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カナダには、差別があるのか?

私は、大学生の時に1年間カナダに留学していました。
カナダは多様な国出身の方々が住んでいて、多様性を重視する国と言われています。

そんなカナダに留学する前、一つ疑問だったのは、カナダでは差別が存在するのか?といううことでした。
私は大学で異文化コミュニケーションという学問を専攻していたこともあり、異なる文化を持つ人同士がどのようにすれ違い、何がお互いの関係構築を阻害するのか興味がありました。

その中で、カナダでは多様な人たちが住んでいるという話を聞いた時に、カナダに留学して実際の様子をこの目で見たいと思ったのです。

そして、実際カナダに留学してみると、確かに多様な文化的背景を持つ、様々な人種の人たちが共生していたのですが、全く差別と感じる行為がないかと言えば、そうではありませんでした。

今回は、私が差別だと感じたエピソードをもとに、カナダの差別はどのように起こっているのかを見ていきたいと思います。

※私が「これは差別では?」と感じたエピソードをご紹介していきますが、その人からすると差別ではなかった、ということも十分あり得ますので、その点はご留意ください。


肌が褐色とわかったらすぐに態度を変えた話

これは私の友人の話です。
エチオピアから来た留学生で、肌が褐色の女性でした。

私が留学していた大学では、留学時の寮の部屋の割り当てはカナダに来る前から決まっており、メールなどでやり取りをすることができました。

そのエチオピア人の子はカナダ人の女性とルームメイトになることが決まっていたようで、留学前のやり取りの中で、カナダ人の子が寮の部屋に冷蔵庫を持ち込むと話しており、エチオピア人の友人にも冷蔵庫を使っていいと言ってくれていました。

ところが、実際に寮で会うと初めてエチオピア人の子の肌が褐色と知り、急に「やっぱり冷蔵庫は使わないで」という話になったそうです。
なぜかと理由を聞いてみると、その肌の色に対して言及があったらしく、そのエチオピア人の友人は差別を受けた…と嘆いていました。

後から聞いた話だと、その差別をしたカナダ人の子の親も肌の色を見て差別をするような人たちらしく、差別の問題が家族で受け継がれていってしまうことの厄介さを改めて実感しました。

英語話せるのか…?という反応

カナダ人の友人と一緒にファストフード店に入った時のことです。夜の時間帯だったため、お店の中には女性の店員さんが1人いるだけでした。
注文しようとカウンターに近づくと、その店員さんが私の友人に向かって「この人英語で注文できるの??大丈夫?」と怪訝そうな顔で確認していました。

私の見た目がアジア系だから英語が話せないのでは?と心配になったのだと思います。私の友人は私を馬鹿にした態度に対して怒ってくれて、その後何事もなく英語で料理を注文し終わりました。

ただ、アジア系という見た目だけで怪訝そうな顔をされたのは初めてだったため、とても悲しくなりました。

差別はどこにでもあるのか?

残念ながら、差別は本当にどこにでもありますし、0にすることが難しいものなのだと思います。

特に、カナダで暮らした経験から思うのは、やはり人は見た目で人種等から相手を判断してしまうということです。
また、見た目的に英語が話せなさそうと勝手に判断して、めんどくさそうな、怪訝そうな対応をされることも、留学や旅行などでは多いと思います。

その背景には、英語のネイティブスピーカーは、そもそも外国語を学ぶという機会があまりないということが関係しています。
彼らは最初から英語を話せるため、他の言語を学ぶ必要性を感じていない方が多いです。

そのため、まず英語が話せなさそうな見た目というだけで敬遠されますし、ちょっとでも英語がそこまで上手でないことを見抜かれると、それだけで見下してくる方がいます。

また、英語の問題だけでなく、肌の色が原因で相手を避けたり、距離を取ったりということもあります。

多様な人種の人たちが暮らしているカナダでも、やはり差別は0ではないということがわかりました。ただ、カナダの方々は基本的に優しく、親しみやすい方が多く、相手を差別する人は少ないと思います。

私の経験上では、相手を見た目で差別するような人は、家族にその考え方の人がいるか、もしくは教養のあまり高くない方が多いように感じます。

海外に行ってみたいけれども、カナダの方々とのコミュニケーションが怖くて前に踏み出せていない方は、どうか差別を怖がらずに海外に行く機会を持っていただきたいです。

差別は確かに受ける可能性もありますし、差別を受けた時の悲しみはうまく言い表せないのですが、それ以上に視野が広がったり、大きな経験になったりと、正直メリットの方が何倍も大きいと思います。

今回は、カナダで経験した、差別と感じたエピソードについてご紹介しました。

この記事が、読んでくださった方のお役に立てると嬉しいです。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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