩いてたりすると、お互い成長したね!と称え合いたくなる。

食後は庭へ出る習慣があって、そのとき雨だと躊躇するから嫌なんだろうけど、散歩は別。雨だろうが吹き荒れていようが行きたがる。
また、散歩の途中で雨が降ってきて「なっちゃん、雨が降ってきたよ。急ごう」と言っても「なんで?」という態度。
それにももう慣れて、今では私も雨に動じなくなった。

こうして問題行動もほぼクリアし、雨の中の散歩も当たり前に思えるようになったのだけど、すべて順調!とはまだいかない。
なぜか散歩の途中でぴたっと止まり、その場にしばらく立ち尽くすのである。遠くを見て何かを考えているような。どうやら物思いに更ける時間が彼女には必要らしい。
雨の日は私も一緒に雨に打たれながら待つ。
これを滝行ならぬ雨行と呼んでいる。
特に寒いこの時期、雨だと修業のことがよぎり「億劫だなあ。トイレは庭でできるし、今日は行かなくてもいいんじゃない?」とも思うけれど、あんなに楽しみにしていてウキウキと出かけていくなつめを見ると、「行かない」という選択肢は一瞬にして消えるのである。

雨の日はカッパを着て。
赤柴だから赤にしたけど、安全面からも目立つ色でよかった。










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