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Vol.46  未来の接客に備えて

                             2021年12月

ミステリーショッパーの担当としては、緊急事態宣言と調査の調整が印象に残ります。ここ数カ月の状況からすると遠い昔のようにも思えますが、感染症対策が最優先の期間を経た今、以前より混雑を回避しようとするなど、気持ちや行動パターンが何らか変化したことがあるのではないかと思います。

このコラムでは時々弊社の調査から見える一般消費者の変化をお届けしていますが、上半期に緊急事態宣言を避けながら実施した小売店(フェイスケア・ボディケア用品)のミステリーショッパーでは「店舗に来たからこそ得られた情報」と来店の価値に言及するコメントが出てくるようになりました。
WEBでも商品情報は分かるが、店舗ではそれを1対1の接客で自分に合わせて提供してくれるので、新商品をすでに出来上がっている自分の生活ルーチンにどう加えるかイメージでき、購入を後押ししてくれた、といったものです。
小売店の接客の価値が、テクスチャーや香りといったモノの体験だけではないということが改めて浮かび上がり、そこで働く販売員さんにも自分の存在に自信をもっていただけたようです。

金融機関においては、来店予約を呼びかけて混雑緩和を図りながら、オンラインという形での相談機会の提供に新たに取り組まれているかと思います。
小売りと違い、モノではなく情報を提供しているので説明は店頭と同じですが、オンラインという場を準備する必要があり、同じ空間にお客さまがいないなど、対応する行員の方が不安に思う要素がいくつかあります。
この点に自信をもって取り組んでいただく後押しとして、弊社のミステリーショッパーの結果からポイント解説したプログラムを作成しました。8月に株式会社三井住友銀行さまの研修でご活用いただきましたので、プログラムを取り入れられた背景などについてインタビューをさせていただきました。

◆CX向上のための研修に「金融オンライン接客サポート」プログラムを活用
https://www.nikkei-r.co.jp/column/id=8259

CXやヒューマンタッチなどについてのお考えも語られており、今後オンラインを進めていかれるにあたり、ヒントになる事例かと思います。ぜひご覧いただけますと幸いです。
インタビュー中にもありますが、デジタルの流れは不可逆かと思います。
オンラインは用意したがご利用は少数であったり、オンラインはこれからというご状況もあるかと思いますが、未来への備えとしてご覧いただければと存じます。


■今週の執筆者■
井上 美紗(アカウント第1部)

【お気軽にご意見、ご要望などいただければ幸いです】
日経リサーチ 金融ソリューションチーム finsol@nikkei-r.co.jp

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