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料理家・橋本彩さんに聞く「高見えレシピ」のノウハウ DJ Nobbyインタビュー

音声メディアVoicyで放送している「ながら日経」。日経電子版のニュースに加え、パーソナリティが旬な人、話題のテーマについてインタビューしています。今回のゲストはインスタグラムで27万フォロワーを誇る人気料理家のぽんこつ主婦(@ponkotsu_0141)こと橋本彩さん。聞き手は土曜担当のDJ Nobbyさんです。クールな経済キャスターのイメージが強いNobbyさんは実はかなりの料理好きです。料理を作る側の目線で「高見えレシピ」のノウハウを聞いています。9月8日に出版したレシピ本『ぽんこつ主婦のいつもの食材でパパっと “高見え”レシピ』からオススメのメニューも教えていただきました!

インタビュー音声はこちらから(番組後半です)▼

「ぽんこつ」のきっかけ

ーーそもそもぽんこつ主婦を名乗るようになったきっかけみたいなのがあったんでしょうか?
もともと結構面倒くさがり屋だったり、ズボラな性格なんです。結婚してから仕事を辞めて専業主婦になった期間がありました。料理以外の家事をあんまりしていなくて、夫が「本当に幸せなぽんこつだな」みたいな感じで言ってくれたのがきっかけで、自ら「ぽんこつ主婦」って言うようになりました。

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ーー実は僕、橋本さんのインスタアカウントを以前からフォローしております。家では僕が料理担当で妻は基本的に温めて食べるだけみたいな担当なんですけど。インスタはどうやったら美味しそうに見えるか参考になるなと思って見ていたんです。どういうことを考えて料理を始めたんですか。

新婚ホヤホヤのときは結構、レストランみたいな、おしゃれな料理とかを頑張っていたんですけど、繰り返し作っていくうちに「あまり男性受けしない」っていうことがわかってきました。
食べたらおいしいけど、そういう料理を夫は求めていなくて。もっと、がっつり胃袋をつかむ揚げ物だったりとか、肉野菜炒めだったり麻婆豆腐だったり。そういうところに、だんだん自分の料理が落ち着いてきました。そのほうが自分も簡単に作れて、工数対効果がいいんです。

ーー男性の私から見ても「これ食べてみたいな」とか「子供もこれだったらパクパク食べるだろうな」というレシピがすごく多いです。見た目とか味付けなど、結構工夫をされているんだろうなと思います。見た目というか、ビジュアル的に男性とか子供とかに受けそうな共通点ってありますか。

視覚的には結構、シズル感とか動画とかで工夫はしています。 でもやっぱり買いやすい食材で作っているので、「これならできそう」と思ってもらえるようにしてる部分はあると思います。

「プチプラ食材」にこだわる

ーー「買いやすい」というのはどういう意味でしょうか。

「プチプラ食材」と私は呼んでいるんですけど、ちょっと安価、鶏むねとか豚こま切れや豆腐など買いやすくて調理しやすい食材です。

ーーレシピを考案する時、どういうふうに発想されてますか。単純に材料を買ってきて台所に立って考えているのか、ある程度イメージをして買い物に行くのか、どちらでしょうか。

 台所で考える場合とイメージして買い物に行くのもどっちもあります。自分が食べたいものっていうのがベースなんですけど、庶民なのでちょっと涼しくなると温かいものが食べたくなるし、そういう自分の感覚で結構考えているところがベースにあります。
「おもしろいレシピが作りたいな」と思ったときに、食材の切り方とかで考えます。「ナスを細く切ったことって、今まであったっけ」とか。最近出したレシピに「なす入りのチンジャオロース」っていうのがあるんですけど、細く切って炒めたらふにゃふにゃになっちゃうから、シャキシャキの食感のピーマンと絶対合うみたいな、という感じです。

ーー僕も毎日料理を作るとワンパターンになってしまいがちです。たとえば手羽元だったらこのメニューとか胸肉だったらこのメニューとかってなってしまいがちなんですけど、その辺はやっぱり創意工夫しているんですね。

