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パンとワイン

神戸北野のビストロ「ル ブージー」の姉妹店「ザ ベイク」はしゃれた小さいお店ながら迫力のあるパンがずらりと並んでいます。薄暗い店内は雰囲気のある大人のレストラン風。一見パン屋さんには見えません。外も内部も黒で統一されたおしゃれなたたずまいで異国の地にいるような錯覚に陥ります。

大好物のシナモンロールはおとなのお菓子。塩バターチャバタはクラムチャウダーと一緒に、カンパーニュはビールと一緒にスポーツ観戦。散歩の途中で立ち寄ることのできるベーカリーが北野辺りにはたくさんあって楽しみの一つです。

たまにパンとワイン。チーズやソーセージ、スモークサーモンは定番。必ず生ハムにはメロン、今ならイチジクも美味しそうです。

秋の夕暮れ独り者の女同士。時間はたっぷりあります。
三宮からぶらりと山側に歩くとあちこちのお店に灯りがともって、夕食目当てのお客が三々五々集まっている風景はこの季節にピッタリです。

あの暑かった夏は知らぬ間に過ぎて少し羽織るのを持っていないと寒いくらいです。

近くのリカーショップでワインを2本。特に高級なものではなく店主に聞いたお薦めの赤と白。ツウではないのでそんなに味が分かるわけでもありませんが、ゆっくりと話すにはワインがピッタリです。

彼女は北野坂のマンションに今はひとりで住んでいます。
会社を退職したご主人とさあこれからの人生!と終の棲家を購入した矢先心筋梗塞で帰らぬ人となりました。

彼女とは友達の紹介で会いました。境遇もよく似た二人はその日のうちに仲良くなってたまに女同士でデート!となります。

二人とも食べるのが好きで、歩く途中で見つけたお店で無計画なごはん会となります。

今日は丁度ベイクのまえを通りました。パン好きの私たちが素通りするはずもなく、美味しそうなのを選んでいる時に彼女の提案でおうちにお邪魔することになりました。

とりとめのない話は小一時間。すっかりいい気持になって食べ切れなかったパンやアンチョビのかんずめをお土産にいただいて家路につきました。

ほろ酔い加減も手伝ってさて先程迄何を話したのかも うろ覚えです。
ワインは足に来る!と言いますが、なんとなくふわふわしているような。

気取ってワイングラスを傾けるのは私には似合いません。

たまに白ワインに炭酸をたすとあのカプリ島のレストラン。青の洞窟観光が終わると船頭さんたちは全速力で港に引返しました。バスに乗り込むと小高い山の上のレストランに向かいます。そこで出されたのがレモンのお酒リモンチェッロと白ワインの炭酸割。硬いパンとパスタだけでしたが、潮風薫るその場所の見かけは甘そうなのにレモンの苦みと酸味の利いたお酒とシャンパンみたいにきりっとしたワインを思い出しました。

ふわっとその時のことが頭をよぎってなんとなく秋を感じるいいひと時になりました。


朝食は昨夜のパンを少し温めて、ポタージュスープと一緒にいただきます。
今日もいい日にしましょう!








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