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今、幸せだから泣ける

苦難の真っただ中にいる時は泣くことすら忘れています。
心の中の水分がなくなる⁈とはちょっと変な表現ですが、次から次へとやってくる難題と戦っているとアドレナリンが出て自ら体の、脳の、パフォーマンスをたかめます。
イケイケ状態になっているのですが本人はそれに気が付かず、自分であって自分でない、他からの力が加わっているかのような状態です。

先日お会いした、60歳代のご婦人はご主人を亡くされて、女手一つで3人の子供を育て上げられました。

朝から晩まで働き詰めで自分の体をいたわる暇もなく、病院に行って、療養を余儀なくされることすら許されない状態だったそうです。
頼れるのは自分だけ!そうそう私もそうでした。健康診断も何か病気を見つけられては困る⁈

ご主人はかなりの資産家でしたが、お金持ちにはまたそれに相当する苦労があるものです。一番上の娘さんが成人するまでは、次は二番目。一つずつ階段を上ることでいつかは…。それ以外は考えなかったそうです。

そして今、子供たちはすでにそれぞれの家庭を持ち、孫も6人。この春には7人目の孫も生まれるとか!

そんな苦労をされたとは一向に見えない穏やかなご婦人ですが、深く刻まれた眉間のしわが歴史を物語っています。

最近涙もろくて、すぐに泣いてしまうとか…。映画やテレビでのワンシーン、今幸せであるからこそ、それをまともにとらえることが出来るようになったと笑われます。

泣くまいと思って我慢した分、心にたまっていた涙が今ようやく外に出ることを許されて弱い自分を見せることが出来たのでしょう。

人に歴史あり!まさしく、それぞれに一冊の本が書けるほどの苦労があったでしょう。楽しいことはほんの少し、ほとんどが厄介なことばかり…。
でも前を向ける人は強い!それを乗り越えたからこそ見える景色があるのかもしれません。

本当にいろんな人がいて、歩んできた道も違いますが、それが生まれ落ちた時から決まっていたのなら、この世での役割があったのでしょう。

何が幸せで何が不幸かはその時は分かっているつもりでも果たして正解かどうかは謎のまま。

歳を重ねるとみんな涙もろくなります。それは単に涙腺が緩んでいるだけではなく、今が一番幸せだから、自分を出せるのかもしれません。

穏やかな日曜の朝になりました。冷たい風さえも気持ちよくて…。
今日もいい日にしましょう!



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