そうですね、すごく飽きっぽくて同じメニューを繰り返し作るっていうのが、好きじゃないと思います。新しい風を常に吹かせたがってるというか。だから皆さんがマンネリしてるところに風を吹かせるのがめちゃくちゃ好きです。

ーーインスタグラムも今27万人フォロワーがいらっしゃいます。フォトジェニックで色どりであるとか見た目であるとか光の具合とか、すごく工夫されてるんだろうなと思います。ご自身で全部撮影されるんですか。コツとかをお伺いできたらと思います。

光ですかね。特に照明とかは使ってないんですけど、太陽の光がどっちから来てるかとかは見ていて。ちょっと逆光気味の方が正面から光が当たってるよりおいしそうに見える。同じ場所からではなくて、私は撮るとき左右に動いていています。カメラを持ちながら動いていくと、食材がピリッとしたところとか、「今撮って」って言ってる瞬間があるんですよ。そうそうときにシャッターを切ると、すごくおいしそうに撮れます。

ーーこのたび出版したのが『ぽんこつ主婦の いつもの食材でパパっと “高見え”レシピ』というタイトルの本です。この「高見え」というのは、普段から意識されていることなんですか。

そうですね、料理をするからには味だけでなく、見た目もそれなりに整っていったほうが相手からも感謝されますし、やっぱりこだわりたい部分だなと思っています。

ーー鶏むねであるとか豚こまであるとか、もやしやキャベツとか、比較的値段が安定しているものや、小規模なスーパーでも必ず売っている食材が中心に使われているレシピですね。ちくわを裏返してイカに見せる技があったと思うんですけど、あれすごいなと思いました。

味もおいしいんですよ。ちくわっぽくないんです。イカのお刺身みたいな感じで大葉の香りと合わさって。ぜひやってみてください。

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ーー僕も一つ作ったんです。「サンラータン風とろみトマト豆腐」。肉が入ってないのにボリュームがすごくあって感動しました。ダイエット食にもいいのかなと思いましたね。タンパク質も野菜も豊富なのに糖質はそんなに多くない。

そうですね。メニューはヘルシー食材とガッツリ食べたい時というのを織り交ぜています。

ーー  この本全体を通して、橋本さんが紹介したかった料理の概念ってありますか。

今、お家でお料理する方も増えています。「ちょっとやる気ないな」というときに作りたい簡単なレシピと、マンネリするのでちょっと楽しんで作りたいっていうときもあるかなと思います。この本の中にもすごく簡単にトースターでできるラクラクなレシピと、ちょっと楽しんで作りたいラザニアだったりグラタンだったりパエリアのような挑戦的な料理も入っていたり、いろいろ織り交ぜています。楽しみながら日常的に使ってもらえたらいいなと思ってます。

新しい発見届けたい

ーーこの中で150ぐらいのレシピを紹介しています。特におすすめはありますか?

私のおすすめは常備してあるシーフードミックスで作るスンドゥブです。 アサリで作るものなんですけど、それをシーフードミックスの魚介の旨みを使って、おいしさを引き出してるレシピです。今ちょっと外食がしづらくなっています。お家にあるものでできるのでぜひ試してもらいたいなと思っています。

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ーーおうちのご飯の大切さを改めて認識したのが、このコロナ禍だったのかなと思います。毎日食事を考えなければいけない立場の主婦や旦那さんがいると思うんですが、そういう方々に向けてのアドバイスがあれば教えていただけますか。
そうですね。育児や天候で外に出れれなかったりとか、買い物に行けないことも多いと思います。お肉がなくても常備食材でうまく一品プラスしたり、野菜をレンジでチンするだけでもいいけど、そこに何か常備してある缶詰やちくわとか入れて少しプレーアップしたり。なにか少しでも新しい発見を届けられたらいいなと思っています。私もまだまだなんですけど一緒に頑張りすぎずに料理を楽しんでいけたらなと思います。

(構成:ながら日経 村野孝直








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