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当事者の私が、Z世代の価値観について考えてみる

「Z世代」は今や多くの方が知っている言葉なのではないでしょうか?
調べてみると、今の28歳までの方が当てはまるということなので、私はZ世代ということになります。

テレビやネット等でよくZ世代に関する話題が出ていますが、Z世代はあまり良いイメージを持たれていませんよね。
若者が良くないイメージで語られるのはよくあることですが、実際に当事者の私が感じているイメージと同じ部分・異なる部分についてお話ししていきます。


Z世代はメンタルが弱い?

Z世代はメンタルが弱く、打たれ弱いとよく言われています。
全員がそうではないと思いますが、メンタルが弱い傾向はあると思っています。
私たちのメンタルが弱くなっている理由としては、主に二つあると思います。

①私たちはなるべく強く怒らない姿勢で育てられてきたから

過去の学校等での生徒に対する扱いの話を聞くと、先生に殴られたこともあったという話もありますが、私たちの世代はそんなことはありませんでした。

むしろ、大声で怒鳴るなども全て良くないこととみなされ、叱る時もかなり冷静に諭すような話し方が多かったと思います。

これは教育上良い変化なのだと思います。
大人のやり方を正しいものとして子供は学んでいきます。

体罰や大声で怒鳴り生徒を思い通りにしようとする姿勢を見せると、人を思い通りにさせるには暴力や暴言で無理やり押さえつければいいんだ、と考えるようになってしまうかもしれません。

メンタルの話で言うと、子供の頃に怒られたり理不尽に耐えたりすることはほとんどなくなったため、私たちZ世代のメンタルの弱さの一つの要因になっている可能性はあります。

②私たちはいつでも逃げられる環境にいるから

私たちはこれまでのどの世代よりも恵まれていると思います。
私たちの多くは、お金に困って食べるものもないという状態を経験せずに過ごしてきています。

ほんの少しの間収入がなくても生きていくことができるという考えがあれば、仕事仕事で辛い思いをした時にすぐに辞めるという選択肢が浮かぶでしょう。

現在では、アルバイトや派遣スタッフ、契約社員など働き方は様々で、技量があればフリーランスになり稼ぐこともできます。

つまり私たちは辞めたいと思った時に、どうするか考える余裕があります。

これは私の想像ですが、Z世代よりも上の方々は、そういったことが全く許されない状況だったのではないでしょうか?

逃げたら他の会社では雇ってもらえない、何もかも終わりだ、ここで頑張らないと、と自分に言い聞かせて、頑張ってきたのではないでしょうか?
いわば「背水の陣」ですよね。

逆に、私たちZ世代は逃げる選択肢を常に持っているからこそ、メンタルも弱くなるのだと思います。

また、逃げることを肯定する世論の変化もありますよね。
自分を守るために状況を変えることは確かに何も悪いことではありません。

昔は逃げることそのものが悪とみなされていたのかもしれませんが、今では適切な選択肢の一つと思っている方も多いと思います。

物欲がない?

私たちZ世代は、車などの高級品にあまり興味がないと散々言われてきました。

最低限のお金を稼ぎ、最低限の生活をしながら自由に暮らす人を取材する様子がテレビに映っていた記憶がありますが、自分の働き方を自由に選べるという意識を持つ人が多くなったのも、最近のことだと思います。

確かにイメージ通り、お金を目一杯稼ぐことがステータスだと言う考え方を持っている人はZ世代には少ないかもしれません。
ですが、それは欲がないということではなく、むしろ私たちの世代はとても強欲なんだと思っています。

というのも、お金を稼ぐことをセーブして自由な時間を持つというのは、お金で手に入るものだけではなく、お金では手に入れられないものまで全て手にしたいという意味だと思うからです。

以前から、お金をたくさん稼ぐということを目的にしてきた方々が、家族を蔑ろにして家族から締め出されてしまったり、会社にいかに貢献するかを考えてきた方々が、定年退職すると途端に見放されてしまったり、そういうニュースや体験談を見聞きする機会は多々ありました。

そういった方々は全体のごく一部だとは思いますが、私はそういった話を耳にするたびに仕事だけのために生きても仕方がないと思っていました。

Z世代の方々は、仕事にだけ専念していても本当に欲しいものは手に入らないと感じて、お金は欲しい分だけ稼ぐという思考に切り替えたのではないかと思っています。

つまり、「豊か」という言葉の定義が昔よりもだいぶ多様になり、お金をたくさん稼いで高級なものを買うこと以外にも、家族と多くの時間を過ごしたり、趣味に時間をたくさん使う生き方を求めるようになってきているのだと思います。

こうした変化はZ世代に限らず起こっていますが、集団としてより目立って見えるのがZ世代なのでは?と思っています。

タイパを重視する?

私たちZ世代はやたらとパフォーマンスを意識していると思われがちです。
特にタイパは私たちの世代を象徴する言葉としても扱われている気がしています。

これは半分正しいと思います。
私たちがタイパを重視する理由はおそらく二つあります。

① 有限の時間を無駄に過ごしたくないと思っているから

例えばフルタイムで働くと休日は1週間2回あると言う人が多いのではないかとも思いますが、その貴重な休みの日をどのように過ごすべきか、私は割と時間をかけて考えます。

サブスク等で映画や動画を見るときも、自分の見たいシーンやストーリー的に重要そうなシーンだけを厳選して見たい欲に駆られます。笑

映画・動画は考えられて作られているから、無駄な余白に見える部分も全て見ることに価値があると言う話はもちろん理解しています。

ですがどうしても、貴重な時間を消費するなら、より一つ一つを短い時間で楽しみ、結果的に最大限の楽しみを感じたいと考えてしまうのです。

また、これは人間の性質にも関わりがあると思っています。

②人は常に自分が持っていないものを求めて行動するようにできているから

私たちはいつももっとお金・地位、名声、親しい人間関係等、何かを追い求めて生きていると思います。
もっとお金を、もっと豊かな人間関係を、その次はもっと楽しい人生を。

きっとこれはずっとずっと昔、もしかしたら私たちが猿だった(?)時代から受け継がれてきたことなのではないでしょうか?
つまりより上を求めて生きてきたからこそ進化し、文明を築き、便利な世の中を作ってきました。
今のままではなにか足りない、と思うことこそ原動力になってきたのだと思います。

ですが、今の私たちは、昔とは比較にならないほどに豊かです。

ちゃんと働けばそれなりのお金が手に入りますし、仕事で地位を得なくてもSNS等で気軽に自分のことを発信し、他人から認めてもらえるようになったために地位も名声も昔ほどは重要視されていないのかもしれません。

でも、私たちは常に何かを求めたがっている。
だから今選ばれたのが「時間」なのかもしれません。

今はZ世代がタイパ重視だというイメージが強いですが、私のこの考えが正しいとすると、この先の世代はタイパを求めるのは必然ということになりますし、もしかするともっと上位のものを求めるようになっているかもしれませんね。

いかがだったでしょうか。
今回は、Z世代の価値観についてお伝えしました。

最後までお読みいただきありがとうございます。
この記事が少しでも面白いと感じていただけたら嬉しいです。

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