ワタナベ

雑多に文章書かせていただきます。 写真が好きです。よければ、何卒。 #詩というか文とい…

ワタナベ

雑多に文章書かせていただきます。 写真が好きです。よければ、何卒。 #詩というか文というか

最近の記事

思春期。15になった冬。

私が14の時、手紙一枚残して父は一度消えた。 私の誕生日だった。14歳になった当日。 次の日になっても帰ってこず、母と思い当たるところを探しに行った。 連絡もした。 「今日はコンビニの駐車場で車中泊した。 今後は実家に戻る。」 返事はこれ。 離婚の話し合いのためにうちに来る。 うちに来るっておかしな話。 あなたの家でしょ? あなたが、35年ローン組んで買った家。 なんで、訪問者になっているの? PCに残った履歴。 離婚・離婚の仕方・離婚裁判・離婚届・離婚 親権。 共同で使

    • 昔、行った喫茶店で。

      昔、恋人と行った喫茶店で 喫茶店と言ってもただの喫茶店じゃなくて 手紙を書いて、好きな場所に置いていくことのできる喫茶店だった。 その日は、付き合ってちょうど一年の記念日で なんとなく僕はこの人と結婚するんだろうなと思っていたから、黒歴史になるかもな。なんて考えることもなく。 またこの喫茶店で、その手紙を読み返す日を楽しみに 僕はその時の幸せな感覚をそのまま手紙に書いた。 『好きな人の隣にいられる幸せに感謝して生きたい』 今見ると完全なる黒歴史だが。 1つのテーブルに1枚の

      • 「神様欲しくなっちゃったか。」

        小さい頃、母親に 「なんで、あんなに優しい子が?」 と優しくてそれでいて、強くて憧れだった子が若くして亡くなった時尋ねた。 「だからだよ。」 と母は言った。 「優しくていい子だから神様が欲しくなっちゃったんだよ。早く戻っておいでって。」 なんだか腑に落ちた。 そりゃそうだ。 あんないい子、私だって近くにいて欲しいもん。 呼び返せるのが神様の特権か。しょうがないな。 「神様欲しくなっちゃったか。」

        思春期。15になった冬。

          『お願いがあるの』

          私はちょっとだけ、 ほんのちょっとだけ 他人より時間がなかっただけ。 そう、ちょっと。 1人の他人の『ちょっと暇だな』と思う時間を集めたら、 私の人生くらいか ちょっと長いくらいだと思うの。 そう、ちょっと。 でもね、 その"ちょっと"がね 私は欲しかった。 どうしても欲しかった。 "ちょっと"が 私には大きかった。 絶対に手に入らないそれを 欲しいと思う人生を歩んでしまった。 ねえ。 誰か。 私にその"ちょっと" 分けてくれない?

          『お願いがあるの』

          『昔住んでいた家』

          昔住んでた街を歩いた。 住んでた家に行こうと。 なんだか、昔の恋人のもとを訪ねるような変な気分になった。 203号室をちらりと見た。 洗濯物は干していなかった。 新しい恋人は まだいないようだ。 昔一緒にご飯を食べたファミレスが違うファミレスに変わっていた。 連絡しようと思ったが、 やめておいた。

          『昔住んでいた家』

          2023.7.23 吉祥寺 昼

          朝の日差しに油断した 突如現れた鏡に驚かされる カンカン帽 夏とパーマ頭には 必須アイテムだった 禅の会へのお誘いを受けた 勧誘の人が見えなくなった頃 そっとチラシをしまった 吉祥寺は やっぱりちょっと 優しかった

          2023.7.23 吉祥寺 昼

          『【必須条件】大学卒業以上』

          この言葉に何度傷つけられたことか。 自分で選んだ道。自業自得。 だが、世間がここまで残酷だとは思わなかった。 最近、転職を考えている。 今の仕事が嫌なわけではない。 職場の人も優しい。 キャリアップのためでもない。 ただ、自分が選んで出てきた場所が、 嫌でたまらない。 私には''東京''があわない。 あわせられなかった。 転職というよりは、自分の居心地が良い場所にいたい。 「それだけだ」と言いたいが、それが難しい。 誰しもがやりたいことを 居たい場所でやってるわけでは

          『【必須条件】大学卒業以上』

          2023.7.19 夜

          煙草の自販機の光がよわい 込み上げてきたが 涙するほどではなかった バスが来ないバス停で待つ この道を一緒に歩きたい人がいた

          2023.7.19 夜

          『決めつけ』

          今まで自分に対して "こうだ"と決めつけていたことがあったらしい。 "決めつけ"は他者に対して使うものだと思っていたが、そうではないらしい。 決めつけによって、今の自分が苦しめられているらしい。 今は今の自分が いいらしい。 決めつけるのが怖くなったから、遠回しに。

          『決めつけ』

          『"さびしさ"の居場所』

          『誰もが寂しさを抱えて、自分の居場所を探している。』 更に折坂悠太の音楽を好きになった言葉。 この言葉は、いつも頭の片隅にある。 寂しさを埋めるための日々の営み。 寂しさを何処に置くか。 その人"らしさ"はそこに出てくると思う。

          『"さびしさ"の居場所』

          『ゆきば』

          彼女はいつも遠くを見ていた。 誰も知らない、どこか遠くへいきたいと思っているようであった。 彼女は、美しかった。 とても純粋で、。 彼女の眼には、何が映っていたのだろう。 彼女は、いつも遠くを見ていた。 誰も知らない、誰もいったことのない世界へいこうとしているようであった。 彼女は、いつも笑っているように見せた。 彼女は、今どこにいったのだろう。 誰も知らない、誰もいったことのない世界へ旅立ったのだろうか。

          『ゆきば』

          『詩というか文というか』

          「こんな皺のない顔、拝む日が来るなんて思いもしなかった。」 病室の窓から遠くの方に海が見える。 私は、。 何かに、助けて欲しくて、どこかに、行きたくて、窓を開けて見て、ただ、自分の心が落ち着くまで、ただ、じっと見ていて、見ていたくて、見てたらちょっとは落ち着くのかなとか思って、 そしたら、海がだんだん近づいてきて、そんな感じがして、ただ、そこにいきたくて、 死にたくて。 気がついたら母親に殴られていた。 「親不孝なことしないで。」 私には、意味がわからなかった。 いる

          『詩というか文というか』