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Vol.47 「フィナンシャル・ウェルネス」健康で幸福な生き方

                             2022年1月

新型コロナの一時的な小康状態により、年末年始は久しぶりに帰省できた方も多かったのではないでしょうか。
しかしながら、国内でもオミクロン株の感染者急増し、先行きは不透明な状態が続いています。

そんなコロナ禍において、健康で幸福な(ウェルビーイング)生き方への関心が高まっているようです。心身の健康は食生活や人間関係が要因だけではありません。

昨年12月に日経リサーチが日本経済新聞社と共同で実施した調査(*1)において、生活者に現在の幸福度にプラス/マイナスの影響が大きいものを聞いたところ、上位にあがったのは「経済的な余裕」と「健康状態」でした。

Q.あなたの現在の幸福度にプラスの影響を与えているものはなんですか。(3つまで)上位3項目
健康状態が良い      63.8%
経済的な余裕がある    54.3%
人間関係(家庭内)が良い 52.9%

Q.あなたの現在の幸福度にマイナスの影響を与えているものはなんですか。(3つまで)上位3項目
経済的な余裕がない    38.4%
健康状態が悪い      31.5%
夢や目標、生きがいがない 24.4%

「フィナンシャル・ウェルネス」という概念をご存知でしょうか。
人間の幸福度に影響を与えるお金の問題に対して、この概念をつくった米国政府機関であるCFPB (米国消費者金融保護局)によると

①毎日および毎月の財務の管理ができる
②経済的ショックを吸収する能力がある
③経済的目標の達成に向けて順調に進んでいる
④人生を楽しむための選択をする自由がある

上記のいずれかが欠けていると健康を損なうと言われています。
日々の暮らしにおいてお金の不安が少なく、経済的に安定している状態を目指します。
コロナ前にできた概念ではありますが、コロナ禍で仕事がうまくいかず、お金の問題で心身の健康を損なう人も増えているようです。

アメリカにはすでにこの分野のインフルエンサーがいて、フォロワーに対してSNSでお金の付き合い方や資産運用の仕方を指南しているようです。
こういった問題は日本も同じではないでしょうか。

昨年9月に実施した調査(*2)では、回答者全体の9割がなんらかお金に困ったり不安に感じており、具体的に最も多くあげられたのが「老後資金」でした。

Q.お金に関連して困っていること、不安に感じていることを教えてください。(MA)上位3項目
・老後資金  54.4%
・特に困っていることはないが、漠然とした不安がある 25.2%
・老齢に伴う介護・医療費 23.0%

食生活や体の不調には保健・医療機関が担いますが、個人のお金の問題に関しては金融機関はじめ企業が果たす役割が大きいといえます。
心身・経済ともに健康であるために、お困りごとや不安をくみとり、いかに将来の老後への不安を取り除くサービスを提供できるかが、今後の鍵となってくるかもしれません。

*1「生活の満足度についてのアンケート」
回答者13,946人、WEB調査、2021/12/6~9、日本経済新聞社・日経リサーチ

【参考】日本経済新聞 20代以下「親より不幸」3割超 日経読者アンケート
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCA171460X11C21A2000000/

*2「資産形成・資産運用についてのアンケート」
回答者2,500人、WEB調査、2021/9/6~9/9、日本経済新聞社・日経リサーチ


■今週の執筆者■
森岡 園深(営業企画部 兼 アカウント第1部)

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日経リサーチ 金融ソリューションチーム finsol@nikkei-r.co.jp

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