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Vol.35 キャッシュレスを利用しない人とは?(キャッシュレス決済に関する調査)

                             2021年7月


金融ソリューションコラムvol.35をお届けいたします。

日経リサーチでは、「キャッシュレス決済に関する自主企画調査」を実施しました。
今回は、その結果の一部をご紹介します。

【キャッシュレス決済に関する調査】
調査実施期間:2021年5月27日(木)~6月3日(木)
調査対象者:全国の20代~60代男女(弊社提携パネルにて実施)
回収数:2,518件
※回収結果を全国の性年代人口構成比でウェイトバック集計

ここ数年でキャッシュレスを利用する人がいっきに増えましたが、まだ利用していない人も一定数います。今回は、「電子マネー・スマホ決済サービス」を利用していない人に、その理由などを聞きました。

Q.利用していない理由は何ですか。

【登録のみで利用していない人】
1.クレジットカード・デビットカードで十分 37.4%
2.チャージが面倒 29.4%
3.個人情報や不正利用などのセキュリティ面が不安 17.5%

【全く登録も保有もしていない人】
1.使い方がわからない 24.2%
2.クレジットカード・デビットカードで十分 19.9%
3.個人情報や不正利用などのセキュリティ面が不安 17.8%

Q.どのような点が改善されれば、利用しても良いと思いますか。

【登録のみで利用していない人】
1.チャージ方法が今より便利になる 31.2%
2.個人情報管理・セキュリティ面において安心できる 28.7%
3.今よりポイント還元率が高い 28.1%

【全く登録も保有もしていない人】
1.どんなことがあっても使うつもりはない 38.5%
2.個人情報管理・セキュリティ面において安心できる 26.0%
3.設定が簡単にできる 24.2%

一度登録はしたものの利用していない人は、「チャージが面倒」など使い方に不便を感じもっと便利に使えれば利用しても良いと考えている人が3割程度います。
一方、登録も保有もしていない人のうち約4割が「どんなことがあっても使うつもりはない」と回答しており、同じ非利用者でも認識は大きく違います。知らない・わからないものに対しては、はじめの一歩が最も大きいようです。

利用していない人に共通するのは、「セキュリティ面に対する不安」があり、「クレジットカード・デビットカードで十分」と考えており、あえて利用するメリットが感じられていないことです。

2~3年前のPayPayのポイント還元キャンペーンやマイナポイントで、これまで利用していなかった人にもだいぶ普及が進みました。
しかし、今後の普及には、ポイント還元のような一時的なメリットだけではなく、日常で利用できる安心感と利便性がユーザーに伝わるかが鍵になります。

今回の調査では、「電子マネー・スマホ決済」各種サービス別の利用理由なども聴取しています。
ご希望の方には本調査結果のレポートをお送りさせていただきます。

■今週の執筆者■
山口 幸子(ソリューション本部 アカウント第1部)

【お気軽にご意見、ご要望などいただければ幸いです】
日経リサーチ 金融ソリューションチーム finsol@nikkei-r.co.jp
当コラムの無断転載、引用は固くお断りいたします。
また、執筆者個人の主観、意見が含まれております、ご了承ください。

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